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脱サラオジサン、ワインエキスパートへ~資格取得までの道のり~19

第18回講義:南アフリカ、チーズその他の論点

気づけば、講義は残り2回というか、最終回は試験なので実質あと1回。本日は、国別の最後、南アフリカ。それにチーズの概論(各論は国別でやった)。ソムリエの職責とサービス、ワインの購入・保管・販売、ペアリングという内容です。

1.南アフリカワイン
あまり日本では馴染みがありません。個人的にはワインよりもアパルトヘイトやFIFA WC、Rugbyとか違う印象ばかり。。。でも、ワイン業界では注目が集まっているようで、試験にも出題は必ず、とのこと。
◆歴史とプロフィール
1655年、Jan Van Riebeeckが最初のブドウを植えた。
1659年、Jan Van Riebeeckが最初のブドウを造った。
1685年、ナントの勅令が廃止。ユグノー派の人々(ロワール出身者が多い)が南アフリカへ。
1692年、ワインの生産を開始。1726年には甘口ワインの輸出開始。
    「Vin de Constance」
1886年、フィロキセラ発生
1925年、Abraham Perold博士がPinotage(PN×Cinsaut)を開発。
1973年に、アメリカ(1978年)よりも早く原産地呼称制度(W.O.)を制定。英国のワイン評論家、Tim Atkinが毎年、生産者の格付けを6段階で実施。
1994年、アパルトヘイトを廃止、ワインの輸出を積極化。
2004年、ケープ植物区が世界自然遺産に。2010年Vintageから、Sustinabilityシールを世界初採用。W.O.ワインの9割以上のワインがこのシールを。
2018年OVP(高樹齢の畑を保護)活動を開始、植樹齢を記したシールを運用を。
◆気候風土
南緯27~34度。地中海性気候。Benguela海流(寒流)の影響大。
Cape Doctor(強い乾燥した風)が南東から吹き、病害を防ぐため防虫剤や防カビ剤の使用量が最小限に。→Sustainable
◆主なブドウ品種
①Chenin Blac②CS
Chenin Blancの栽培面積はロワールの2倍。世界最大。シノニムでSteenとも。中甘口やブランデー用だけでなく、フレッシュ&フルーティーな辛口、フルボディ、スパークリングなど様々なワインが。
赤品種は、Pinotage(PN×Cinsaut)が南ア独自のブドウ。
●ブレンド:Bordeaux Blendが最も多い。Rhone Blend(Syrah+
Mourvedre,Glnache,など)。CBを主体に地中海品種をブレンドも。
Pinotageを主体にしたものは、Cape Blendと呼ばれる。
●Cap Classique:スパークリングワイン=Method Cap Classique
Chardonnay、PN、Munierを使用、最低12か月熟成。
◆ワイン法
W.O.=Wine of Origin、85%ルール。ただし、W.O.の産地を表示する際は、100%使用。州域(G.U.6)→地域(Region5)→小地区(Ward)
生産地の9割が西ケープ州に。最も標高が高く、大陸性気候のサザーランド・カルー地区が注目。
(1)Western Cape
●Stellenbosch:Capetownについで2番目に古い町。17世紀半ばからワイン造りを。Stellenbosch大学は栽培と醸造学の権威。1971年には初のワインルートが設立。最大のブドウ栽培面積、高級品種栽培に適す。8つのWardが。
●Paarl:2番目に古いワインルート。オリーブの栽培も。ベルク川のおかげで灌漑が不要。
●Franschhoek:French Cornerを意味する地名
●Darling:冷涼で高品質なSB。
●Swartland:総面積最大(注!ブドウ栽培面積ではない)。マルメスブリーWardで樹齢30年以上のGoblet仕立て。フルボディ赤、酒精強化、CBや地中海品種の赤・白で有名に。SIPを結成。
●Tulbagh
●Wellington
●Cape Town:Constancia Ward→Vin de Constance
(2)Breed River Valley
●Robertson:石灰質が豊富でChardonnayに定評。
●Worceter
(3)Cape South Coast
●Elgin
●Walker Bay
●Cape Agaras:南ア最南端

