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【SOL】 Francium(フランシウム)で流動性提供を自動化しよう

本記事は情報提供のみを目的に作成されており、その内容は投資を助言するものではありません。作成時点での筆者の意見を反映したもので、将来の投資成果を保証するようなものでもありません。投資判断前にご自身の状況に合わせて、調査や検討を必ず行ってください。

DYOR & NFA

Francium(フランシウム)とは

概要

Francium(フランシウム)とは、2021年6月にリリースされたSolanaチェーン上で動くYield Aggregatorと呼ばれるサービスです。RaydiumやOrcaといったDEXでの複利投資を自動化してくれます。似たようなプロトコルとしてTulipというものもありますね。

Franciumでは流動性提供の自動化だけでなく、最大3倍までのレバレッジファーミングレンディング、レバレッジを利用した疑似デルタニュートラル戦略などいろいろなことができます。

特にレバレッジファーミングはAPY100%超えは当たり前で1000%超えるようなものも存在します笑

STEPNペアはAPY異常w

今回はFranciumで最もベーシックな「レバレッジなしの複利投資の自動化」について解説します。

独自トークン(執筆時点)

プロトコルを触る上で地味に大事なのが、トークンローンチされているか否かですよね。

Franciumは「ファーミング報酬が独自トークンではないのでトークン価値に左右されない」という堅実さと「今後独自トークンがエアドロップされる可能性を秘めている」というロマンを抱えています。(ちなみに類似プロトコルのTulipはすでに独自トークンがローンチされています)

3月に提案あったようですが、まだローンチはされていません

リンク

公式サイト

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APRとAPYの違い

念の為、APRとAPYの違いについておさらいしておきましょう。これらの違いは簡単に言うと複利計算の有無です。

APRとは

APRとはAnnual Percentage Rateの略です。投資元本に対して毎年どれくらい増えるか?を割合で示した数値です。1日あたりの収益は365で割ることで計算可能です。

例えばAPRが10%の商品に100万円投資した場合の計算式は、

投資収益 = 元本 × ( 1+APR×投資年数 )

であり

1年後:110万円
2年後:120万円
3年後:130万円
・・・
9年後:190万円
10年後:200万円

というように毎年10%ずつ増えていきます。

1日あたりの利回りは10%÷365日で0.027%、1日あたりの収益は10万÷365日で約274円となります。理論上は。

APYとは

APYとはAnnual Percentage Yieldの略です。投資元本に対して一定頻度で得た利益を再投資した場合にどれくらい増えるか?を割合で示した数値です。

例えば先程と同じくAPRが10%の商品を100万円投資して、毎年の収益を再投資して複利運用した場合の計算式は、

投資収益 = 元本 × ( 1+APR) ^ 投資年数

であり

1年後:110万円
2年後:121万円
3年後:133.1万円
・・・
9年後:235.8万円
10年後:259.4万円

というように後半にかけて大きく増えていきます。

1日あたりの利回りは同じく0.027%でも、元となる資金が毎日少しずつ増えていくので、積もり積もって大きな数字になります。長期で積み立てていくと大きな差になるのが複利です。

クリプトの世界では10年も変わらず投資し続けられるなんてことはあり得ないので、実際にはここまでの差を実感することはできませんが、複利を働かせて少しでも稼ぐというのは重要な考え方です。

Franciumの仕組み

自動複利投資の仕組み

例えばDEXのRaydiumに流動性を提供すると大きく3種類の収益が得られます。

  1. 流動性提供した通貨ペアがSwapされたときの取引手数料

  2. 流動性提供したLPトークンをステーキングしたときの報酬

  3. ②で得たRayをステーキングしたときの報酬

Raydiumではもともと①のSwapによって利用者から得られた取引手数料は、自動でLPに再投資される仕組みになっています。

しかし、複利効果を最大化しようとすると、②のLPトークンをステーキングして得られる報酬は、自分でRaydiumサイト上で収穫して、通貨に変換して、LPトークンの量を増やす必要があります(=LPトークンを増やして①での収益原資を増やす)。

