毎日、連絡帳に振り返りを書き続ける
私は、昨年度まで3年連続で小学校1年生を担任していました。
数えると教員生活の半分を1年生の子供たちとかかわってきました。
私が1年生の担任をした時には、入学式が終わった2、3日後には連絡帳を書き始めました。
1年間書き続けると、子供たち一人一人の連絡帳が7~10冊程度貯まります。
連絡帳には、日付や曜日、配布物の有無などはもちろん書きますが、一番大切にしていたのは毎日の振り返りの日記です。
例えば、昨年度の2月に、新1年生の移行学級をした際、Aさんが連絡帳に記述した振り返りが以下の通りです。
きょうは、しん1年生のいこうがっきゅうがありました。わたしがあんないしたしん1年生のなまえは、○○ちゃんと○○ちゃんです。わたしたちが、たいいくかんにつくったあそびばであそんでもらいました。さいしょに、たいいくかんの入り口からすぐのコースにいきました。コーンにぼうがかかっているところは、「ぼうのしたをくぐるんだよ」って、しん1年生におしえてあげました。そして、「マットの上は、でんぐりがえしをしてね」とおしえました。2人とも上手だったから、「上手だね」っていってあげました。つぎに、おえかきもやりました。2人とも、女の子のえをかいていました。しん1年生がたのしいっていってくれたから、うれしかったです。おわるまえに、じゅんびしていたおりがみやお手がみのプレゼントをあげました。これまで、がんばってじゅんびしてよかったなあとおもいました。4月にしん1年生がくるのがたのしみです。
Aさんは、この日、連絡帳を4ページ記述しました。Aさんの姿から、何のために振り返りをするのかが見えてきます。
振り返りをするよさは、自分の行動やその時々の心情を見つめ直すことにあると思います。
特に、「これまで、がんばってじゅんびしてよかったなあとおもいました。」の一文からは、新1年生に喜んでもらえたことへのAさんの満足感や充実感が伝わってきます。
その満足感や充実感は、Aさんが次の活動に向かう原動力になると考えています。
また、振り返りを継続して行うことで、自分自身の変容を自覚することにもつながっていきます。
1日1日の積み重ねが、着実に1年生の子供たちの力となっているのです。
それでは、連絡帳に振り返りを書く際に、私が大切にしているポイントをいくつか紹介していきます。
1.1冊目の連絡帳は教師から配布する
1冊目の連絡帳は、学年全体で購入したものを渡します。
下記で詳しく記述しますが、子供が振り返りを記述する際に、文字指導をあわせて行うため、「10マス リーダー罫入」(1行が10マスで、マスごとに十字罫線が入っている)の学習帳を連絡帳として使います。
写真は、私が記述した連絡帳ですが、このようなイメージです。
1ページで70文字記述することができます。2冊目以降は、「10マス リーダー罫入」の学習帳を各家庭で購入してもらう旨を学年便りで知らせます。
2.最初は一文視写から始める
前述のAさんも、いきなりあのような長い文章は記述できません。
最初は、私がホワイトボードに記述した一文を視写するところから始めます。
その際、ホワイトボードは、子供の連絡帳と同じマス目(1行10文字)になっていると非常に便利です。
昨年度は、4月10日から連絡帳を書き始めました。振り返りは、ホワイトボードに以下のように記述しました。
なまえをかきました。
子供たちは、一文字一文字ゆっくりと真剣な表情で写していきます。
一文の内容は、その日に子供たちと活動した内容をもとに決めていきます。
まず、子供たちに、「今日、どんなことをしたか覚えている?」と聞いてから書き始めることが多いです。
子供は、その日にあった出来事を口々に伝えてくれます。その中の1つを選んで、私がホワイトボードに記述します。
連絡帳を書き始めた頃は、10文字の中に収まる文章が、子供たちが視写しやすいです。
3.子供の「書きたい」という気持ちを大切にして文字指導を行う
ここまで私のnoteを読んでいただいた方は、ひらがなの文字指導がまだ終わっていない、入学したばかりの子供たちに振り返りを書かせるのは難しいのではないかと思うかもしれません。
けれども、学級の中には、「早く鉛筆を使いたい」、「ひらがなを書いてみたい」という意欲にあふれている子供がたくさんいます。
教科書に出てくる順番(「つ」や「の」などの一筆で書く文字など)から練習を始める場合もありますが、毎日の連絡帳の振り返りを有効に活用します。
例えば、4月11日の連絡帳の振り返りは、以下の通りです。
きがえをしました。
この時、文字の書き順や「とめ・はね・はらい」などの注意するポイントをホワイトボードに書きながら説明します。
清音の「か」と濁音の「が」の違いなど、言語に関する事柄を取りあげて説明することもあります。
また、「。」がマスのどの位置にくるかを毎日繰り返し聞いていると、子供たちはすぐに覚えます。
このように、子供の「書きたい」という気持ちを大切にして、毎日少しずつ文字指導を行っています。
次回のnoteでは、④~⑥を紹介します。
ありがとうございました。
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