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サラリーマンでも行ける‼3泊5日でヨーロッパ ロシアの旅②

  今回の旅がいつもと大きく違う点がもうひとつある。到着ロビーに私たちの名前を書いたガイドがいることだ。今回は初めて空港からホテルまでの送迎を手配している。
 待っていてくれたのは、マリアさんという女性とビクトールさんという男性。早速挨拶を交わすが、マリアさんの日本語は本当に上手で、声だけ聴いている日本人と話しているようだ。ビクトールさんの日本語はマリアさんほどではないが、意思疎通は十分にできる。
 ところで、あれだけ心配していた煙だが、空港には全く見られない。どこまでも青空が広がっている。マリアさんに「煙は?」と尋ねると「昨日、空から消火剤を撒いて鎮火させました」とのこと。色々と心配して行先変更の手配などをバタバタと行っていたことが全くの無駄となったが、旅がしやすいに越したことはない。

 ひどい渋滞でかなりの時間をかけてホテルに到着し、チェックインをする。ロシアでは外国人は自分の滞在場所を役所に届出なくてはならない。ホテルに泊まる場合はホテルが手続きをしてくれるが、その間パスポートを預けなくてはならない。パスポートはいつ手元に戻って来るのか、滞在登録がちゃんとされているのか、何か書類は渡されるのか、英語の通用度が高くないと思われるモスクワで、初めての手続きを自力で行うのは困難と判断したのが、今回行程のほんの一部とはいえガイドを雇った大きな理由だ。
 チェックインが終わるとマリアさんが「滞在登録はやってくれます。20分後にパスポートを受け取りに来てください」と説明してくれる。マリアさんとはここでお別れ。3日後の正午にビクトールさんがホテルに迎えに来てくれることになっている。
 部屋に向かう廊下の中で、妙に暑いことに気づく。前回書いたようにこの夏、モスクワは猛暑に見舞われている。帰国してから知ったことだが、私たちが到着する10日ほど前の7月28日には、モスクワで観測史上最高の38.2度を記録している。しかし、モスクワは普段は冷涼な街だ。建物には冷房がないことが珍しくない。このホテルもそうなのだろう。幸い部屋にはエアコンがあったが、安宿だったらきっと難儀したことだろう。

 マリアさんに言われた通り、20分後にフロントで無事にパスポートを受け取りそのまま夕食を食べに街に出る。ガイドブックに「モスクワ1の美食通り」と紹介されている路地が近くにあるので行ってみたが、店の数も種類も大したことない。その周囲数ブロックを歩いてみたが、人口1000万人を超える大都市だというのに、飲食店の数が極端に少ない。散々歩き回り、目についたアジア料理の店に入る。寿司のようなものもある。せっかくモスクワまで来て寿司もどきも何だかな、という感じだが店探しに疲れた。
 日が落ちてたいぶ涼しくなってきたので、明日以降の夕食のロケハンもかねて赤の広場まで行く。日本では戦車などが次々に通る軍事パレードで有名だ。確かに広い。右手にはクレムリン、左手は宮殿と見まがうほど豪華なグム百貨店。そして正面には派手な色彩と奇抜なデザインで有名な聖ワシリー聖堂がある。
 観光客が必ず訪れる場所なだけに食事には事欠かないだろうと踏んでいたのだが、やはり飲食店はない。厳密にいうとあるのだが、目玉の飛び出そうな高級店かカフェばかりで気軽に腹を満たせる大衆的なレストランが少ない。どうもロシア人は外食が一般的ではないようだ。明日以降、夕食の場探しには苦労しそうだ。

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