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MMT 現代貨幣理論とは⑤税金とは?その本当の役割!

有料設定にしてますが、全文読めます。前回で違うことを書くかも?と書きましたが、予告通りとしました。

前回は国債発行の仕組みについて解説したと思います。簡単に言えば国債は銀行、政府、民間、日銀の間をグルっと回って元本は戻る上に世の中に存在するお金の量が増えることについて解説しました。では、それならなぜ我々は税金を取られなくてはならないでしょうか?今回は税金の本当の意味について解説します。

まず、税金は政府の財源だ!と思われてる方も多いと思います。もちろんその意義はありますが、あくまでそれは副次的なモノでしかありません。国は国債発行で財源を作れます。さらに言えば国家は税金より先に支出、つまり予算を執行しています。2018年の税額は2019年3月に決まりますが、2018年の予算はもう決まってます。税金取れてないからやれませんと言うわけには行きません。これをスペンディングファースト(支出が先)と言い、それを行うための行為をOMF(明示的な貨幣供給)と言います。具体的には政府は予算成立と共に政府短期証券を日銀に持ち込み政府の日銀当座預金に振込ます。これで予算は確保できます。

じゃあ税金って何なんだ?という事ですが、まず1つ目の目的がこれです。

景気の調整装置(ビルドインスタビライザー)

これは分かりやすいと思います。景気が良ければ税金を重くし、悪ければ軽くすると言う事です。所得税などはその典型例で所得の高い人には重く、低い人には軽くと言うように累進課税となっています。なので、景気が良ければ自動的に税率が上がり、悪ければ下がると言うように出来ています。この意味で言えば…

消費税は最悪な欠陥税でこれをデフレの今、増税することがいかにヤバいか!

が分かると思います。消費税にはこの景気の調整装置がありません。景気が良くても悪くても、貧乏でも金持ちでも同じだけの税率がかかるからです!もちろん、超景気が良くて加熱し過ぎてるなら意味はなくないですが、明らかに今やることではありません。

そしてもう一つの税金の役割で、一番重要なのがコレです。

お金を通貨として強制的に流通させるため!

です。( ゚д゚)はっ?ってなったと思います。普通に考えればそうなります。ただ、②で述べた通りお金とは債務と債権の記録です。ぶっちゃけ記録出来ればわざわざ1万円札を使う必要ありません。それでも我々は1万円札をお金として使い、また集めようとします。これを理解するには投資家のウォーレン・モズラー氏の名刺にまつわる事例が分かりやすいのでご紹介します。

ウォーレン・モズラー氏は資産家で大きな屋敷に自身の子供達と一緒に住んでました。しかし、子供達は家事等の手伝いを一切することは無かったそうです。そこでモズラー氏は子供達に家事をしたら私の名刺を渡そうと言ったそうですが、子供達は父親の名刺は要らないと言ったそうです。そりゃ子供にとって名刺なんて価値ないですからね!そこでモズラー氏はこの屋敷に住みたければ月末に名刺20枚を提出しろ!と言ったそうです。そこから子供達は名刺を集めるために家事を手伝いだしたとのことです。当然ですね。提出しないと追い出されますから!そして、子供達は家事をすることで名刺を貯めて行きます。そうするとたくさん貯める子供も出てきます。その子は他の子に貸したりまた父親にも名刺を貸したそうです。手持ちが無くなれば父親もすぐに印刷は出来ないので渡す名刺が無くなります。その代わり父親は借りた子に利子を付けて返すことを約束します。

この事例で分かる通り、当初、子供達には何の価値も無かった名刺と言う紙切れが通貨としての価値を生み出すことになりました。つまり通貨を流通させるには税金と言う強制力を働かせることで本来は紙切れでしかない紙幣に通貨としての価値を持たせることが出来ると言うわけです。ちなみにこの事例では名刺をたくさん貯めた子が銀行的役割を果たしてる上に政府の国債発行に近い仕組みも行ってる事は大変興味深い内容だと思います。

この事例で分かる通り、日本国内でドルでも無ければユーロでもなく円が流通する理由は円で無ければ、税金として政府が受け取ってくれないからですね。逆に円のみが国内で流通することは我々にとってもプラスになります。もし仮に色んな種類のお金が国内で流通してたら使うたびに両替なり現時点のレートを見て支払う等々かなり厄介なことになります。また、これからはビットコインのような仮想通貨が主流になるんだ!って言う方もいますが、上記を理解すればまず起き得ないことが分かると思います。仮想通貨で税金受け取ってくれませんし、相場に左右される通貨で支払われても政府が困ります。まぁ、一時期あんだけ流行ったのも、結局は円を増やすための投機が目的で誰も仮想通貨自体を欲しがっていなかったのが真相と思います。

以上、税金の役割について説明しました。次回については少し考え中でございます。最後までお読みいただきありがとうございます。

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