Franciumはそのプロセスを自動化してくれます。

自動でやってくれます

必要最低金額は10ドルで、再投資の頻度は15分です。SOLはガス代が安いのでそこまでコスト影響はありませんが、自分でこれだけの高頻度で行おうとするとかなり面倒です。
(ちなみに、毎日96回収穫して再投資するので、ガス代が0.025 円とすると毎日2.4円、年間876円のコストです)

手数料

こういうYield Aggregatorで気になるのが手数料ですよね。

まずはじめに、Franciumは預け入れや引き出しに手数料かかりません(Entrance & Exit fee)。レバレッジなしで流動性提供を自動化するときに必要なのはController fee、Reinvestment bountyの2つです(合計4%)

https://docs.francium.io/product/protocol-parameters

毎回収穫時に得られる報酬のうち4%が手数料として徴収されます。毎日自動で勝手に再投資してくれる恩恵に比べると、4%はそこまで高くない数字かなと思います。ただし、APRが10%程度だと単利と変わらなくらいのAPYになってしまうので注意が必要です。

一応、どれくらいのコストインパクトがあるのか実際に比較してみましょう。

APR10%の投資に対して100万円投資するケースで考えてみると、手数料とガス代がもろもろ加味され、Franciumを使ってもAPYが10.1%(=単利とほぼ変わらない結果)になってしまいます。

ガス代を0.025円、③④でのトランザクション回数は1回と仮定。
Francium手数料4%は再投資のたび(35040回/年)に徴収する計算。

一方で、APR50%の投資に対して100万円投資するケースで考えてみると、APYは61.4%となります。手数料のかからない自分で投資するケースのほうが僅かにAPYは高いですが、充分複利の効果を得られるAPYとなりました。

私自身は毎日忘れずに再投資するなんてことはできないので、結局はFrancium先生にゆだねています。

ちなみに上記と同じ計算でAPRを横軸、実質APYを縦軸に描画したグラフがこちらです。基本的には自動化してしまうほうが楽かなと思わせる結果となりました。

ちなみに青色の線(毎日1回再投資)が全く見えないのは赤色の線(毎日15分おき再投資)とほぼ被っているからです。1日以下となると頻度は実際そこまで大事ではないのかもしれません。それ以上に継続が大事ということですね。

Francium上のAPY表示

Franciumで表示されているAPYはこれまでに説明したガス代や手数料が考慮されていません。さらにデフォルトで3倍レバレッジをかけたときのAPYが表示されているので、読み解くには注意が必要です。

3倍レバレッジのAPYで誘惑してくるFrancium

レバレッジの数字を1にすることで借り入れなしの純粋な複利自動投資のAPYが確認できます。

Raydium側で同じ通貨ペアを確認するとAPRは24.12%と表示されています。執筆時点のFranciumで表示されている21.78%とは若干異なりますね。Franciumの表示がリアルタイムに参照できていなかったり、APRをAPYに計算が補正されていたりするので完全一致するわけではなさそうです。

Raydium上で確認できるAPR(執筆時点)

これらのAPYはそもそも需給に合わせて日々変化します。手数料やガス代も含まれていません。あくまで目安として利用してくださいね。

利用ステップ

それでは、ようやく、使い方を見ていきましょう!!使い方はとても簡単です。

  1. ウォレットを接続

  2. 流動性提供する通貨ペアを選択

  3. 資金を預け入れ

1. ウォレットを接続

ウォレットを選択
Franciumに権限の承認

2. 流動性提供する通貨ペアを選択

対象通貨やAPYをもとに好きなものを選んでください

3. 資金を預け入れ

預け入れる金額を入力
このときレバレッジをかけないので「1.0x」に
元手がどのように交換されてLPペアになるか詳細が記されます
トランザクションを承認すれば完了

確認と解除

流動性提供した内容はMy Pageから確認できます。

最初は表示されていませんが、しばらくすると損益が表示されます

解除は対象のLPを選んでWithdrawするだけです。このとき通貨のSwapも対応してくれます。

まとめ

  • FranciumはSolana上で流動性提供の複利投資を自動化するYield Aggregator。

  • レバなしの手数料は4%、再投資頻度は15分おき。

  • APRが低いときは複利効果が得られないこともあるので注意。


初記事として僕の大好きなFranciumを紹介しました。次回はレバレッジファーミングのやり方を解説しようと思います。

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