第7章 2人の自分


謎の老人

運び屋にも許可をもらい、魔物からの心配も一応は払拭された今、
一同は駅の建物の中を歩いていた。

そう、
ベルトコンベアらしき設備に流されて、構内にたどり着くことに成功したのである。

そこはシックな感じの内装をしていた。
高いアーチ型の天井、大理石の床に白い壁。
広々とした空間は、
照明による煌々とした明るさに包まれている。
しかし窓はなく、雰囲気は暗い。。。

その中を、悪魔に紛れて歩く様は何とも奇妙であり、同時に恐怖も感じた。

何体かの悪魔は、エリカ達に気づくと、じとっとした目で見つめてきたが、気丈に振る舞ったためか去っていく。

ぼうっとしながら歩くアリスを見て、エリカは船長に尋ねた。
「アリアさん、泣きませんよね?」

「あぁ、安定剤を打ったからな。
今度は弱めのにしてもらったぞ!
もう担ぐのはごめんだからな」

船長は、うんざりしたように言った。

~~~

駅の中では、簡易な店舗が並んでいた。

知性のある悪魔が商売をしている様に、エリカは驚いて言った。
「悪魔が商売などするのですね…」

しかし、よく見ると、商売というよりは、物々交換に等しかった。

『人間の悲しみはいかが?』
『恐怖で売りましょう』

そんなやり取りを聞いて、エリカはぞっとした。

「悪魔が、変な交渉してますよ
無料の私達が歩いているというのに……」
マリアに耳打ちするエリカ。

「商売は、争いごとではない故に、ではないですか?
彼等も、運び屋の前で厄介ごとは引き起こしたくないのでしょう」
マリアは、そう言った。
彼女にしては、物腰柔らかな言い方であった。

エリカ達が、隅の方を歩いていると、
突然、その前に制服を来た悪魔?がやって来た。

いや、、、、それは、何と、人間であった。
どこからどう見ても、明らかに人間。。。

悪魔でも作業員でもない。

「に、、、人間だ人間だぁ」
その人は嗄れた声で言った。

顔には深くシワが刻まれており、だいぶ高齢なようであった。

みな、自分達以外の見知らぬ人間の現れに驚きを隠せずにいる。

暫くの沈黙の後、船長が言った。
「それは、こっちの台詞でもあるぞ!
何でこんなとこにいるんだよ?」

「捉えて!!」
フランチェスカが、大佐に命令した。

大佐が示し、老人は軍人2人に拘束され床に伏せられた。

老人は、リー大佐に剣を差し向けられながら言った。
「私は、ただの老いぼれだ!!!
敵意はない信じてくれ」

それから、彼は話し始めた。
「わ、私はな、ずっと地中にいたんだ。
作業員のヤツにはめられて、悪魔を倒す計画とやらに協力させられそうになったんだ……。

歪みゾーンに奥深くには、1ヶ月が何万年と感じられる層がある……。

そこで酷使されそうになったんだ。

しかし、私には奴等を満足させられるような科学知識を持ち合わせていなかった。

その為に隙が出来た私は、逃げ出した。
歪みゾーンからの脱出は容易じゃない。

何十年もかけて地上に戻った途端、脱走した身なりだと気づいて奴等は、私を使用するのを諦めて、駅長として矢面にしたんだ。

つまり、逃げてる間に歳を取ってしまったわけだ。

地中で何年過ごそうと、出た時は、入る時と全く同じ時間になっているんだよ。

そして、もう1人の若い自分は、今地中に入っている。

まだそう深くには入っていないはずだ。

嵌められたことを伝えて、脱出させるんだ」

フランチェスカは、老人を見下ろしながら言った。
「無の壁は、約3ヶ月後にはこちらに到達する。

それは地中も同じ。
地中といえど、何十年と過ごすことは出来ません。

