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サラリーマンでも行ける‼3泊5日でヨーロッパ ロシアの旅③

 2日目は昨日下見をした赤の広場へ。まずは聖ワシリー聖堂を見学しようと向かっていたところ、履いていたスニーカーの底がベロンと剝れてしまう。幸いにも目の前はグム百貨店。靴を探しに飛び込む。が、しかしロシアを代表する高級デパートだけのことはあり、店は超一流・高級ブランドばかり。それでも元々履いていたスニーカーと同じブランドの店を発見し、事なきを得る。
   せっかくグム百貨店に入ったので一回りする。超高級ブランドの一方でアイスクリームスタンドなど庶民向けの店もありギャップが面白い。
 改めて聖ワシリー聖堂へ。世界的に大ヒットしたゲーム「テトリス」の背景にも用いられていたロシアを代表する有名建築である。皇帝イワン4世が「二度とこんな素晴らしい建物を作れないように」と完成後に設計者の目をくりぬいたという話が残っているほど奇抜な外観だが、内部は意外と普通の教会。中で男性数名のアカペラグループが自分たちのCDの宣伝のため歌っている。もともと教会は音響効果が高くなるように設計されているので、プロモーションには最適だろう。ただし、窓も少ない教会の中は相当に暑い。歌い続けるのは大変だろう。

 赤の広場を後にし、アルバート通りを目指す。「歩行者天国になっていて観光客の散策にぴったり」とガイドブックにある。そこに向かう途中に小さな屋台がある。モスクワの街中あちこちにあるというジャガバターの屋台「カルトルーシュカ」だ。早速食べてみる。ワゴンの中にはハムなど様々な具材があり、2つ選んでトッピングできる。なかなかに美味しい。
 アルバート通りにはカフェやファストフード店、物販店、小さな博物館などが軒を連ねており、なるほど散策するにはいい通りだ。通りを抜けたところにクラシカルな高いビルが建っている。ロシア外務省だ。モスクワには下層部から上層部に行くにしたがって階段状に細くなり、てっぺんが尖っているデザインの高層建築がいくつかある。スターリンがアメリカのマンハッタンの摩天楼に対抗しようとして建設させたもので、こうしたデザインは「スターリン様式」といわれる。なかでもこの外務省など7つのビルは「7姉妹」と呼ばれており、特に有名だ。外務省は観光客が入れるような代物ではないが、7姉妹の中にはホテルもあり、スターリン様式の建物に泊まれる、ということで人気があるそうだ。用途は何であれ、スターリンの時代だから1940~50年代だ。そんな時代の建物が今でも現役なことに驚く。

 外務省から少し行ったところに鉄道駅があるので行ってみる。今回のロシア旅行ではモスクワ市内の地下鉄以外は鉄道を利用する予定がない。乗らないまでも長距離列車の駅は旅情を誘う独特の雰囲気があるので見ておきたい。
 私たちが向かったのはキエフ駅(正確にはキエフスキー駅)。構内をぐるりと一回りして地下鉄で街中へ戻る。次に目指すは高級食糧店のエリセーエフスキー。なんと帝政ロシア時代から続いているという老舗だ。
 店はそれほど大きくはないが、宮殿か何かを思わせるような高級な内装が素晴らしい。買い物もせずに写真を撮る。見ていると来店客のほとんどが観光客で写真撮影に余念がない。「何も買わないのは申し訳ないな…」と思っていたら、妻がウオッカを買っていた。買物で荷物が重くなったので、一度ホテルに戻る。

 次の目的地は午前中にはからずも訪問したグム百貨店と並ぶ有名店のツム百貨店へ。グムよりは若干庶民的な雰囲気だが、それでも高級感が漂う。特に何が見たい、というわけではなかったので地下の食品売り場へ。ブラブラしているとドリンクのスタンドがる。そこの店員の美人なこと!スラブ系の女性は中年になるとでっぷり太ってしまうことが多いが、20代ぐらいまでは皆驚くほど美しい。彼女につられてフルーツフレーバーの炭酸飲料を飲む。英語が話せたので少し会話する。20歳の女子大生だそうだ。
 夕飯は近くのレストラン「ヨールキパールキ」へ。変な名前だが、ロシア語で「こん畜生」の意味だとか。比較的カジュアルなレストランチェーンで、手持ちのガイドブックにも載っている。店内には中年女性の集団がいて、大声でおしゃべりしている。妻によるとスペイン語で「最近仕事がなくて…」みたいな会話をしているそうだ。

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