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Stay hungry, stay foolish

故スティーブ・ジョブズを2010年にBBCが特集した番組をAmazonPrimeVideoで見ました。

スティーブ・ジョブズ 自由の精神(字幕版)

ゼロックスのパロアルト研究所でマウスを知り興奮した彼のこと。

禅をたしなみ、日本のソニーの盛田昭夫会長からディスクマンをもらい、ソニーを尊敬していたこと。

販売強化のために招いたジョンスカリーに自分が興したアップル社を追われ、ピクサーとNeXTコンピュータ社を立ち上げ、それが後にアップルへ復帰した際に多大な影響力、iPodであり、iTunesであり、iPhoneでありMacOSへの源流となっていること。

自分自身、少年時代Apple ][に憧れ、学生時代にMacintoshPlusに憧れ、ColorClassicで初めてAppleを手に入れて以来、LC475、PowerBokG4、先祖返りしてPlusやII、SE、512kなどに触れかなりの時間をAppleの世界に傾倒していた自分にとって、不可能を人に期待するやり方はちょっと過ぎるなと思っていました。

しかし、スタンフォード大学の卒業式で自らのガンとの闘病を懐柔したスピーチの最後に若者たちへ送った言葉の最後の一言、「Stay hungry, stay foolish」という言葉にちょっと感動してしまったのでこの言葉について書いてみたいと思いました。

stay hungryのイメージはわかりやすく、貪欲であれでも、捕まり続けろでも、とにかく頑張れ!という意味で、「常に野心を」と訳されているのは上品だと思う。

stay foolishについて、「愚かであれ」の訳に対して当初あまり意識はしていなかったのですが、プロの翻訳家の成田あゆみさんが素晴らしく丁寧に説明してくださっているので、ぜひこちらを読んでみていただきたいです。

ちょうど自分の感覚と等しい説明を遥かに上手にしてくださっていました。

自分なりに言わせてもらうとするならば、foolishとは、無知な状態の自分を認識して何ごとにも興味を持って学ぶことをして欲しいという思いなのだ。と訳してもらえたら、とはいえ、出来るだけ端的に訳者が役者にならず、訳することに徹することは難しいものだと思いました。

まだ、自分が無知である状態でいられることは若いうちにしか許されない特権みたいなものなのだとも思います。

年齢を重ね自分より知っている者が思いあたらなくなったことに気付いた時、人は次の世代に伝えねばならないという気持ちが出てくるのでしょう。

その時は、まだ自分はよく知らないからと逃げることは出来なくなります。

もう若いのでという逃げ口上が使えなくなりそうだと気付いた今、あまりに無知な自分に焦りを禁じ得ないのです。

それでも逃げまくっている先輩たちのことは思わずに、自分の視点からの説明を語れるように頑張りたい。それはある意味で翻訳とよく似た感覚なのだと思えてなりません。

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