壊死ちゃんとの出会い。糖尿病について知る①
私は糖尿病で義父を亡くしている。
そして母も糖尿病だ。
身近な人がどんどん糖尿病になるのはなぜだろう。
今日は男性の5人に1人、女性の10人に1人がなる病について書こうとおもう。
大抵は生活習慣が発症原因だから、"今は"元気な人も、いずれなると思った方がいい。
確率はかなり高いんだよ。
壊死ちゃん
突然糖尿病になった彼のお見舞いに行ったんだ。
糖尿病の人が入院している棟に行くと、知らない女性が気さくに声をかけてきた。
その両手は白い包帯がぐるぐる巻きにされていて、浮腫んだ身体に青いパジャマを着ていたからドラえもんみたいだなぁって思ったんだ。
「おてて、どうしたの?」と訊ねたら
「壊死した!」と明るく答えてくれた彼女はまだ40代だった。
奇妙なほど何事もないように、サラッと自身に起きた現実を伝えてくれた。
壊疽は、糖による毛細血管への血行不良発症する。
足壊疽や合併症で年間一万人が四肢を切断しているんだ。
もしも足を切断してしまったら、寝たきりになる。
壊死ちゃんは手だったから、病院内をぐるぐる移動できて、たまたま出会った私に自ら声をかけてくれたんだ。
なぜ、私に声をかけてくれたのだろうか。
1年生存率は透析患者で52%
5年になると約80%以上が死亡する。
透析を受けていない人でも、5年で約6割が死亡する。
この病気の事実を、闘病者はきっとたくさん調べ尽くしているはずだ。
明るい彼女から、死のにおいがする。
壊死ちゃんの浮腫んでいて少し黒ずんでカサついた肌は、高血糖による脱水症状からくるんだ。
身体が血液中の糖を尿として排出しようと頑張るために、一緒に必要な水分も出てしまう。
さらに自律神経も乱れて汗が出にくくなる。
皮膚の水分が失われるから、乾燥や痒み、痛みを伴って辛いだろうな。
「お姉さんの洋服、超かわいいよ!」
と褒めてくれたから、私も
「青のお花のパジャマかわいい!」
と伝えた。
彼女は、"あつまれどうぶつの森"に出てきそうなポーズをして、それから看護士さんに呼ばれて自室に帰って行った。
指がないのにどうやってパジャマのボタン止めたんだろう。
糖尿病と義父
糖尿病とは、エネルギーとして使われなかったブドウ糖が血液中にあふれる状態のことだ。
気づかず放置すると手や足が壊死する。
私は実際に糖尿病で手足を失った人を初めて見たんだ。
義父は毎日手の指に針を刺して血糖値を測定してから、お腹にインスリン注射を自分で打っていた。
小学生の私には家中に仕込まれている氷砂糖や乾パンをおやつ代わりにつまめるのがなかなか良かったが、毎日マッサージを要求された事は地味に辛かった。
血流を良くすることはかなり重要だからだろう。
それなりに太っていて常にダルそうだったから、一戸建ての2階にはいつのまにか全く上がってくる事はなくなったんだ。
小学校の頃は義父の上がって来なくなった2階で私は楽しく過ごしていたんだけど、中学生の頃に突然、昨日まで元気だったはずの義父が亡くなった。
糖尿病で弱った身体に風邪をひいて、さらに勝手な判断で飲んだ薬の飲み合わせが悪かったらしい。
糖尿病は感染症にかかりやすくなるんだ。
高血糖は免疫機能を低下させるから、かぜやインフルエンザ、肺炎、膀胱炎、水虫など、健康な人なら自然に治るようなものが命取りになったりする。
彼は加齢とともに、色々な薬を飲んでいた。
そういえば目の手術もしていた。
糖尿病だと、失明もするらしい。
好きなものとストレス
私がお見舞いに行った彼は、もともとコーラが好きと言っていた。
チャーハンと豚カツとラーメン、パスタ、時々カップ麺を好んで食べてたけれど、別段太ってはなかったんだ。
食事内容から、少し栄養が偏ってそうだなぁとは思ったけど、彼は意識が高くて体重管理をきちんとしつつサプリを飲んでたし、
ジムやテニスに通って
たくさん歩いて
プロテインも飲んでいた。
活動的で積極的に外に出ている印象が強かったから、まさか糖尿病になると思わなかったんだ。
だって、どんどん痩せていってた。
太ってる人がなるんだと勝手に思ってたから、それが糖尿病のサインだって全く気づかなかったんだ。
また彼は夜眠れないのか、明らかに睡眠不足だった。
糖尿病を招く要因の一つに睡眠不足が挙げられる。
睡眠不足は血糖値を調整するインスリンの効きが悪くなってしまうんだ。
彼は仕事面で極度にストレスが高まった時期に糖尿病を発症したんだ。
糖尿病は発症成因から大きく「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に分けられる。
1型は生まれ持った体質で、日本人の糖尿病の約95%を占める2型糖尿病の発症要因は、肥満、運動不足、食生活に加えて、ストレスが挙げられる。
ドイツのミュンヘン ヘルムホルツセンターの調査では、強いストレスを感じている人は発症確率が45%高くなるとされた。
色々がんばったね
健康調査
国民健康・栄養調査を覗いてみよう。
「20歳以上で糖尿病が強く疑われる人」の割合は男性19.7%、つまり男性の5人に1人が糖尿病なんだ。
そして女性は10.8%、10人に1人
年齢が上がるともちろん増えて、60代男性だと4人に1人になる。
だからあなたも例外なく糖尿病になる可能性が高い。
身近な病気だからこそ、最悪足や手を切断することにもなる糖尿病の知識を深めていくことで、生きていく上での運が上がるはずだ。
今回はここまで。
次回予告
痩せてる患者への糖質制限は勧められないと記載されているものが目に入った。
糖質制限で血糖値を下げるという目的は達成できても、体重がさらに落ちると免疫力や骨密度などの失うものが大きいからと書いてある。
本当にそうだろうか?
糖質制限と同時に、肉や卵、魚などをしっかり食べることでカバーできるのではないか?
というよりも日本人は白米食べすぎなのではないか?
どんなものを食べたら血糖値が下がるのか?
そんなことを書こうと思う。
参考
糖尿病 高血糖・ヘモグロビンA1c・合併症 糖尿病治療の名医が教える最高の治し方大全 聞きたくても聞けなかった142問に専門医が本音で回答! (健康実用)
糖尿病が怖いので、最新情報を取材してみた (祥伝社新書)
トロント最高の医師が教える世界最有効の糖尿病対策
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