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自身の歴史に残る…オペラ伴奏への怒涛の日々
オペラ伴奏の声が掛かるまでの時点で既に悲鳴を上げたくなるレッスンが続いていたが・・・
そんなのは可愛いもので、
ミニコンサートに向けてのレッスンに入ると
先生の指導の熱さは、沸点を優に超え、毎度毎度爆発していた。
譜読みの前に、まずは歌詞を翻訳し、その意味を理解することから始まった。
特にアリアの伴奏指導になると、
こちらが、先生大丈夫??と言いたくなるくらい
先生の感情移入度合が凄かった。
やはりイタリア人だ。
おっと、自分も今はイタリアーナだ。
先生の気迫に圧倒されている場合ではないと、
歌の中の想像アモーレとの妄想の世界に入り込み
『フランチェスコ~!!』(自分で勝手に名付けただけ)
と感情一杯に叫ぶような想いで、魂を込めて演奏した。
ピアノの椅子も汗でびっしょりになる程の熱い暑いレッスンを終えると、
その後は自主練習の時間。
本番まで1か月を切っているというハードスケジュールを見兼ねた校長先生が
私だけの練習室を特別に用意してくれるという手厚い待遇。
いや、未経験の私がオペラ伴奏をすることが
どれだけ大変なことかを…校長先生も心配に感じていたに違いない。
来る日も来る日も、午後からは練習室に6時間籠って練習に明け暮れる日々。
あれ?
フィレンツェに来る前に想像していた留学ライフと…何だか違うような…??
語学授業が終わり、午後のピアノレッスンをサクッと済ませ、
その後は美術館へ行きバールでお茶を楽み
おしゃれなショップ巡りに、アペリティーボで現地の方と仲良くなって~…
と、想像していたが・・・
全く違う現実。
いや、いいんです。
学校が終わってからフィレンツェの街に野放しにされていたら、
それこそワインに溺れ隊
どころではなく、
ワインに飲まれ隊になってどうなっていたかと…
当時を振り返り想像してみるだけで…恐ろしい。
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得意になりました
どれだけ伴奏練習をしても、毎回思い通りに弾けないだけでなく、
初めてのことに正解が分からないという恐怖から、
ただただ不安に襲われる毎日だった。
しかし、本当に有意義な毎日を過ごさせてもらっていたのは事実だ。
そんな追い詰められていた毎日でも、気持ちがワクワクする楽しみがあった。
練習を終え学校を出るといつも日が暮れており、
練習でかいた汗がひんやりと冷たく感じられていた。
そんな汗の冷たさも、練習の疲れも癒してくれたのが
家までの帰り道だった。
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コルソ〜ボルゴ・デッリ・アルビツィ通り
ここの通りは特別好きな通りだったが、
温かみのある街灯に照らされたフィレンツェの街はどこを見ても幻想的で、
この通りには何があるのか?
通りの先には何が待っているのか…?
毎日通る道でも、その度にワクワクさせられた。
通りを歩けば心惹かれる出会いがあり、
ショップの前で釘付けになって
なかなか家に辿り着かない。
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絵画店
![](https://assets.st-note.com/img/1699447518594-Hc5IHw009m.jpg?width=1200)
ワクワクする絵画店
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食器店
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“IL PAPIRO”
フィレンツェでお気に入りの、夜にしか開かない靴屋さんも
そうそうディスプレイや商品は変わらないと分かっていても…
何故か毎日チェックしてしまう。
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楽しみになりそうな靴たち
見ているだけで楽しい気持ちになるパスティッチェリア。
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Pasticceria
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週末飲むワインを物色したくなる素敵なエノテカ。
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と、大人買いできることならしたい
Enoteca
週末だけしか飲んでないわけではないのだが…
というより、毎日飲んでいたが…。
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Latteria
そして例の噂の『ACQUA DELL' ELBA』も
毎回引き寄せられるかのようにショップの前へ行き
今日も健在!と、謎のチェックを済ませるのが習慣だった。
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「Acqua dell'Elba 」
なんだかおとぎ話の中にスーっと吸い込まれていくような
不思議な感覚になるフィレンツェの夜の街。
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学校から家までのこのワクワクドキドキする時間が
癒しと英気を養ってくれるひと時だった。
実際に住んでみないと経験できない胸が高鳴る貴重な出会いたち。
やはり私の前世は、メディチ家の家政婦だ
ったに違いない。
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