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エッセイ#1 『日常』

満員電車は苦手だが、電車を乗り継いで都会の街に出ていく感覚は嫌いではない。

電車では基本音楽を聴くか、映画を見て楽しんでいるけど、時折どんな音楽や映画も気分に合わない日がある。そんな日はどうするものかとボーッとしていると、つけていたイヤホンが無音だった。おそらくそれとは関係ないが、前の人が本を開いている。

本を買うのは好きだ。読むのが好きと言うことではない。ただ、「電車」という場所であれば読める気もしたので、次の日はじめて電車で本を開いてみる事にした。

最初の五行読んだあたりから「あいつの読んでいる本はセンスがない」と周りに思われていないかばかり心配した。こんなことならブックカバーをつけて貰うべきだった。

レジで店員さんに「はい」以外の言葉を言うのは緊張する。「大丈夫です」「お願いします」というのは難易度が高い。「ブックカバー大丈夫ですか?」と聞かれたら「はい」と答えるしかないので、「ブックカバーつけますか?」と聞くマニュアルにして欲しいなと思った。

そんな事を考えていると、たしかに本を読んでいたはずなのに、内容はまったく覚えていない五行が進んでいて、明日は本を読んでみようと思った。

エッセイ#1『日常』

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