作業員の話が本当ならば、あなたが偽りを述べていることになります。

或いは、両者が正しくなる方法があるか、、、」

最後の言葉は小さく、消え入りそうになっていた。

フランチェスカは、ぱっと閃いたような顔をした。

「あるには、ありましたね。
単純に、無の壁と距離が離れていれば良いのですね!

そうすれば、当たり前にその分だけ、長く、地上でも地中でも過ごせる。
侵食されるまでの時間が何十年以上もあれば、、何十年以上も過ごすことが出来る。。。

あなたは、ここと無の壁との距離がずっと離れていた時に地中に入ったか、
或いは、
ここよりずっとずっと北(無の壁の反対)にある地中に入って、出てこれた地上がここだったのか、、、

どちらか、ということになりますね。」

しかし、老人は首を振った。
「いや、そのどちらでもない、、、
歪みゾーンを入って、無の壁が迫る瞬間に出る。
すると、壁が遠くにある時の時間に戻っているということになるだろう?
それを何十回、何百回と繰り返される乗り物があって、そこに乗せられたんだよ。
そこから抜け出すのに、何十年もかかってしまったんだよ。」

話を聞きながら、フランチェスカの目は、キラキラと輝いていく。。。

それから一言、

「面白そうな乗り物ですね。」
と口にする。

「もしや、研究長、その乗り物で研究しようなんて考えてたりしませんよね。」
エリカが背後で言った。

「えぇ、正にそう思っていたとこですよ。」
フランチェスカは平然とそう言った。

「やっぱり…」というエリカ。
無表情のマリア。
ため息しかつけないアリス。

「次会う時は、婆さんか。。。」という船長。

「ふふふふ。
ご安心くださいませ。私は決して老けません。そういう体質なのです。」
フランチェスカは意味深にそう言ってから、
明るい声で言った。
「しかし、その前にまずは地上視察ですね。
その乗り物に入ってしまえば、このご老人の言うように、抜け出しにくそうですしね。」

「それで、このご老人を解放という話をしようではないか。」
と”ご老人”が言った。

フランチェスカは、「そうですねぇ。」と目をしばたかせる。

それから、不信な顔つきに戻って言った。
「話は分かりました。筋道も通っていますしね。
しかし、何十年と会話をしてこなかった人間にしては、かなり要領を得すぎですね。

普通ならば、言葉さえ忘れてしまうはずなのに。
なぜ、私達に話しかけたりしてきたのですか?」

「久々の人間に歓喜していただけだよ。

放してくれ。
急がなきゃならないんだ。
奴等の口車に乗せられる前に……。

安心してくれ。
君たちを巻き込んだり、助けを求めるつもりはない」

フランチェスカは、疑わしげな態度を変えずに聞いた。
「どのような口車に乗せられたのでしょう?」

老人は、言った。
「忘れたさ。
奴等にはめられたこと以外は、自分が人間であることしか覚えてない。
どんな生い立ちであったかもな」

フランチェスカは、不思議そうに聞く。
「若いあなたが戻ったとして、今の老いたあなたはどうなるのです?」

老人は答えた。
「若いまま地上に戻るんだ。
地中にいるうちに年老いた自分はいなくなるわけだ。

若い自分が、過去にした行動により、今の私がいる。

別経由で地中に入ったならば終わりだ。

君たちの目の前にいるこの私は消えるが、また別の時間軸で発生した哀れな私が誕生するだけだ」

フランチェスカは、暫く悩んだ様子を見せた後、命令した。
「解放して」

軍人が拘束をとき、リー大佐は剣をおろした。

「お急ぎのところ、引き留めてしまい、申し訳ありません。
どうか、行ってください」
