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無能の行く先

40社くらい落ちた気がする、この1年。
民間企業はどこも障害者を雇う気がない。
空求人ばかりで疲れてしまった。

自分が仕事に何を求めているのかが分からなくなってきた。いや、本当は何も求めない方が上手く行くのかもしれない。

人生において私が不幸でしかいられないのは、何につけても期待値が高すぎるからだと思う。無論高いところから落ちたら痛い。でも、私ははしごを上がることをやめられない。「何事にも一生懸命」と言えば聞こえはいいが、必死で上を求め続けるのは側から見ていてイライラするのだろう。


「もう諦めて就労移行行けよ」
「作業所(以下、A型のことを指す)入ったら?」

とも言われるが、就労移行に行っても収入は一銭も入ってこない。
作業所は最低賃金のくせに規則が厳しいのでもう行きたくない。
そもそも、福祉サービスの場でもある「作業所」を民間企業と同じく1としてカウントして障害者雇用率に入れるなって話で。

現在、障害者雇用率の中で雇用が進んでいるのは作業所であり民間ではない。むしろ民間の不足分を「『企業』にカウントされた作業所」が賄っているだけであって、少なくとも私の実感では民間での障害者雇用率が上がっているとは到底思えない。


私の地域の障害者求人(先月分を分析)は、

32%の空求人と
約30%の最低賃金求人(特養の介護/解体屋/ブラック量販店/建築現場、等)と
38%の作業所でできている。

32%で希望を打ち砕かれ疲れ果てるか、
30%の過労で疲れ果てるか、
38%から一生上がれないまま疲れ果てるか。

どれを選んでも答えは同じなのである。

求人の数から見ても、障害者求人は一般求人の1/10以下(同条件検索)。一般求人2000件に対し、障害者求人は80件。桁が違う。

とはいえ、もう私のデッドラインは長くて来月末。いくら現状の雇用体制に不満があっても、金がなければどうにもならない。

もう、普通のバイトで探すことにした。
当然周りは一般の人ばかりなので、そこに一人変な人がいたら目立つ。
そもそも、障害者が32%の空求人でもなく、30%のブラックでもなく、38%の作業所を選ぶのはなぜか。答えは簡単である。

安全だからだ。

周りも皆障害者だから、自身のハンディが目立たない。指導員の言う通りにやっていれば最低賃金だろうがちゃんと給料は出るし、作業も同じことをずっとやっていればいい。雇用保険にも入れる。キャリアアップなんてないが、そもそも障害者雇用自体にキャリアアップのシステムを組み込んでいる民間企業などないに等しいのだから、関係ない。

だが私は、その需要に漬け込んで、障害者を最低賃金で働かせて当然の顔をしている連中が許せないのである。作業所はどこも最低賃金だ。当然、利用者がいくらやる気を出して頑張り利益を出したところで賃金は1円とて上がることはない。

と言うと
「でも一般求人の中にも最低賃金で働いている人はいるよね? その人達はどうなるの?」
という声が聞こえてきそうだが、「今私は、『障害者求人の話』をしているのだ」と一応先に言っておく。

作業所に入ったら中々出してもらえないのも(労働力の確保)、現状に満足してしまい今より上を目指せなくなるのも、勝手に就活をすると叱られるのも、私は知っている。
なぜなら、私もかつて作業所に2年弱いたからだ。

頑張りたいのに、頑張れば頑張るほど損をする。
一生懸命やってる人ほど、馬鹿を見る。

その構図をそのまま絵に描いたのが、正に現実の障害者を取り巻く雇用情勢そのものなのである。


といっても私にできそうだった一般バイトは、連日調べ上げても結局一人作業メインの最低賃金しかなかった。
薄々気づいてはいたが、やはり障害云々の問題ではなく、ただ単に私が無能なだけなのかもしれない。

欲など出さず一生かけ蕎麦だけ食っていればいいのである

(勧誘御断り)

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