2.チーズ
◆世界最大の生産国は米国。
◆分類
●白カビ:ペニシリウム・カンディダム=白カビ菌。チョーク状の固い組織→ソフトな組織に熟成変化。熟成が進むと白カビは茶褐色に。
●ウォッシュ:リネンス菌を混ぜ、表面を塩水またはお酒で洗いながら熟成。オレンジ色のネバネバした表皮。
●シェーブル:南仏&ロワール。イスラム教徒の置き土産。小型チーズが多い。酸味を和らげるためにポプラ木炭の粉をまぶす。カロテンが少なく真っ白い。
●青カビ:ペニシリウム・ロックフォルティ=青かび菌。耐塩性がある菌。脂肪分解酵素でピリッとシャープな風味。
●セミハード(非加熱圧搾):カードをカットし攪拌する際に40度未満で。
●ハード(加熱圧搾):40度以上で攪拌。山岳地帯で多く、長期熟成に。
●パスタフィラータ:お湯をかけて練って引き延ばす。
◆法律
8か国でストレーザ協定を締結。欧州ではP.D.O.(原産呼称保護)を。
◆保存法
●シェーブル:ムレ臭注意。ラップ厳禁。乾燥気味で。
●ソフト(白カビ&ウォッシュ):上下を反対に保管。ウォッシュは乾いてきたら、塩水やお酒で湿り気を。
●青カビ:密閉しない。光に弱いのでアルミホイルで覆う。
●ハード&セミハード:乾燥注意。表面に油が浮いたら軽くふく。

3.ソムリエの職責とサービス
◆温度:温度が与える味わいの違い
温度を下げると、
フレッシュ感が際立つ、第1アロマ、(ワインによっては)第2アロマが際立つ、味わいがドライに、酸味がシャープに、バランスがスマートに、苦み・渋みが強く
温度を上げると、
香りが広がる、熟成感・複雑性が高まる、甘みが強くなる、酸味が和らぐ、ふくよかなバランスに、繊細さが抑えられる、苦み・渋みが快適に
◆ワインの提供温度
●Champagnes:スタンダード=6~8度、プレステージ=8~12度
●Rose Demi-Sec:6~8度
●Bourgogne:16~18度
●Porto(Vintage):18~20度
Frappe:4~6℃(氷水で冷やした)、Froid:6~12℃(冷えた)、
Chambre:16~18℃(室温で)
◆ボトルサイズ
●Champagnes:Jeroboam(3000ml)→Rehoboam(4500ml)→Mathusalem(6000ml)→Salmanazar(9000ml)→Balthazar(12000ml)→Nabuchodonosor(15000ml)
●Bordeaux:Jeroboam(4500ml)→Imperial(6000ml)

4.ワインの購入・保管・熟成・販売
◆プリムール取引
ブドウが収穫された翌年の春、各シャトーはジャーナリストネゴシアンの情報をもとに価格を模索。5~6月にネゴシアン経由でインポーターにプリムール価格が提示。支払は7月から翌年2月に完了。生産者は現金回収が早まり、インポーターは割安にワインを購入。プリムール価格の権利は転売可能。
◆添加物
●亜硫酸塩:酸化防止剤、保存料=0.35g/Kg未満
●ソルビン酸:保存料=0.2g/Kg未満
●二酸化ジメチル:2020年新たに認可
●L-アスコルビン酸(ビタミンC):酸化防止剤=限度量の定めなし
◆貿易条件
●EXW(工場渡し条件):蔵出し
●FOB(本船渡し条件):輸出港で船積みまでの費用を輸出者負担
●CIF(運賃保険料込み条件):輸入港までの運賃と保険料を輸出者負担
◆ワインの保管・熟成
●木箱のまま保管が一般的。年間通して12~15℃。湿度は70~75%。照明は必要時のみ。振動を避ける。異臭のあるものと一緒に保管しない。
●有機酸、ポリフェノール、残存糖分、アルコール度数、エキス分、遊離亜硫酸量、が高いほど長期熟成に向く。そのほか、発酵方法、樽の条件(新旧、容量、スーティラージュ頻度)、輸送方法、貯蔵条件、容器の容量・素材なども影響。甘口と黄色は80年熟成が可能。

