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【SOL】 Francium(フランシウム)でレバレッジファーミングを始めよう

本記事は情報提供のみを目的に作成されており、その内容は投資を助言するものではありません。作成時点での筆者の意見を反映したもので、将来の投資成果を保証するようなものでもありません。投資判断前にご自身の状況に合わせて、調査や検討を必ず行ってください。

DYOR & NFA

Francium(フランシウム)とは

概要

Francium(フランシウム)とは、2021年6月にリリースされたSolanaチェーン上で動くYield Aggregatorと呼ばれるサービスです。前回の記事はこちら。

今回は最大3倍までレバレッジをかけられるレバレッジファーミングについて解説したいと思います。


レバレッジファーミング

レバレッジをかけた流動性提供とは

Defiにおける流動性提供とは、異なる2種類の通貨ペアを預け入れることで「①通貨を交換されたときに得られる手数料」と「②LPトークンをステーキングしたときの報酬」を稼ぐという手法です。(②がもらえるかは通貨ペアに依存しますが)

「レバレッジをかける=お金を借りる」ということです。レバレッジファーミングは、預け入れる通貨ペアの総額に対してレバレッジをかけて、実際の資金よりも多い金額を使って①②を稼ぐという手法です。

もちろんそんなうまい話が手放しにあるわけではなく、お金を借りる以上リスクが存在します。


清算されるリスク

Defiの世界でお金を借りる場合は、大抵、担保となる資金を事前にプロトコルに預けることで、他の通貨が借りられるようになります。借金が返済できなくなりそうになったときのリスクを事前に防いでいます。賢い。

借金ができなくなりそうか否かを判断する指標がDebt Ratioと呼ばれるもので、計算式は

Debt Ratio = 借金している金額 / 借金を含めたポジション合計金額

です。この比率が一定値を上回ると借り入れが清算され、借りていたお金にペナルティが上乗せされて回収されます。

そして、この比率が100%を超えない限り、プロトコル側は借金が踏み倒されるリスクが存在しない、かつ、ユーザーは借金が現資産以上に膨らんで返済不可能になるリスクは存在しないということになります。

どのプロトコルもしきい値を100%未満にしていますので、基本的にはそうなる前に自動で回収されます。賢い。


Debt Ratioの目線で見ると実感しづらいので分母に注目して、合計価値がどれだけ目減りしたら清算されてしまうのか?という目線で考えてみましょう。

Franciumの場合、Debt Ratioの清算されるしきい値は83.3%に設定されています。

https://docs.francium.io/product/liquidation

借りる側からすると清算されるボーダーラインは現時点より離れていたほうが良いのですが、レバレッジ3倍の場合は約20%価値が下がったら清算されてしまいます。一方で、レバレッジ1.5倍の場合は約60%価値が下がるまで清算されません。

レバレッジ3倍で-20%、1.5倍で-60%になると清算

レバレッジが高いほど、損切りされるラインがより安全とも言えますし、ボラティリティの高い相場では簡単に清算されて余分なペナルティを支払うリスクがあるとも言えます。


レバレッジファーミングの種類

レバレッジファーミングはドルペッグなステーブルコインを片方のペアに選ぶことで、相場に対してロングをとるかショートをとるか、それともニュートラルに抑えるかをカスタマイズすることができます。(何を言ってるか訳が分からないと思います。僕も意味がわかりませんでした。)

ここから先はFranciumのシミュレーターを使って解説していきます。お手元でシミュレーターを開きながら読むと理解が捗るとかと思います。

レバレッジ無しの流動性提供と比較しながら、価格変動の影響がチェックできる!神!


1. ロングのレバレッジファーミング

ロングなレバレッジファーミングとは、通貨の価値が上がるにつれて資産価値がさらに上がるように設計されたレバレッジの設定です。

やり方は簡単で、

  1. ステーブルコインを借り入れ

  2. そのコインでもう片方の通貨に換金

  3. レバレッジをかけた流動性ペアを作成


SOL-USDCを例に取ると、

SOLに換金した$150だけロングポジションを開いている

元手$100でUSDCを$200分借りて、そのうち$50はそのままUSDCで、残り$150はSOLに換金して、SOL$150、USDC$150な状態を作ります。

点線が通常、実線がレバレッジファーミング

すると、シミュレーターを見て分かる通り、SOLの価格が上昇するほど、通常よりも価格変動の恩恵を受けられるようになります。一方で、SOLの価格が下がると通常よりも大きく損失がでることにもなります。

これはつまり、SOLの価格が上昇したあとでUSDCに戻すと、USDCの量が増えているので、USDCを返済しても余りが発生しているため、利益が上乗せされるというロジックです。

