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018【MEGATHREATS 世界経済を破滅させる10の巨大な脅威】を読んで


書籍情報

書籍名:MEGATHREATS 世界経済を破滅させる10の巨大な脅威
著:ヌリエル・ルービニ
訳:村井章子
発行日:2022年11月

内容判定

●読みにくさレベル……【3.5】やや難しい
●参考文献……巻末に約16Pの参考文献の一覧有り
●内容の偏り……特になし
●内容ページ数……約400P

概要

 表紙に書かれている通り、世界経済に対する10の巨大な脅威を解説している。そのジャンルは経済、金融、政治、地政学、貿易、技術、健康、気候といった幅広い分野と、今後20年にわたって脅かすであろう脅威を中期的な視点で論じている。
 内容はいずれも経済的な話がメインであり、章ごとのテーマとして挙げられるような人工知能や米中新冷戦、気候変動などもそれらが「経済」にどう脅威を与えるかを主眼として書かれている。最後の部ではこれらの脅威における悲観的シナリオと楽観的シナリオを併記している。

どういう人が読むべきか

 内容として触れている範囲はよくある未来予測本と大きく違う部分はないが、経済という分野に軸足が置かれている分だけ、距離が近く、説得力がある。とはいえ経済学的な要素が強いため、ある程度経済学や金融論を理解していないと読み進めるのが難しいかもしれない。大学等でこの分野の知識を持っているならば数多くある未来予測本の中からこの本を手に取る価値があるように思える。世界経済に対する10の巨大な脅威を描いているが、数十年後の話をしているわけではなく、比較的近い将来起こりうる内容である点も今読んですぐ使える有用性がある。

キーワード

・ミンスキーモーメント
・フレンドショアリング
・暗号通貨
・テレミグラント
・グロボティクス
・ジオエンジニアリング
・グローバルトレンド2040

以下、感想

 おそらく、こうした未来予測本…のような内容に見えるタイトルから手に取った人は少しまごつくかもしれない。というのは本書の多くを

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2,642字

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