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青空選書〜7月のAoyama Book Colors〜

Aoyama Book Colors、それは青山ブックコミュニティーによる色々選書。本屋さんで出会い大切に読んできた本を、毎月メンバーのコメントと共に紹介します。

ぐずついた梅雨はいつの間にか明けていて、気がついたら8月。とはいえ夏は始まったばかりなので、ちょっと遅めの「7月のカラーズ」をお届けします。爽やかな青空選書で、束の間の涼をお楽しみください。

今回はZOOMイベントとして、リアルタイムで選書をしてみました。

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1、藤岡拓太郎『夏がとまらない』(ナナロク社)

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「おばちゃん!ワンちゃんなでてもいいですか?」「もちろん!いいわよ」
「かまない?」「かむ」

表紙のこのやりとりが心地良いと思った方に、オススメの1ページ漫画。まずタイトルがいいですよね。寝る前にサクッと読むと安眠できる気がします。

表題作含め2ページだけカラーになってるところに、こだわりというか執念を感じます。「ドーナス」は輪切りの揚げ浸しにするのがベストだと思うのですが、いい感じのレシピがあったら教えてください。

選書:松下大樹

2、前田将多『カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で』(旅と思索社)

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帯に書いてある言葉「カウボーイって、今でもいるの?」。私もまさに同じ気持ちでした。本を読めばわかりますが、カウボーイは今でもたしかに存在します。

カウボーイの生活は果てなくて広大。誰に指図されるでもなく、今やるべきことを自分で考えて未来の子孫のために淡々と毎日の仕事をこなす、その息遣いが聞こえてくるような一冊です。

装丁:瀧上陽一
選書:浜田綾

3、谷川俊太郎・鴻上尚史『そんなとき隣に詩がいます』(大和書房)

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人生相談でおなじみ鴻上尚史さんが、詩人の谷川俊太郎さんの詩を紹介する一冊…!✨

鴻上さんらしい、やさしい切り口で、心の状況別に詩を取り上げている。詩ってなんのためにあるんですかね。と、考え込んだり、さみしくなったり、しかめっつらになったら、ぜひ手に取ってみてほしい。そんなとき、隣に詩がいます…!

ブックデザイン:鈴木成一デザイン室
選書:鈴木ユースケ

4、くどうれいん『うたうおばけ』(書肆侃侃房)

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きっとどんな年代の人もつい読み進めてしまう、ちょっとドラマチックなエッセイです。

読んでいると喋っている人の声が聞こえてくるような情景描写も魅力的。
たとえば「Sabotage」に出てくる布団の場面は、たった8行ですが、読んでいると作者の小学生当時の様子が目に浮かぶとともに読んでいる自分が小学生だったころの気持ちも引き出されるような…

表題作からはじまる全39編は、どれもやさしく満足感を満たしてくれます。

選書:山田晴香

その他、こんな本も集まりました。

5、長谷川晶一『プロ野球語辞典』(誠文堂新光社)

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プロ野球好きのあの人が言ってるあの言葉。
気になったらこれで調べましょう。
きっとプロ野球が少し面白そうと思えます。
絵のタッチも相まってゆる〜く読んで学べる一冊。
ABCでこれを買って、神宮で読みながら野球観戦も良いですね。

選書:岸本晃輔

6、夏生さえり『今日は自分を甘やかす』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

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なにかとたいへんな毎日が続きますね。そんなときボンヤリ読み返しています。

選書:西園寺俊児

7、アンディ・アンドルーズ『希望をはこぶ人』(ダイヤモンド社)

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青を探していたら本棚の奥にありました。良いことが書いてある本です。

選書:西園寺俊児

8、田丸雅智『たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座』(キノブックス)

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ショートショート作家・田丸雅智さんの「超ショートショートのつくり方」が学べる一冊です。タイトルの「たった40分で誰でも必ず小説が書ける」のは本当でした…!ワークを行うと、不思議な言葉と設定と展開がどんどん出てきます。これを読めば、自分の想像力を超えた驚きの作品が誕生するはず。

印刷製本:シナノ印刷株式会社
選書:須藤妙子

青空は時間や人によって見え方が異なるので、選書も多様で面白かったです。外出もままならない日が続きますが、家の中の「青空」にふっと目を落としてみるのも良い気分転換になります。ぜひ、あなたの #青空選書 をお裾分けしてください。

8月は #赤色選書 でいきたいと思います。

テキスト:松下大樹

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