ブビンガの響き(Cabasse Skiff)
Cabasseのスピーカーを手に入れました。
1950年にフランスで生まれ映画館の音響システムなどで発展してきた歴史あるメーカーです。
ネットで検索しても殆ど出てこないからか、オークションでもおひとりと競りながらあまり高額にならず手に入れられました。
ブビンガというアフリカ原産の赤い木目の音がお目当てでした。もう一台出品されているブビンガはブックシェルフ型で玉の木目が大変豪華なものでしたが、私とご縁があったのは一見チークと言ってもいいくらいのあまり杢が見えないトールボーイタイプのSKIFFさん。
現在のCabasseはどちらかというとパールシリーズという球形のスピーカーが特徴あったり、有名なユニットを使ったものですが、私の興味は主にボックスに使われているブビンガの鳴り方だったのであとは程度が良いものを選んだ形です。
質量にして約30キロのブビンガ2台合計60キロを10万円にも満たない安価で手に入れて、ブビンガの一枚板のお値段を考えれば、加工賃とスピーカーユニットはどこかへ行ったようなものと変な理由を付けて自分の中の散財に折り合いを付けつつ、昨夜1時に設置をはじめてしまいました。
スピーカーはクルマやバイクと同じで前の方の扱いがすごく重要。もっと言えば家だってなんだって、新品を買えるなら当たり外れに心をくだく必要がなく良いのだと思う今日この頃。されど中古しか目に入らないから散財してしまう悪癖よ。今回はとても大事にかつ頻繁にキレイにされていらした方の個体でした。ありがとうございました。
設置のことを良く考えられて梱包していただいたスピーカー。1台あたり小一時間かけて、夜中の3時にようやく2台を目を設置し終えたところで配線をする力は残っておらず、深夜に音出ししたら集合住宅で大迷惑とこれまた自分を納得させる変な理由を付けて床に着くのでした。
今朝になり、B&W706S2と同時に切り替えて鳴らそうとしていたのですが、もうなんか自分に力が残っていないことに気がつきB&Wは箱につめてブビンガのCabasseだけを配線してお昼を食べてから初の音出しです。
結果、ブビンガは私と私の部屋にとても合っていたようで、音場の広がりが706S2の4倍ぐらいに広がって実に心が解放された気になりました。
前評判ではトールボーイは響きすぎて良くないようでしたが、私の耳の劣化具合が丁度良かったのかもしれません。実に心地よいという言葉がぴったりの印象。
ボーカルや高音域に誇張があまり無く、弦楽器の表現が実にきれいでした。
ある意味よく響くので音量が増したように感じますし、反対に響きすぎて音があいまいにぼかしたようなところが出てきているのかもしれません。
ちょうど、ヴァイオリン工房の方が黒檀、ローズウッド、柘植に加えてブビンガをテールピースにしてみたレポートを書いておられました。
そちらの印象はさすがはプロの方なのだと思いました。ベースの音、パーカッションが前に出てきました。あとは臨場感も増したようで、BGMとしてジャズを流していると、時々良い音に惹かれて音の出ている方を見てしまうことがあるそんな印象です。
トランペットの高音域は若干響きすぎています。カチッとした音やモニタの音が好きなプロの方は嫌われるかもしれません。
例えば、先日のターミナルに出演されたベニーゴルソンのKillerJoeでは、サックスのリードの響きまで見えるようになった反面、YOASOBIのアイドルは刺さりすぎてキツく感じてしまいます。ピアノの倍音の部分がよく見えたり、ドラム、もっと言えば、三味線のバチで叩く音や和太鼓がよく響いて見える感じ。ジャズもやさしいジャズを聴きたくなる聴くジャンルを選ぶ傾向があるスピーカーのようです。
ブビンガはアフリカンローズウッドとも呼ばれていますが、実際にローズウッドのB&W706S2と並べると全然違う。ブビンガは木目もずっと粗いことが見て取れます。B&Wはもうすこし小さいお部屋でタイトに聴くことにします。
またブビンガは30mにもなる巨木で神が宿る木とも言われているそうです。ようこそ神さま!いつまでもうちにいてくださいね。
サランネットは外すのが常でしたが、今回みたいな大型スピーカーになると置き場を確保するより装着した方が手間がないことに気付きました。
そうスピーカーのベースに大理石かな?御影石もいいなとか思うあたり、石とか岩とかに興味を持つようになるのか?と思う今日この頃。やっぱり明るい色味のトラバーチンがステキだとか知ったかぶりはいけませんね。
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