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サラリーマンでも行ける‼ 3泊5日でヨーロッパ ベルギーの旅④

  さて、旅も最終日。シャルル・ド・ゴール空港を23時59分に出発する便なので、夕方6時まではベルギーに滞在できる。ただしブリュッセルを離れてしまうと、万一帰路の交通機関が乱れた場合に帰国できなくなる可能性がある。リスク回避のためにもブリュッセルで過ごすことにする。

 ここにきて気づいたのだが名所の「小便小僧」を見ていない。「世界三大がっかりスポット」のひとつだし、大したことがないのはわかっているが、滞在先のホテルから歩いて5分程度だし行ってみることにする。これが徒歩15分なら行かないところだが。
 小便小僧はグラン・プラスに繋がる路地を進んだ先にある。手持ちのガイドブックにも場所は記されているし、観光客が大勢固まっているのですぐに見つけられたが、逆に観光客がいなかったら目の前を通っても気づかなかっただろうと思われる程度に小さい。近くには、しゃがんで放尿をする「小便少女」の像もあるとのことだが、さすがにそれは馬鹿馬鹿しくて見る気にならなかった。

 妻が「ある建築家の自宅を見たい」という。妻は建築関係の仕事をしていることもあり、人の家を見るのが好きだ。妻が持っていたガイドブックによれば、その家は一般公開されている。場所は歩いて20分ぐらいか。私は大して見たくもないが、いい時間潰しになるのでブラブラと歩く。
 それらしい家の前に着いたが、ドアに何やら書いた紙が貼ってある。英語ではないので一言もわからないが、日本風に言えば「盆休み」といった内容のことが書いてあるのは雰囲気から読み取れる。試しにドアに手をかけてみるがカギがかかっている。私は全く知らない建築家なのだが、日本人にもファンは多いらしく私たち以外にも、別々に来たのであろうと思われる日本人男性が2人いる。彼らと「休みみたいですね」「そうですね」みたいな会話を交わす。

 さて、これで行くべきところがなくなった。グラン・プラスのビール博物館などもあるが、下戸ということもありあまり食指は動かない。中心街近くでまだ歩いていない一画をブラブラし、後はホテルの向かいのカフェでひたすらボーッとすることにした。日本に比べるとヨーロッパ(も含めた諸外国)はどこも娯楽が少ない。その分、地元の人は昼間はカフェや公園、夜はバプなどでダラダラとおしゃべりして過ごしている。それを考えると最もヨーロッパらしい過ごし方と言えるだろう。

 ブリュッセル南駅からTGVに乗る。世界有数の高速列車だが、出発直後はゆっくり走るので、ブリュッセルの街並みをゆっくりと望められる。線路わきに、まだ日が高いのに華やかなネオンが輝いている一画があった。下着やそれに近い姿の女性が建物の中にいるのが見える。売春街の「飾り窓」だ。オランダのアムステルダムにあるのが世界的に有名だが、ブリュッセルにもあるとは知らなかった。
 「カフェでボーッとしているなら、この辺ブラブラすればよかった」とはさすがに妻には言えなかった。

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