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【長野県大町市】素敵な時間をもらったお家を勝手に紹介

そのお家は、長野県大町市、信濃大町駅から車で15分かからないくらいの場所に静かにたたずんでいる。

お世話になったお家

私とパートナーの2人は、2年間住んだ沖縄を離れ、どこか、どこでもいいので2ヶ月ほど滞在できる場所を探していた。なるべく人に会わなくていいような場所で。

賃貸の掲載があったことすら知らなかったジモティーにて、このお家を見つけた。移動のことや食事のことは深く考えてはいなかったけれど、値段と山の中にあること、静かそうな感じに惹かれ申し込みをした。

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私たちが借り始めたのは、2023年の7月1日。その日から2ヶ月間借りていたので、まるっと夏の時間をこちらで過ごしていた。お家が位置する場所は「これこそ避暑地」で、日中半袖の日もあったけど、朝晩は長袖1枚で、8月末頃には羽織りがないと寒いくらいの、とっても気持ちの良い気候だった。暑さから逃れようと意図していたわけではなかったので、「7、8月の真夏は山奥にいたので涼しかった」という当然らしい時間は、ものすごく幸運な出来事のように感じた。

長野県 松本駅に到着したときには、まだ紫陽花が咲き始めだった


なんでもない1日いちにち、なのだけど

ここで過ごした2ヶ月は、本当に、とっても心地の良い有難い時間だった。格別な思い出があった訳でもないし、特別なことをした訳でもない。

朝起きて1階車庫のシャッターを開け、コーヒーを淹れてタバコを吸い、家の前の道を少し眺めたりして、仕事をする。さらさらと静かに鳴る葉っぱの音が、深呼吸と背伸びを誘ってくるので素直に従い身体を伸ばす。パートナーが遅れて目を覚ますと、お布団をしまって少しおしゃべりをし、また仕事をする。彼は本を読んだり散歩をしたり。お昼が近づくと彼主導で私はお手伝いをしながらお料理をし、食べる。すぐに片す時もあれば、夕食の準備前に洗って使う時もあった。

居た期間の多くは、夕方になると山の日課かのように、静かに雨が降り、暗くなってくるのでシャッターを閉める。決まった時間ではなく、お腹が減ったタイミングで夜ご飯を作り始め、美味しくいただく。

夜、外には街灯が1つ、ぽつりとあるだけなのでほとんど真っ暗。ついた日には「星すごいかも!みたい!」なんて思ったけれど、家の側には「熊出没注意」の看板と(それしか看板というものはない)、日中も鹿や猿と遭遇することも度々あったため、外に出るという選択肢は自然と消えた。植物や虫、動物たちの世界に視覚なしで在るなんて、今想像してもぶるっと震えてしまう。夜は、それくらいの闇の中にあるお家だった。

朝の光。窓とカーテンがなんとも言えない美しさだった。
家の目の前の道
1階の車庫スペース。そこにあったものたちを動かしワークスペースとした。
お世話になったキッチン。シンクも広くて使い心地がよかった。


大家さんについて

かわいらしく、お節介だけど、さっぱりしているお母さんが、このお家の大家さん。上に載せているジモティーはその息子さんが運営管理をしているみたい。

到着の日、「書類にサインを書いてもらって」と頼まれたんだろう。これかしらなんていいながら、パタパタと窓をあけたりお部屋の案内をしてくださった。その時からすでに "ひかるさん" と親しみのある呼び方をしてくれて、ゴミを回収しにきてくれた数日後?には "ひかるちゃん" になっていた。

かわいらしくて、とっても優しいお母さん。

私たちは車がなかったため、2週間に一度くらいの頻度でこちらのお母さんがゴミの回収に来てくださった。(お手数おかけしました…。)

"お節介"と書いたのは、心配してくれたり、気遣ってくれたりしてくれたことを表現したかったのだけど、決して線をまたいで過分に干渉したりはしなかった。そのあっさりした感じも自分たちには適当で、心地がよく、有り難かった。


衣食住についてもう少し具体的に、詳しく

泊まりたい人いないかしら…とお母さんから言われていたこともあって、具体的な内容も置いておくので、参考にしてもらったり、まったく無視してもらったりしながら、このお家での時間を過ごしてもらえたらな、なんて思う。


先にも書いた通り、私たちは車を持っていなかった。初日はレンタカーを借りてキャリーケース等を運び込み、それ以外は基本的に歩きと公共バスを使っていた。

今更ながら、お家の場所をものすごくざくっと標すとこんな感じ。

「立山黒部アルペンルート」と呼ばれる山岳観光地を富山県と挟んでいる


▼食

【調達する】
10分ほど歩いて、家の近くのバス停へ。約2時間に1本出ているバスを使って、最寄り駅である信濃大町へ向かう。

ふれあい号時刻表 (年度で変わる可能性があるので、最新を調べるのが良いと思います。)

