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別居婚か退職か。②


東北に戻ってすぐに、両親へプロポーズされたことを報告したときも、頭の半分は別居婚で教師を続けるか、退職して一緒に暮らすか、この2択のメリットデメリットの書き出し作業に追われていたわけ。


数日間、悩みに悩んだ。
感情的になれば、ただ彼の元へ走っていきたい!という退職案が優勢。でも、両親(実はふたりとも教師)の顔や生徒たちの顔を見るたび、すごい勢いで別居婚案が攻めてきた。


悩みすぎて、脳がそればかりにパワーを持っていかれたのか、表情筋を動かすことを忘れていたみたい。無表情すぎる私に、父が夕食後に話しかけてきた。
(ちなみにこの1年間、私は実家暮らし。)


悩んでいることを伝えた私に、あっけらかんと父は答えたの。そして、その一言が私の悩みを一瞬で吹き飛ばした。ほんと一瞬。


「一番身近な家族を大事にできずに、他人の家族(生徒たち)を大事にできるわけがない。何を悩むことがあるのか。」


グサッと、ズシッときたよね。
いやそうだよね、自分の家族を大事にしていないやつに担任してほしくないよね、生徒も保護者も。

家族になる人が今しんどいって分かっているんだもん、腹くくって近くで支えてあげられなきゃ、だめじゃん。

そう決意したら早い。
私は教師を辞めることにした。



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