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【2021年3月16日のこと】小野和子さん、藤井光さん、大友良英さん、民話、現代美術など


1. 眠りが浅くていつも明け方に目が覚めてしまうんだよね、と言ったら母からグリナをもらった。味の素から出ている眠りを深くするというアミノ酸のサプリメント。高いから心して飲んでョ、と渡された。


2. 効くの?とわたし。わからない、わたしはすっぱい味がダメで飲めなかったんだ。勿体無いから飲んでみて、と母。グレープフルーツは入ってないけどグレープフルーツ味で、駄菓子屋の粉ジュースの素みたいで、そんなに酸っぱくはなく、飲みにくさもなかった。


3. 暗示効果もあるのか、飲んでしばらくすると眠い気がしてきたけど、頭の整理整頓をしたくて、布団にもぐりながらiPhoneでメモってみる。


4. はい、はい、知ってますよ、知ってますとも、寝る前に布団の中でiPhoneのブルーライトを見るのはいけないってことは。不眠のタブーですよね。でも、やってしまうんですよ、、、今日は、それくらいな1日だったから、、、


5. 今日は午前中、ベランダにポップアップテントを出して、中に無印良品の体にフィットするソファを入れて座り、あたたかなルイボスティーをすすりながら、日向ぼっこ読書を楽しんだ。


6. 小野和子著「あいたくてききたくて旅に出る」をついに読了。思えば、この数週間は、豊かな活字トラベルだった。


7. わたしは、小野さんにあいたくてききたくて数年前に仙台へ旅に出て、メディアテークの「民話ゆうわ座」に参加した。そのとき、小野さんは脊髄の圧迫骨折をしていたことを今更ながらに本の中の濱口竜介監督の寄稿を読んで知り、ビックリした。


8. そんなことを気づかせないくらいにたおやかで、でも強い芯のある話され方をしていて、思わず前のめりで拝聴していたのに!


9. 濱口竜介さんは寄稿の中で小野さんの声の魅力を語っていた。わたしも小野さんの声に惹きつけられているひとり。今回、小野さんの著書を読むとき、活字が小野さんの声として脳内で変換される共感覚を体験した。


10. ねずみがいる!最近、家の屋根裏をねずみが走っている。ヤダよ、困ったよ。「トムとジェリー」が実写映画化されたらしいけど、民話のねず公や千葉のスターねずみと違いリアルねずみはガチ、ビビる。気になって眠れない。猫の鳴き声をしてみようか。ニャ〜


11. 午後は水戸芸術館で「3.11とアーティスト:10年目の想像」展を観てきた。東京に住んでいたときと違い、田舎生活になってからは、街中の本屋に行くのすらハレの日で、アートに触れるのも物見遊山以上の貴重な日となる。


12. 藤井光さんの映像作品にいちばん衝撃を受けた。藤井さんは、震災の禍根をいかに表現し語り継ぐかを探求する過程で、いじめや差別など、福島の人々の「心の問題」に直面したという。それに、今のコロナ渦やブラック・ライブズ・マター運動を重ね合わせ作品を制作。キング牧師の暗殺を受けて白人の差別意識を嘆いたあるアメリカ人教師が行った1960年代の伝説の授業を、3.11後版として書き換え、日本の小学生とともに映像にした作品だった。


13. 何もかもが入子式で、裏の裏まで観せていく。枠にはめること、演じること、本音、建前、そして差別や恐怖。思春期に戻ったようにナイーブな感覚になりショックを受けた。ぐっときて泣いてしまう場面もあった。ガツンとハンマーで殴られたみたいで、あらゆる問いが胸に突き刺さった。


14. オマージュとなった元の映像も見つけたから、明日にでも比較して観てみよう。https://www.google.co.jp/amp/s/m.huffingtonpost.jp/amp/entry/news_jp_5ee2b60bc5b6329484df5406/

15. 今回の参加作家は、全体を通し、非当時者があの東日本大震災について、身体を使って(通して)当事者から受け取り得たものを「語り部」となって、演じたり、描いたりな表現をしている作品が多かった。アートはメディア=媒介だと感じた。民話の形成プロセスにも似ていると思った。


16. 佐竹真紀子さんの作品を初めて観たけれど、これまた素晴らしかった。板の絵の具の層をところどころ削ってあり、一枚の絵の中に複数の時代の場面が描かれている。時間にも共時感覚的に色があるかも知れない。好きな作品だな〜


17. 明日の予定を手帳でチェックした。明日は、立命館大学のzoomイベントがあり、大友良英さんがプロジェクトFUKUSHIMAについてトークするので申し込んでいた。


18. その、大友さんの対談相手を確認しなおしていてギャッとなった。なんと、その方は、藤井光さんなのだった。あのプロジェクトFUKUSHIMAのドキュメンタリー映画を撮っていたのは、水戸芸で展示している藤井光さんと同一人物だったんだ!認識しておらず、知らなかった。なんというシンクロよ!


19. コーフンしまくりテンションは上がる。目は冴えたまま、夜は更けていく、、、でも、寝なければ!


20. 《長き夜の 遠の睡ねむりの 皆目ざめ波乗り船の 音の良きかな》。回文歌。おまじない。ムリムリ、頭を使い、目が冴えてしまった。このままネズミ浄土に誘われたし。

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