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【読書感想】ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 辻村深月
地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。著者の新たな代表作。2013年おすすめ文庫王国 エンターテインメント部門 第1位。(講談社文庫)
読んでいて、この望月チエミという女の子が「傲慢と善良」の真実と似ているなと感じました。全ての決定権を他人に委ねる。自分で決めることができない、周りを巻き込んで迷惑をかけるところとか。
チエミを助けたい、と思って探し続けるみずほや添田先生が気の毒に感じました。
でも最後まで読んだらスッキリしました。
タイトルのゼロハチゼロナナってそういう意味だったのか。
最後の最後にどんなどんでん返しが来るかと思いきや、
やっぱり母娘ってそういうものなんだなと気付かされました。
母親の愛や、親友の愛、恩師の愛、それぞれの感情が入り乱れる。
女性には共感できる部分もたくさんあると思いました。
そういった意味では傲慢と善良にも似てます。
誰にも分かってもらえなくて一人で逃げ続けていたチエミは本当に孤独だったんだろうなと思います。でも最後の最後に自分に向けられていた愛情に気付いたようで良かった。その先のチエミやみずほが幸せになって欲しいと思いました。
翠ちゃんいい子だったな。大学生であそこまで受け入れてくれる子ってなかなかいない。翠ちゃんも訳ありのようだったけど、それは最後まで深く掘り下げられていなく、今後の翠ちゃんが家族と笑っていて欲しいなと思いました。
自分を本気で心配してくれる人、自分にとって大事な人を大切にしようと思えた本でした。
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