発売から20年程経っているベスパGT200Lを選んでみて
ciao ciao! いよいよベスパGT200Lとの対面と少しの試乗をしてきました。イタリア車ということで無理して普段使わないイタリア語の挨拶から入りましたが、俗に言う陰キャなオヤジがチャオ!と言いたくなる程に舞い上がっているようです。
ベスパGT200Lについて
2000年頃に販売を開始したベスパGT200Lは、新世代ラージボディに200ccの4ストロークリーダーエンジン搭載のオートマスクーターでした。
当時の成川商会のパンフレットをダウンロード
一般道で交通の流れをリード出来る加速性能を持ち高速道路も流れについて行けます。シフトチェンジが無いことや、パーツの選択の余地とかモノとして維持する感覚が2ストベスパに乗っていた者としてはかなり物足りないものの、最近のGTS250や300はインジェクションの車輌になっているようです。このGT200Lはキャブレター車です。
どちらが偉いというよりも多少個性が違うのでそれで選ぶところ。
あーやっぱりベスパだfantastico!
またも使い慣れないイタリア語で攻めます。
長年P200Eに乗っていたこともありベスパのポジション、高めのシート高と上から押さえつけるような低いハンドル位置、ステップに足を乗せる独特のポジションがベスパに乗っているぞと教えてくれて帰ってきたら感覚を与えてくれました。
インジェクションとの違い
キャブレターの場合、冬場の始動性が悪いことや、アクセルのつきが鈍い、あまり乗らないとメンテナンスも必要になります。
個性を書き出すといいことありませんが、インジェクション車輌で詰まると自分ではメンテナンス出来ない一方で、キャブレター車輌の場合はジェットの洗浄やキャブレター本体の洗浄、ガスケット交換で治ることが多いです。ただし、物理的に擦れるので、ニードルやジェットは交換品だと頭に入れる必要があります。
キャブレター車は調子を崩すことがあるからこそエンジンを大事に扱わないといけない気にさせたり、無意味な加減速をしないでスムーズな運転を心がける車にも人にも優しい運転が出来る理由だと思うようにしています。
ちょっと乗ってみての感想
新品タイヤのブレーキング時の頼りなさがちょっと怖いくらいでした。これも100キロ程走ると印象変わるでしょう。
将来的に短距離コミューターのスクーターは電動車が一般的になってくるのだろうと思えば、今回はガソリンキャブ車のこの車輌で良かったと思います。
中古車だから色は選べませんでした
GTS250だと黒外装にベージュのシートなどカラフルなパターンがあります。
見た目的にはボディからシートから真っ黒なんですが、まぁ人生後半戦に入った自分にはこれくらい地味でも良いのかも。
車輌単体で見ると黒一色のGT200LよりもGTS250のカラフルなカラーリングに惹かれます。
ただ、スクーターは人が乗って完成と見れば、AGVのヘルメットとグローブのグレーが微妙にアクセントカラーになって走っているときに良く見えるのが良いかなと。今日は靴もグレーにしたので自分だけが分かる密かなコーディネートをしています。
追加したもの
リアケースはリフレクターの無い現行型のホワイトをバイク屋さんのサービスで、黒に色変えしてもらいました。これまで長く面倒になっているので多少の融通を聞いてもらえてありがたいショップさんです。
バイク屋さんでETC2.0とUSB端子も付けてもらいました。これで実用上困ることは無いハズ。
バイク屋さんがベスパを得意にしているからだけでなく美意識も高く、ETC2.0をアンテナ含めて車体内に綺麗に見えない収納にしてくださいました。
USB端子は今どきのスクーターなら最初から装備されているのでしょうが、こちらも部品代だけで取り付けてくださりありがたや。
不満点について
トリップメーターがない
GT200Lはオドメーターだけしかついていませんでした。
P200Eもオドメーターだけでした。P200Eはリザーブタンクの切り替えで給油タイミングをはかりました。
GT200Lの場合リザーブタンクは無くてFUELメーターがあるのでそれで測る感じみたいです。
FUELメーターがあるから困ることは実際ないものの、FUELメーターが壊れることもあるはず。まぁ、その時は笑って過ごせるように、久しぶりのイタリア車と向き合う胆力を鍛えなおすことにします。
ショックのヘタり
この車輌の個体の問題ですが、前後とくに後ろのダンパーのショックがヘタってきています。本来は滑るように走り道路の継ぎ目をタン!といなすような乗り味のハズ。
いろんな場所でドシン!バタン!という衝撃を受けるため速やかに前後ショックを交換したいところであるものの、少し調べてからにします。
俗に言う自殺スタンド
メインスタンドの他に左側にサイドスタンドが付いています。このサイドスタンドは通称自殺スタンドというタイプで、足で押さえつけていないとスプリングの力で自動で格納状態に上がってしまいます。
もし、止める時に、少しでも前下りの道にサイドスタンドで止めようものなら、スタンドが上がって倒れてしまいます。しかも、だいたいスタンドを掛けてから数十秒後にそれが起こるため悲しいことになりがちです。
普段は気にしているからやらないのですが、特に長い時間乗って疲れている時、平衡感覚もだいぶ鈍っていて道が前下がりになっていることに気付かないまま、疲れてメインスタンド起こすのが面倒でついサイドスタンドにして、早くトイレに行きたいと車輌から離れた時にそれが起きがちです。経験すれば分かるやつですね。
スプリングのリターン力が弱いものにして、スプリング自体の掛け方をクロスに変えると改善出来ると聞いたことがありますが、一番は使わないことだとも思います。
その他の不具合など
左前のウインカーを留めるネジがサビて周りが茶色くなっていたり、リアパネルに引っ掻いたようなキズがいくつも入っていたり、20年程前の中古車なんだと感じさせるところが散見されます。
新車じゃ無いのだから当たり前で、少しずつ手を入れて綺麗にしていく楽しみがあると思うことにします。
逆にまっさらな新車で始まると劣化や傷との戦いになりますが、傷がたくさんある中古車で始まれば、良くする余地があると前向きに考えます。
今回ベスパGT200Lにした最大の理由はなんだったのだろうか
今一度思いを巡らせてみると、
・GTS250の中古より安かった
・パーツのイタリア生産品率が高い
・私がへそ曲がりでなるべく他の人とカブりたくない
それでも新車やGTS250を購入するよりかは安く手に入れられました。へそ曲がりは苦労する体質なのかもしれませんが、それなりに味わい楽しんでいけたらいいですね。
物足りなさ
分かっていたことですが2ストベスパの左ハンドルでクラッチを握りながら変速するシフトチェンジが出来ないことと、リアブレーキを右足で踏むフットブレーキが無いこと。特にフットブレーキはとても便利でした。ちょっと傾斜のある場所で信号待ちの時にアゴ紐直そうと両手を使いたい時とか、フットブレーキがあれば不安定にならずに止まっていられましたが、フットブレーキが無いGT200Lなどオートマスクーターは両足を踏ん張って車体が動かないように頑張るしかなく、というか結局傾斜がある信号待ちでは手を離せない感じですね。
逆に2ストだと2ストオイルが白煙を吐き出すことから逃れられない。両者を両立するのはLMLの4スト150か200を選ぶ必要が出てきます。
なぜLMLの4スト車を選ばなかったかと言うと、以前試乗したLMLはアクセルの軸がずいぶんと太く、決して小さくはない私の手であっても手に合わなかった記憶がありました。GT200Lのボディに乗って見たかったというのもあります。
それではまた!アリデベルチ!
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