丁寧な言葉使いとは裏腹に、フランチェスカが不適な笑みを浮かべて言った。

どうやら、彼女の探求心を刺激させてしまう種が植え付けられてしまったようだ。

命により解放された老人は沁々とした様子で言った。

「失敗したら、人間にもう2度と会えないかもしれない。
成功したとしても、今の私は消え去る。
どちらの意味でも最期だな。
若い自分も、同じ私には違わないはずなのに、まるで別人格のようだ……」

「だから、最期に拝ませてくれ」
老人はそう言って、目の前の大佐の手を取り、額に当てた。

それから、少し困ったような表情を浮かべた大佐を背に、去っていった。

フランチェスカは、その老人を見送りながら言った。
「リー大佐!

あなたの腹心達を連れて、私たちとは別行動で、作業員とその周辺を調べなさい。

調査結果は、逐一、報告しなさい。」

それから、彼に小さな機器を手渡した。

「これは、作業員から盗んだ電波機器をいじったものです。
公国のものとほぼ同じだったので、簡単に改良することが出来ましたが、
その電波機器は、保管のされかたからみるに、恐らくかなりの貴重品。
たった2機、つまり私とあなたしかないので、絶対に紛失しないでくださいね。」

大佐は姿勢を低くして言った。
「仰せの通りに」

「それと、1人補佐をつけますので、好きに使ってください。」
フランチェスカが笑顔で言った。

「この方です。」と指し示されたのは、、、、、、

船長であった。

「は!?」
意表をつかれた彼は、小さく声をあげる。



「あんた、死亡フラグじゃない!」

そう言ったのは、アリスである。
明らかに、面白がっていた、、、。

「何だよ、死亡フラグって。」
船長がイラついたように言った。

エリカは、アリスを睨み付けた。

「失礼ですよ。大佐に。
大佐といれば、フラグは立ちません。」

「だから、何なんだよ、死亡フラグって。」
という船長の言葉に、

「太鼓昔の若者言葉だったそうですよ。」
と返したエリカ。

「船長様、よろしくお願い致します。」

緊迫感のある声が小さく響いた。
リー大佐の声である。

「ご同行を。」と言って、片手を行く手に示す。

端正な顔立ちだが、眼光が鋭く、威圧感のある彼。

しかし、船長は屈服されることはなかった。

「はいはいはい。ご同行でも何でもしますよ!」
と言って威勢よく歩いていく。

「では、失礼します。」
大佐はそう言って頭をさげると、船長と共に去っていく。

従軍もその後に続いた。

ここからは、船長と大佐とは別行動になる。

地上視察を行うエリカ達と、作業員について調査をする彼らを繋げるのは、たった2機しかない端末となるのであった。

肉体の時間経過


船長と大佐と別れたエリカ達は、ホームに来ていた。

待機客の前に降りていた、黒いシャッターが昇降する。

シャッターの向こう側からは、運び屋の体の側面が現れた。

側面には、先ほど見たような沢山の気味の悪い口が付いている。
それは、開閉を繰り返しており、
開いた時も中は真っ暗で、中の様子が全く見えない。

そして、どうやらそれは入り口であるようだ。。。
乗客である悪魔達は、口が開いた時に、飲み込まれるように入って行ってしまったのだ。

「まさか、ここに入るんじゃないでしょうね?」
アリスが唖然としながら言った。

「どこをどう見ても、入り口にしか見えませんが?」
フランチェスカは、微笑して言った。
そして、入り”口”に向かっていく。。。

「うぅ、、、吐きそう、、、」
アリスが項垂れて言った。

「ほら、見てください?
歯がありませんよ。
きっと綺麗な口内です」
エリカは言い聞かせるように言った。