町にでたら1週間分くらいの食料を買い込みリュックに詰め込んで、また同じように帰宅する。

(小声でのシェア)これは退去1週間前くらいに知ったこと。いつも使っていたデリシアというスーパーはなんと、オンラインで購入して自宅まで届けてくれるサービスを提供していた。配達料は330円でとっても安く、午前中に注文したら15時ころには届けてくれるという。使ってみて、届けてくれた配達員さんがほんのわずかに輝いてる?と思うくらいには感動した。

だけど書いておきたいのは、町まで1時間ほどかけて出ていき、重たい荷物を背負ってまた戻ってくるという過程が全くなかったらと思うと、知ったのが最後の最後でよかったね、なんて話したこと。

解消でき得る不具合や面倒は、あとになって良かったなあなんて都合よく思たりする素になるので、よっこいしょ。としてみるのが、私にとっては良いな、と思う。


【保存したり・つくったり・よそったり・洗ったり】
冷蔵庫も冷凍庫もあって、ふたくちのコンロもある。包丁やお鍋フライパンなどの調理器材も一式揃っている。お皿もたくさん用意してくださっていて、お水も問題なくでる。問題ないどころか、信濃大町の駅前には、北アルプスからの湧水が飲める水飲み場がいくつも設けられているくらい、お水が豊かな地。

冷たくて柔らかくて、おいしかった

2人分のお料理・食事をするにはなんの困りごともなかった。


▼衣

【洗濯物】
洗濯機がある。朝から15:00ごろまでは、家の前に陽の光がしっかりあたるので、晴れた日であればしっかり乾いた。木々に囲まれているので、15:00以降には干してもあまり期待できない。

洗濯物を干すという行為は、私にとって短すぎない没頭の時間で、なかなかに好きだった。両手と両足がふさがって、シワを伸ばす・乾きやすいように配置する、それしかできない。耳だけ自由だけど、追加するのではなく、ただ干す。大袈裟にきこえるかもしれないけれど、たしかに、没頭の中の自由に触れられる時間の中のひとつなのだ。


【服装】
7月8月の真夏だったけれど、本当に涼しかった。クーラーが無くても問題がなかった。扇風機を用意してくれているけれど、それすら私たちは使わなかった。7月の日中は半袖。朝夜は長袖1枚。8月の中旬をこえたら日中に長袖1枚。朝夜はパーカーを着ていた。冬はとっても寒く雪も積もるらしいのだけれど、お部屋の中に大きなストーブがあった。冬の宿泊は大家さんにご相談を。


▼住

【間取り】
1階は車庫。(この空間の魅力はものすごい。)
入り口を入るとお手洗いとお風呂(広い)、洗濯機と洗面所がある。2階にあがると、キッチンとお部屋。ガラス戸で仕切られている。

左の襖にお布団やお洋服などの荷物を入れていた

お部屋は12帖で、2人で生活するには十分な広さ。私たちは使用しなかったけれど、上の写真と同じ広さのお部屋が、廊下を挟んでもう一つある。


【電波】
(2023年8月末までの宿泊時)wifiはなく、電波自体少し弱めではある。2ヶ月間だったので、私は楽天のギガ数を問わないプランにてテザリングをし、お仕事をしていた。zoomを繋いだり、STUDIOというオンラインのソフトを使ったりの作業が、(完全な肌感)70%くらいの速度で問題なくできるくらいの感覚だった。特定はできなかったが、ある時間帯や、雨がザーザーと降る時には更に繋がりが悪くなる時もあった。zoom上で時々宇宙人みたいになる私を、笑ってもらえる関係性の方達と仕事ができていることに深く感謝するしか他ない。なんて軽く言っている場合ではない。甘えさせていただきました。本当にありがとうございます。

雪みたい。雨の日も美しいです。


【嬉しいご近所】
家から徒歩5分くらいのところに、心絵館という温泉がある。ここの店主さんは、挨拶も立ち振る舞いも気持ちの良いおじさん。「富より健康」と書かれた松田乳業さんの瓶牛乳をお風呂あがりに飲むのが、まっとうに幸福感のある時間。



さいごに

「住んでみたいかも」なんて思ってもらえたら嬉しい。

これもあとから知ったことだけど、紹介したお母さんの両親が15年ほど前までときどき使っていただけで、全くの知らない人に貸し出ししたのは私たちが初めてだったらしい。そうとは思えない整い方だったけれど、人がいて、毎日換気をしているだけで、お家がそこに在ることができる可能性はぐんと高まるのだろうとやっぱり思う。

自然の中に、家という守られた空間の中に、住まわせてもらう感覚で。私も少しお掃除したり、風を通したりして、生きるお手伝いをしながら、お家と一緒に"暮らし"をしていけたら嬉しいな、と思う。

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合宿?なかびのカレーは定番なのかな。

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