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【読書感想】ぼくのメジャースプーン

『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。(講談社文庫)


タイトルからしてほんわか癒し系なのかなと思ってた。でも予想とは違って陰惨な事件で心を閉ざしてしまった女の子を救う、というお話。

『子どもたちは夜と遊ぶ』に出てきた秋先生が出てきました。秋先生の能力がこの本でよく分かって面白かったです。子どもたちは、の作品で気になっていた秋先生の能力。あの時何を語りかけてどんな風な力を使ったんだろうと思ってました。こちらを先に読んでも面白いだろうなと思いました。

心を閉ざしてしまったふみちゃんの為、と思いながらもそれはきっと自分の為ではないかと秋先生との"声"の特訓を受けます。

"ぼく"には不思議な力がある。"声"の力。
犯人が許せない気持ちになったし、ふみちゃんには少しずつでも心を取り戻して欲しい気持ちになりながら読みました。

犯人に対しての、最後の"ぼく"の選択はやはり私から見ても間違っていると思うけど、それくらいふみちゃんの事を大切に思っていたんだろうな。
最後ふみちゃんが秋先生に、一人で大丈夫ですって言ったのが凄い良かった。
少しずつふみちゃんの中で何かが変わり始めた瞬間だったんだろうな。

また機会があれば読みたい作品です。

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