~~~

一同は、1人ずつ口に飲み込まれていくこととなった。

近くで見ると、唾液などは出ておらず、正面の顔にある口ほど、汚ならしい印象はなかった。

しかし、乗客の飲み込み方があまりに速い為、中の様子が見れず、それが得体の知れない気味悪さを助長した。

エリカの前で、マリアが飲み込まれ、乗車していく。

飲み込まれた先で、皆が無事でいるのかも分からないまま、エリカも意を決して口へと入った。

中は、弾力のある謎の物体に塞がれていた。
どうやらそれは、壁らしく、両側の壁に体を挟まれる形で、前へと進んだ。

照明もないのに、視界は明るい。
薄ピンクの壁と壁の間に体をねじり込みながら進んでいくと、
体を挟むものがなくなり、開けた場所に出た。
そこは、運び屋の体内=車内であった。

窓ガラスがあり、外の景色が見え、少しエリカはほっとした。

しかし、車内の柔らかい壁や床や天井は、呼吸しているかのように、常に動いており、生き物の体内である気味悪さを実感せざるを得なかった。

床の盛り上がった部分はまるで椅子のようになっており、魔物達が座っていた。

一同全員が入りきった時、丁度よく出発の合図が出された。

「出発スル」
という舌足らずな声が響き渡る。
先ほど、乗車の許可を得た際に聞いた声である。
この運び屋が話す声が、車内にも聞こえる仕組みになっているのだろう。

窓の景色はゆっくり動き始め、車体は遂に走り出す。
そして、加速度的に速度を増していった。

光速に近づき、混沌とした景色になった時、
天井に吊るされていたランプがともった。

                ~~~~~~

一方で、駅長の老人は、地下へと続くモロッコに乗っていた。

地下で、心は何万年という時間を経験し、
肉体は何十年も生き、
老いてから地上に出ることに成功した、哀れな老人である。

ランプが点々と等間隔に吊るされた、細い坂道は、ぼんやりとした明るさに包まれていた。

壁面に空いた穴を見つけると、老人はレバーを引き、モロッコを止めた。

そして、穴の中へと入っていく。

出口から話し声がした。

身を潜めてそっと見てみると、作業員の化け物に連れられた若き頃の自分がいた。

人間では到底耐えられない、途方もなく長い長い年月を経て、今こそその時間を取り戻す時が来たのだ。

老人は、感慨深い気持ちを押さえ、決意を固めた。
穴から出て声を張り上げる。

「駅長だ!」

作業員達は、辺りを見回して声の元を探す。
老人に気づいた!