5.料理とワインの相性(ペアリング)
◆良いペアリングとは
①料理を引き立てている②料理と楽しむことでワインの可能性が広がる③店の独自性(魅力)になっている
◆パターン
①双方の強弱、風味を合わせる②相反する個性の組み合わせ③郷土料理にその土地のワイン
◆考慮すべき要素
①料理の格②季節感③テクニカル(食材の成分など)④ストーリー
◆料理を解析
①主食材の「大きさ」「脂質」(脂多い=味わいに厚み)「身質」
②加熱法
●蒸す:素直で、繊細なタイプ
●ゆでる:さらりとしたタイプ
●ソテー(フライパンで焼く):よく熟した果実味のなめらかな味わい
●グリル(網焼き):凝縮感があり骨格のしっかりしたもの
●ロースト(オーブン焼):風味が豊かでありながらジューシーな味わい
●ココット(蒸し焼き):ロースト同様だが、より柔らかさのあるもの
●煮る:複雑性があり、味わいはソフトで円熟=熟成感がある伝統的なスタイルのもの
●燻す:スモーキーな風味、木樽を使ったもの
◆スパイス
●スイート・スパイス:PN,Gamay,CFなど果実味が全面にでて、甘味も感じるまろやかな味わい
●パンジェント・スパイス:CS、Syrahなど凝縮感があって、タンニンの豊富なワイン
●ベイキング・スパイス:品種個性+木樽の風味が際立った洗練されたスタイル。CS、SV、Grenache。
●エスニック・スパイス:GT、Gruner Veltliner、Alianicoなど土着品種。
◆ペアリングコースの注意点
●正確な温度、適切なグラス
●プレゼンテーション:なぜそのワインを合わせたか
●料理の前にワインを
●酒量を配慮
●ハイライトになるペアリングから考える:メインディッシュから
●ペアリングチェックをする

実践テスト


オーストラリア、ニュージーランド。前回の反省を踏まえ、余念なく復習。28/30点に復活。いつものペースに。がしかし、ここから先は、これまでの復習のほうが大切。。。先生から、試験に向けて追い打ちをかけるように1問1答クイズも発信され、本格的な受験モードに。
本番は最低でも7割を目指すのですが、そのためには宿題で解いた問題を9割以上に仕上げてください、と。1回100問平均として、全部で18回で約1800問。とにかく、繰り返し&暗記です。一回で終わりにしたい。。

テイスティング


①Rheingau Reisling Kabinett 独2021 Riesling100% 8.5%
②Vouvray Sec 仏2021 Chenin Blanc100% 12.5%
③Western Cape Chenin Blanc "Okha” 南ア2022 Chenin Blan100% 13.5%
④Paarl Pinotage Bush Vine 南ア2021 Pinotage95% 13.5%
⑤Chanti Classico 伊2020 Sangiovese90% 13.5%
⑥Sonoma County Merlot 米2019 Merlot90% 14.5%
⑦Moninari Subnuca Extra 伊・リキュール アニスほかハーブ 40.0%
⑧Fonseca White Port ポルトガル・酒精強化 マルヴァージア 20.0%

①が甘いなと思ったら、ドイツの甘口だった。。。よく知っているはずなのに、思いつかない。。。⑤は、とにかくバランスが良く何だかわからない→こういうときのSnagioveseさま頼み。本番は迷ったらこれか!?⑦はアニス臭である程度絞れるが、最後の選択で間違えそう。。。

まとめ


講義は来週で終了。もう1次試験のことだけに集中していこうと思います。過去問をしっかり復習して、苦手な箇所を克服。穴をつくらず万遍なく。。。
来週は、日本酒&焼酎。そして、過去にやったイタリアを再度、復習講義で終了。最後は、模擬試験を受けてこの講座は終了です。
1次試験の会場を軽く下見に行ってこようかな、と。先生曰く、早めに到着して、お茶でも飲んで、ぐらい余裕をもって受験してください、とのこと。
そして、絶対に1次試験は合格すると信じて(お守りみたいな感覚で)、
2次試験対策を申し込んだオジサンでした。
これで1次試験落ちたら、格好悪いなぁ。。。つづく。。。


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