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サラリーマンでも行ける‼ ヨーロッパ1週間旅 アイスランドの旅①

   窓の下には荒涼とした大地が広がっている。見渡す限り草木は1本も生えていない。時刻は既に夜9時をまわっているが、日本の夏の午後5時ぐらいの明るさだ。「ずいぶん北に来たんだなあ」と実感する。
 デンマークの首都コペンハーゲンからのアイスランド航空機は、ケフラヴィーク国際空港に到着した。アイスランドの首都レイキャビクの街中にも空港はあるのだが国内線専用空港。ケフラヴィークがアイスランドの玄関口。ここからレイキャビクまではバスで1時間程度だ。
 しかし、便が少なく次のバスは2時間後。夜も遅いことだし私はタクシーでの移動を希望したが、妻は「アイスランドは物価が高いのでバスで行こう」と主張する。事実アイスランドの物価は非常に高い。私たちは今回の旅ではA社のレンタカーを2日間手配したが、一番小さいクラスでも4万円近くした。日本の倍以上だ。

 ここは妻の言葉に従ってバスを待つ。しかし、到着ロビーには小さいカフェが1件あるだけで時間を潰すにも限界がある。ふと、ロビーの2階にレンタカーのブースが並んでいたことを思い出す。「ここでレンタカーを直接手配した方が安く済むかもしれない」と考え、その中の一つへ向かう。ブース群の中にはA社もあったが、そこには人がいなかった。隣のB社のブースで2日間の値段を聞くとA社よりも5000円程安かった。そこで、その会社に「A社の人は?」と尋ねる。「食事に行っているよ。30分ぐらいで戻るんじゃないかな」。その言葉を聞いて、B会社でレンタカーを契約。30分後に戻って来たA社のスタッフにキャンセルを申し出る。「なぜキャンセルするの?」の問いに「天気が悪そうなので運転に自信がなくて…」と答える。事実レンタカーを借りる予定の2日間は雨の予報が出ている。

 やがてバスがやって来る。時刻は夜12時近い。極北のアイスランドとはいえ、さすがに周囲も暗くなっている。
 バスの運転手に行先を聞かれたのでホテル名を答える。「バスを降りたところで待っていれば別のバスが来るからそれに乗って」と言われる。
 バスは闇の中を走る。アイスランドはレイキャビク以外に大きな街がなく、加えて深夜とあって車窓には明かりひとつ見えない。
 うとうとしているうちにレイキャビクに到着する。レイキャビク唯一の高層建築物であるハンメルフェスト教会のすぐ近くで、ロケットのような教会のシルエットが夜空の中に浮かび上がっている。バスの運転手に「ここで待っていて」と念を押される。するとマイクロバスがやって来る。乗り込むと行先も告げていないのにスタート。乗客は私たちだけだ。少々不安を覚えるが、10分もせずにホテルの前に横付けされる。ホテルの送迎バスでもなさそうだし、どのような仕組みになっているのかよくわからない。
 ホテルにチェックインしたのは1時をまわっていた。さすがに疲れてすぐに眠りにつく。


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