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【2020年10月31日のこと】ベルク、満月、ハロウィンな夜に


1. 月がきれいですよ、文学。
2. 最寄り駅のベンチで新宿ベルクで買った桜あんぱんを齧る。満月みたいにまるいパン。

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3. リクオさんの音楽を聴きながら、家に帰りたくない気分で、風に吹かれ見上げているお月さま。ほんとうにきれい。


4.【お月さま・プレイリスト】        リクオ「同じ月をみている」          坂本龍一「full moon」            ソウルフラワーユニオン「満月の夕」     ブラフマン「満月の夕」                                             アンサリー「満月の夕」

月光浴しながら5曲連続して聴く。しんみりと、おだやかに、iPhoneで。


5. 今日は、仕事帰りに遠回りして、コロナ渦以来初めて、新宿ベルクに寄り道してきた。やっと行けた!
6. わたしが、東京の好きなとこは、冬に富士山が見られるところ、ペンキ画のある銭湯があること、そして、新宿ベルクがあることだ。

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7. 力が湧いてくる食べものというものがある。舌の上の滋味掬 (きく) すべき作品。皿に盛られた食べものの物語が味になって語りかけてくる感じ。ベルクにはその魅力が内蔵されている。
8. 今日は、コーヒーとジャーマンセットを頼んだ。セットの内容は、パンとレバーペーストとポークアスピックとハム、ベーコン、ザワークラウト。わたしは、ポークアスピックが大好物で、食べるといつも救われた気持ちになる。精神的鎮痛剤みたいな感じと言おうか。噛めば噛むだけ味が濃くなるパンにのせて食べたら、たましいが、ぽわんと出てしまいそうになった。

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9. ザワークラウトもかなり美味しくて、いつもボールいっぱい食べたい衝動に駆られる。どうしたらこの味が出せるんだろう。なぜ今日もベルクは旨いんだろう。
10. 10月はいろんなことがあったから、最後の日はどうしてもベルクに行って自分自身を慰めたかった。
11. そういえば、今日、同僚が来月いっぱいで退職することを聞いて、少なからず動揺もしていた。母親の体調が悪く、九州の田舎へ帰るそうだ。
12. 開いていた傘を閉じるような感じだな、と思った。今までずっと開いていた傘をきっぱりと閉じて立ち去る。なんかさみしい。きっと疎遠になってしまうだろう。二度と会えなくなるかも知れない。けれど、わたしもいつかは、東京という傘を閉じて、また別の場所で傘を広げる日が来るかも知れない。
13. ハロウィンだけど、街は静かだった。うちの町内会の掲示板には、ハロウィンパレード中止のお知らせが貼られていた。新宿でも4人のドラキュラと1人の魔女を見ただけだった。
14. 例年なら東京の山手線内はコスプレしているひとが何人か乗っているけれど、やはり今年はコロナ渦なんだね、山手線はいつも通りでハロウィンって気がしない。
15. 昼間、ピンクの着物を着た子が歩いていたのを見て、おっ、禰豆子のコスプレなのか!と思ったらガチな七五三の衣装で笑ってしまった。ま、七五三もコスプレのひとつと言えるけれど。
16. ムムム。
17. むかし「1万円の仕事に10万円をかけろ。そうしたら倍になって返ってくるから」と助言されたことがあった。素直なわたしは信じきって、ずっとその意気込みで何事もやってきたけど、結局、いつも赤字なままで、いまだ、リターンしてない。ダメじゃん。バカじゃん。
18. やりがい搾取=徳を積む、と達観して考えるようになっているけど、なんか報われず、損ばかりで、仕事に限らず、わたしの行動や気持ちはいつも独りよがりで無意味なんじゃないかと傷ついた気分になることもある。
19. 見返りを求めるためにやるのではなくて、自分がやりたいからやるのだし、損得で動いているわけではないのだけど、時々思い出したようにどどーっと凹む。満月の夜なのに、思考が暗い。
20. あと何回、満月を見られるのだろうか、と思いながら月を観て、そういえば好きだったあの人は、いつもわたしのことを肯定してくれていて、だからとても大好きで大切で特別だったんだよな、と思い出した。

このきれいな月を、同じ月をどこかで元気に観ていたら、嬉しいな、なんて。会いたいな、なんて。とっぴんぱらりのぷぅ。

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