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カナダ留学日記34 ミュージカルにドハマリ!!

さて今回は7月中、私がミュージカルに狂っていた話をしようと思う。
確かこれは火曜日の出来事だったと思う。元クラスメイトの子が「今日ミュージカルを観に行かない?」と誘ってくれたのだ。その子は担任の先生からそのミュージカルを薦められていたらしく、ぜひ一度見に行ってみたいとのことだった。

※私たちが使った劇場には「ラッシュチケット」という制度があって、当日限定でキャンセルが出たり埋まらなかったりした席を安く取ることができるのだ。もちろんラッシュチケットが出ない日もあるので、毎日こまめにチェックしておくことが大切だ。

&Juliet
そのミュージカルの題名は「&Juliet」
実は私はタイトルがなんなのか、どんな話なのかさえ知らないまま行った。入場時にパンフレットを見て初めてタイトルを知った。
当時、ミュージカルにあまり興味がなかったのである。ただ、一度くらいトロントのミュージカル見てみたい〜くらいのミーハー思考で友達について行ったのであった・・・第一、セリフも歌も全部英語だし話もわからないだろう…ダンスが見れればいいや〜くらいの気持ちだ。私たちの席はバルコニーで、一番舞台から遠い。

ミュージカルが始まって、私は驚いた。なんと舞台に「シェイクスピア」が登場したのである!!!「&ジュリエットってそういうことかぁ!??」「ロミオとジュリエットのあれか!!!!」とこの時点でやっと気づいた。(遅い)
私はシェイクスピアが好きなので、一気に前のめりになった。

ストーリーは?
このミュージカルはコメディで、ストーリーはシェイクスピアが華の有名な戯曲「ロミオとジュリエット」のクライマックスを書き上げたところから始まる。シェイクスピアの奥さん(アン)と友達は、早速読んでみるが、最終的にジュリエットが死んでしまうことに対して「かわいそう」と感じる。アンはジュリエットは自殺するのを思いとどまって、新しい人生を生きるストーリーにしようよ!と提案する。シェイクスピアはもちろん拒否するが、半ば強引にストーリーを書き換えられてしまう。
「ロミオを失って絶望するジュリエットだったが、ロミオには自分以外にもたくさんの恋人がいたことを知って自殺を思いとどまる!(?)14歳にして寡婦になることを強要する両親から逃れるためにジュリエットはパリに向かう・・・」とこの時点でだいぶギャグ展開なのだが、ジュリエットの友達として魅力的なキャラクターたちも旅に加わることで、舞台は彩りを増していく。
最初の30分間だけでもギャグシーンがたくさんあり、会場は常に笑いに包まれていた。
ジュリエットを応援するアンと、なんとかストーリーを元の悲劇に戻そうとするシェイクスピアが介入しまくり、物語は予想もできない展開に・・・
といった感じだ。私の一番好きなシーンは前半のクライマックス、「ロミオ」の再登場シーンだ。曲や演出が豪華で華やかで、まさに主役級のキャラクター!!!といった持ち上げられ方が最高である。

英語初心者の私でも、初見でストーリーが結構わかったので、セリフ回しや展開はかなりわかりやすく作られているのだと思う。ただ、コメディなので各所に笑える展開やセリフがあるのだが、そういうのはなかなか一度では理解することができなかった。特にキャラクターが早口で捲し立てているセリフはほぼ聞き取れなく、爆笑する観客に取り残された感はあった。

それでも!!!このミュージカルは最高であった。とにかくストーリーが良い。私は「創作者」と「創作物」としてのキャラクターが、クロスオーバーする展開が大好きである。「創作物」って誰のもの?というテーマも感じられた。もちろん作者に全ての権利があるのはわかっているのだが、「物語」(テクスト)は、読み手がそれを読んで、初めて脳内に展開されるものである。創作物と読者の間を行き来して、そこに織り成されていくものこそが「物語」なのだと私は思う。(テクスト論)
最終的に「ロミオとジュリエット」の二次創作?といった感じに落ち着くのだが、そういう話があったって面白いじゃないか!と思う。


音楽は?
もう、これがもう、最高である。ミュージカルの命とも言える歌とダンスが最高である。「&Juliet」では、オリジナルの書き下ろしの歌があるわけではなく、有名な洋楽が編曲して組み込まれている。特にバックストリートボーイズの曲が多かった。恐らく一番のテーマは「I want it that way」に集約されていて、これがオープニング直後と最後のリプライズで使われていた。
直訳すると「私はこっちがいいの!」という意味で、シェイクスピアとアンが「こっちの終わり方の方がいいよ!!!」と言い合いをするシーンの曲として使われているのだが、これがもう本当にストーリーにマッチしているのである。クライマックスにはどんなふうに使われるのか、是非興味がある人は見に行ってほしい!!!遠いけど、ブロードウェイに!!!!
(2022年8月14日でトロントでの公演は終了。以後はブロードウェイで開演される)

他にもBon Joviの「It’s my life」やAriana Grandeの「Break Free」などの超有名曲が使われているので、それを聞いているだけでも楽しめるはずだ。アップテンポの激しいダンスや花火、スモーク、紙吹雪などの演出も素晴らしく、拍手と歓声が止まらないこと間違いなしだ。

そしてドハマり
私はバルコニーから見たこの一回で、すっかりこの作品のファンになってしまった。魅力的なキャラクターたちを、もっともっと近くで見たい!!!という気持ちがおさまらず、帰宅してから別日のチケットをすぐに予約した。そしてなんと1階の一番前の席を取った。もちろんお金もかかった。「やりすぎだろ!」と思わないでもなかったが、1ヶ月後にはトロントで見られなくなってしまうのだ。どうしてももう一回観るぞ!しかもいい席で!!!という気持ちが勝った。留学に来てから一番の贅沢であった。

1週間後、私は同じ会場に足を運び、最前列で舞台を楽しんだ。もう、本当に最高であった。オープニング曲が始まるまでの間、舞台の端に座っていた役者さんの1人が話しかけてくれた(そういう役割)。驚いた。名前を聞いてくれて、覚えてくれた。なんかギャグも2〜3個言ってくれた。最前列って・・・・・すごいなあ・・・・・・と思った。

ミュージカルが始まると、役者さんとの距離の近さに驚いた。こんな・・・推しが近くに・・・・・こんなことが・・・・・・
まさに「手を伸ばせば触れる距離」である(もちろんそんなことは誰もしないが)
これ以上書くとオタクが爆発してしまうので自重するが、本当に、よかった・・・・・

帰りにグッズも買った

ネックレスは毎日つけている

記憶があるうちに衣装メモとかファンアートも描いた。

曖昧である・・・・資料集ほしい・・・
女子は衣装チェンジが何回もあるので、描ききれなかった・・・


実はなぜかボーイズバンドのシーンもある(ここが大好き)



ロミオの服は比較的覚えやすかった
ロミオ大好きだ・・・


そして3回目・・・
2回目を見た10日後。私はまた同じ会場にいた。
そう、3回目である。1ヶ月に満たない期間で、同じミュージカルを3回観るというのは、異常なのか、それともミュージカルファンなら当たり前なのか、よくわからないが、とにかく私は3回目を決意した。今度は最前列が取れなかったので、1階の前から6列目である。ちなみに、席の値段は最高額である。一番見やすい席ということなのだろう。本当に自分の趣味に関して節約できない性分である。どうしようもない。でも、本当に本当に良かった・・・・最高のミュージカルである・・・

本当に・・・・・ありがとうございました・・・・・・・・
またいつか・・・・・・・ブロードウェイに行きます・・・・・・

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