灰色の街東京
東京を歩いていると、その華やかさに圧倒される。そびえ立つ高層ビルやお洒落なカフェ、煌びやかなネオンに意識高そうな人たち。ここにしか存在しない人やモノとすれ違いながら、街の活気に飲み込まれそうになる。
しかし、これだけたくさんの人がいるにも関わらず、この場所は"空っぽ"に見える。街は灰色で、四角いビルが立ち並び、色彩があるとしたら繁華街のどぎついネオンのみ。
このキラキラした世界は、どこか悲しくて儚くもあり、虚栄心と隠しきれない孤独が無機質で冷たい都市の空気とともに染み出してくる。
大都市で生きるということは幸せなのだろうか?
狩猟採集時代の人類は、100人くらいの部族で暮らしていたという。そこにいるのは、よく知っている人たちのみで、コミュニケーションも活発に行われ、私たちはこのような環境に適応するように進化してきた。ということは、見たことない顔は異なる部族、つまり敵かもしれないので警戒するシステムが脳に備わった。知らない人に緊張感を抱くのはそういう理由だ。
大都市とは、そのような狩猟採集時代の環境とは180度異なる。すれ違う人は知らない人しかいないし、マンションの隣の部屋に住んでいる人のことも知らないし、知らない人と満員電車の中で密着したりする。こういった大都市特有の日常は、人間にとって無意識にストレスだと知覚される。
私が感じた東京の空虚さとは、そんな人々の無関心だったのかもしれない。そう考えた時に、この言葉にならない無常観を音楽で表現してみようと思いました。
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