2. ショートのレバレッジファーミング

ショートなレバレッジファーミングとは、通貨の価値が下がるにつれて資産価値が上がる(or できるだけ下がらない)ように設計されたレバレッジの設定です。

やり方は先ほどと逆で、

  1. ステーブルコインじゃない方の通貨を借り入れ

  2. そのコインでステーブルコインに換金

  3. レバレッジをかけた流動性ペアを作成


SOL-USDCを例に取ると、

USDCに換金した$50だけショートポジションを開いている

元手$100でSOLを$200分借りて、そのうち$150はそのままSOLで、$50はUSDCに換金して、SOL$150、USDC$150な状態を作ります。

点線が通常、実線がレバレッジファーミング

シミュレーターで見ると、先ほどとはまったく異なるグラフになりました。SOLの価格が上昇するほど、通常よりも大きく損失がでる一方で、SOLの価格が下がっても点線よりも多く利益が残るようになります。

SOLを借りている場合、SOLのドル価値は関係なくSOLの量が同じだけ返せれば問題ありません。そのため、SOLの価格が借金に関係するのはUSDCに換金した$50分だけです。($250分はそのままSOLで流動性提供している)

SOLの価値が下がると、当初$50で換金したSOLよりも多くのSOLが買い戻せるようになります。SOLを返済してもSOLが余り利益がでます。その結果、SOLの価値が下がってもレバレッジなしのときより利益が残るようになっています。賢い!

3. 疑似デルタニュートラル

疑似デルタニュートラルなレバレッジファーミングとは、相場の価格変動に対してできるだけ影響をうけないように設計されたレバレッジの設定です。

先程までのロングとショートを組み合わせて、実質的なポジションをできるだけニュートラルにします。完璧なニュートラルではないので疑似です。もう、意味わからないっすよね。その気持ちわかります。

この方法はレバレッジ比率によって借り入れする通貨の割合が変化します。3倍レバレッジの場合は、

  1. ステーブルコイン25%、もう片方の通貨を75%借り入れ

  2. レバレッジをかけた流動性ペアを作成


SOL-USDCを例に取ると、

$50ずつショートとロングを持っている

元手$100でUSDCを$50、SOLを$150分借りて、それらを組み合わせてSOL$150、USDC$150な状態を作ります。

$50分のロングとショートのポジションを持つことになり、実質的には相場にニュートラルになります。

Advanced ModeをONにして作成してください

シミュレーターで見ると、SOLの価格が+60%〜-40%くらいのレンジでは資金が100%以上になるようになっています。価格変動があってもファーミングによって幾ばくかの利益が入っていきます。強い!

ちなみに、借りるステーブルコインの割合を変化させることで、資金価値が100%近辺にとどまるレンジの位置をコントロールすることができます。

ステーブル割合を10%に減らしてショート気味にしたり
ステーブル割合を35%に増やしてロング気味にしたり

相場が不安定な場合でもコンスタントにファーミング報酬を得ていく手法として疑似デルタニュートラルは優秀です。


Franciumでレバレッジファーミングする場合

テンプレートが神

さきほどまでシミュレーターを使って借り入れる通貨を選んだり割合を設定していましたが、実はFranciumはそんな面倒なことしなくて良いんです。すみません!!

後ほどご説明しますが、預け入れ時にテンプレートからロングやショート、疑似デルタニュートラルが選べちゃいます。クリックすると勝手に設定してくれます。

手数料

さて、気になる手数料です。手数料はレバレッジなしの流動性提供と同じ4%に加えて、借りている通貨に対する利息が発生します。

利息は各通貨によって異なります。例えばSOLとUSDCのペアで疑似デルタニュートラルを組み両方の通貨を借りる場合は、USDCが9.84%、SOLが18.15%利息が発生します。

そしてその利息に対してさらに10%がFranciumに手数料として取られるというようなニュアンスがドキュメントに記載されています。(筆者もここは自信がありません)

https://docs.francium.io/product/protocol-parameters

まとめると、

  • 流動性提供自動化に伴う手数料:預け入れ金額の4%

  • 通貨借り入れの利息:通貨によって異なる

  • 通貨を借り入れに伴う手数料:利息の10%

となります。

かなり複雑ですよね。デポジット画面下部に利息と実質APYも表示されますが、これらには手数料の4%や10%が加味されていません。

手数料込みの実質APYはこれらより更に若干減るということをご認識いただき、検討してみてください。


利用ステップ

1. ウォレットを接続

ウォレットを選択
Franciumに権限の承認

2. 流動性提供する通貨ペアを選択

対象通貨やAPYをもとに好きなものを選んでください

3. レバレッジ比率を設定

最大3x
借りたい通貨を選択
疑似デルタニュートラルを行う場合はテンプレートが楽

4. 資金を預け入れ

トランザクションを承認すれば完了

確認と解除

前回と同じく流動性提供した内容はMy Pageから確認できます。

Debt Valueに借り入れた通貨が表示されます

解除は対象のLPを選んでWithdrawするだけです。このとき通貨のSwapも対応してくれます。(これも前回と一緒)

まとめ

  • レバレッジファーミングはハイリスク・ハイリターンな流動性提供

  • 手数料に加えて借り入れ利息が必要。

  • 相場影響を受けずに流動性提供するなら疑似デルタニュートラルがおすすめ。


次回は、デルタニュートラルについてもう一段深ぼって記事をまとめてみようかなと思います。

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