見出し画像

母親という存在

少し重たい話が出てくるので、気分が悪くなってしまう方は読まずにページを閉じてください。



私の母親はアルコール依存症です。

私の1番古い記憶の母はお酒を飲みすぎて寝ている母の姿です。
私が小学校2年生の時に寛解してますが、10年ほど会っていないので現在母がどうなって居るかはわかりません。

私は子供を産むまで、母という存在は「母」でしかありませんでした。
漠然と、1人の人間、女性、と言う認識はありましたが、それでも「母は母」でしかありませんでした。

認識が変わったのは、自分が子供を産んでから。
10代で妊娠出産。昔から若い母親に憧れが強かったので、自分の中では自然の流れでしたが、想像以上に育児は大変でした。

赤ちゃんは昼夜問わず泣く。妊娠するまでそんな知識も無かったし、「ま、合間に寝れるし大丈夫っしょ」と思っていたけど、甘すぎた…。
睡眠不足でメンタルがやられる。
そして、離乳食。一生懸命作ったのにまあ食べない。特に1番目は食が細い子なのでまあ食べない。何をどう頑張っても食べない。
そして、子供はすぐ熱を出す。そして、子供の体調不良ってなんであんなに辛そうなんだろう。
1回体調を崩すと眠れない日が続きました。
「どうしたらいいの?」「もう、疲れた」という日々の連続でした。

そうやって日々を子どもと過ごすうちに、1つの考えが頭に浮かびました。

「母もそんな日々を過ごしていたのだろうか」

昼夜問わずなく私に疲れた夜があったのだろうか。
何をどう頑張ってもご飯を食べない私に、頭を悩ませた日があったのだろうか。
私が熱を出して、心配で寝れない夜があったのだろうか。

アル中で、男にもお金にもだらしなくて、結局子ども4人を父に押し付けて出ていったけど、母をそんなにしてしまった原因がどこかにあるのではないだろうか。
全てを許せるわけではないけど、母も1人の人間だったと認識した瞬間でした。

親って、子どもにとって「親」「完璧」な存在と勘違いしてしまいがちだけど、親も1人の人間で、完璧なんかじゃなくて、悩んだり苦しんだりしながら子育てをしているんですよね。

途端に、ただ憎んでいた母に対して感謝の気持ちが生まれてきました。
母からされたことで、悲しくなったり苦しくなったりしんどいことも沢山あったけど、それだけじゃなくて、楽しい思い出もあるのもまた事実なんです。
忘れよう忘れようとしていたけど、忘れなくってもよかった。全部、今の私を形成してくれている思い出だから。

きっと、私のような人間は子供を産んでいなかったら、今も母に恨み言を呟いて生きていたんだと思う。
そんなことを気づかせてくれた子供達にも、また感謝が生まれたのでした。

この記事が参加している募集

眠れない夜に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?