「あぁ、駅長さん、なんすか?」
そう言って嘲笑する作業員達。

老人は言った。
「諸事情により、この者達を一旦地上に帰さねばならなくなった」

作業員達がバカにしたように言った。
「諸事情って、なんすか?」

「こやつらを何万年の酷使をさせる前に、地上の技術をもっと叩き込ませてやるんだ!!」

老人はそう言って、察してほしいという目線を、もう1人の自分に送った。

若い彼は、酷使という言葉に動揺し、戸惑うばかりである。

老人の思いを察し、行動に移したのは彼ではなかった。

軍人である。

彼、つまりは、過去の自分の引き連れてきたと思われる家臣。

軍人は、剣で作業員達に切りかかっていく。

しかし、坂下からも別の作業員達が参戦しようと登ってきて、切りがない状況である。

「こっちだ!!!」

老人はそう叫ぶと、
上へと上がる滑車へ、人間達を誘おうとした。

皆、正体不明の老人の呼び掛けに一瞬躊躇う様子を見せたが、
惨状を前に、1人が決意したように彼に従った。

それは、かつての自分である。

若き自分は叫んだ。
「トロッコに乗ろう!彼(老人)を信じてみよう!」

老人の乗るトロッコに、もう1人の彼自身が乗り込んでくる。

「誰だか分からないが、救ってくれてありがとう」
若き老人は言った。

「自分に感謝されるとは妙なものだな。」
そう小さく呟いた現在の老人に、
若き老人は首を傾げた。

自分同士の会話がなされている間に、
主に倣った家臣達も滑車に乗り込んでくる。

全員が入ったかに思われた。

1人だけ、逃げ遅れ、化け物に連れていかれていく。

老人は、目を背けながら言った。
「殺してやってくれ。
待ち受ける何万年の地獄から救ってやってくれ」

滑車内の人間により、その人間の心臓は、撃ち抜かれた。

レバーが引かれると、空気抵抗から守る壁と天井で覆われ、
滑車は凄まじい勢いで上がっていった。

滑車内で、老人は、若い自分の手を握って言った。
「あぁ、、、若き頃の私よ。
自分に触れるとは、何とも奇妙な思いだ」

それから、軍人達を見回して言った。
「仲間がいたことも朧気ながら、覚えているぞ。
1番若い私を残し、みないなくなったがね…」

老人は、ふと表情を変えて言った。
「思い出したぞ。
自分の名前を………。
エレン・゛ギャラクシア・メイデン゛」

老人の目の前にいるのは、
あどけなさを残した、栗色の青年。

そう、
帝国の第一皇子であり、女帝の兄でありながら、敵国の王として君臨する、複雑な立場の彼である。

皇子に裏切られたことは、まだ誰もしらない。

「゛初めまして゛」
エレンはそう言った。

老人は、少し面食らった様子で言った。
「まぁ、自分といえど、今は別人格だ
そう思えばら初めまして、だな」

エレンは戸惑ったように言った。
「救ってくれたことは感謝するが、、、先ほどから妙なことを言いなさる。
私が、、、あなたの過去の自分??
ならば、あなたは、私の未来の姿?」

「そういうことになる」

老人の短い短い答えに、エレンは眉間に皺を寄せていた。

老人は、彼(自分)を見て言った。
「過去の自分には、私の身の上に起きた全てを伝えよう。」

それから、老人は地下で起きた出来事や、時空の歪みについて、エリカ達に話したような内容を説明した。

聞き終えたエレンは、絶句していた。

若いエレンは、頭が整理されぬ内に、
老人は尋ねられた。
「なぜ、過去の私は、奴等の口車に乗せられたんだったかな?」

エレンは、突然話の対象が、自分(若いエレン)に向けられ、我に返った。
エレンは答えた。
「悪魔を倒す方法を知りたかったんだ。
連中と対等な同盟にするために、、、。
利害の一致から同盟を結んでいるが、目的が異なる上に、あちらの方が力が上だ」

それから、エレンは老人をまじまじと見つめて言った。
「何万年も生きていたとは、、、。
信じがたい話だが、本当に、、、私なのか?」

老人は言った。
「生きていたのではない、
何万年の月日を感じさせられたのだ」

エレンは言った。
「信じがたいだが、、、、、
自分だからなのか、確かにあなたは自分であるという謎の確証がある。
自分と話すとは、、、妙な気持ちだ」

それから、感慨深い様子で言った。
「しかし、何万年も経て、おかしくならずに、意志疎通が出来るほどには健常な精神を保っていたことも、驚きだ」

老人は、恐怖と苦痛の記憶を遡って話した。
「何万年とは、何百人分の寿命の年月に相当するからな。
多重人格ではないが、
何百人の人格の生死を、心の中で繰り返しながら過ごしてきた。

しかし、今地上に上がって、、、日の光を浴びて、人間にも運良く巡り会え、
心の中で何万年も前に死んだはずの、元々の人格が甦ったよ」

老人は、過去の若き自分に迫るように言った。
「地上に出たら、地下で年老いた事実はなくなり、私は消える。
最期に聞かせてくれ。
悪魔と同盟を結ぶ目的は、何だ?
何万年も前のことなんだ。
自分のことなのに、全く思い出せない」

エレンは答えた。
「悪魔と目的は違うと言ったが、大まかな部分では、同じだ。

神となり、世界を支配するんだ。
神が、悪魔か人間か、違うのはそこだ。

連中は、人間の科学力を利用することで、天国に行けると考え、我々を利用しようとしている。
我々もまた、魔界で悪魔の力が何かしら役に立つと考え、利用するつもりでいる」

老人は複雑な表情を浮かべて言った。
「本当に、、、それだけか?
自分だからなのか、違和感がある。
それだけが理由ではなかった気がする」

エレンは言った。
「それだけだ」




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