もう高いPC買わなくっていいってよ
仮想デスクトップ
MicrosoftのWindows365 Cloud PCが話題になっています。
これは、Windows10が動く仮想デスクトップを使えるサブスクリプションサービスです。簡単に言うと、Webブラウザからクラウド上のWindows10を使えます。もっと詳しく知りたい方は以下のリンクから。
Web上で動かせるということは、Windows PCのみならず、Macはもちろん、iPadやAndroidタブレット、Choromebookでも使えるということになります。手元にあるデバイスはなんでもいいってことですね。
また、Googleはクラウドのゲーム開発環境を提供しています。
ちなみにですが、GoogleのクラウドサービスにはTeradiciのPCoIPという技術が使われています。PCoIPとは、クラウド側のパソコンの画面情報を圧縮してユーザーのPCに転送する技術です。これによりデータを素早く安定して伝達できます。
似たような動きはUnityにもあります。Unityはリモートデスクトップのサービスを提供するParsecを買収しました。Parsecの詳細に興味ある方を以下から。
メリットは?
ここでは3つの例を上げるにとどめましたが、似たような動きをしている会社は他にもあるでしょう。ですが、ここまで頑張って推し進める理由はなんでしょうか?
メリットは2つあって、まず一つは高価な開発マシンを買う必要がないことです。仮想デスクトップというのはクラウド側のPCを、手元のPCで遠隔操作するみたいなことです。ということはクラウド側がハイスペックならば手元はなんでもOKってことになります。下の動画では、先程のParsecを使って、低スペックPCでも動画編集やゲームができるぜ的なことを言ってます。
2つ目は1つ目の理由とも関連しますが、リモートワークがしやすくなることです。ゲームの開発や大規模なCGの制作などはハイスペックなマシンを要します。そのために高いお金を払って、高性能な機械を会社に置いておくわけです。それで減価償却したら買い換えると。
しかし、クラウド上のマシンを使うということはリモートでアクセスできるということになります。ということは、自宅でも生産性の高い開発環境を提供できますし、リモートワークもしやすいですね。
世界中の才能が集まる
もし上述したようなバーチャルスタジオが普及したら、私たちの働く環境はどのように変わると思いますか?私は世界中から才能を集める時代になると思います。
このようなバーチャルスタジオはゲーム開発や映画、アニメーションといった専門性の高い分野の話になると思いますが、このような分野では才能あるクリエイターが欠かせません。もし、リモートワークで効率的な環境を整えられるなら、国境を超えて優れた人材を雇うことができます。
最近、Netflixが東京のオフィス内にアニメ制作会社をサポートするスタジオを設立したり、中国のテンセントも日本のアニメーターを高待遇で受け入れたりと、日本のクリエイターを囲い込もうという動きを目にします。これは、日本の賃金基準が他国と比べても低いので、そこに目をつけた会社がセンスと力のある人材をどんどん雇っていこうという流れだと思われます。そこにリモート環境が整備されることで、この流れが加速するかもしれません。
もちろん、魅力的な条件を提示できれば海外から優秀な人材を雇えますから、日本にとっても大きなチャンスになるはずです。
弱点は?
しかし、そんなリモート環境にもデメリットはあります。それは、遅延です。
ネットワーク経由で操作するということは、その分ラグが生じます。ジョジョで言うなら、遠隔操作型のスタンドが精密な動きができないみたいなことでしょうか(わかりにくい)。
実際にWindows365の使用感をレポートした記事では、マウスの操作と実際の動きまでにズレを感じることがあると書かれているので改善の余地はあるでしょう。この使用時の遅延がクラウドPCの唯一にして最大の弱点みたいなところもあるので、勝負の分かれ目にもなりそうです。
まとめ
このような技術の普及によって私たちは自由な時間に、自由な場所で、自由な働き方ができるようになりそうです。もちろん世界中の人たちと働けるわけですから、そうなれば、もう頭の硬い昭和オヤジに愛想笑いしなくてもいいし、毎朝殺伐とした通勤電車で足を踏まれなくなります。やったあ。
ということで最後は3行まとめで締めたいと思います。それでは。
・クラウドPCにより高価なPCを買わずに済む
・リモート環境が整う
・遅延がネック
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