上山明博(ノンフィクション作家)

岐阜県出身のノンフィクション作家です(日本文藝家協会・日本科学史学会正会員)。新刊に『…

上山明博(ノンフィクション作家)

岐阜県出身のノンフィクション作家です(日本文藝家協会・日本科学史学会正会員)。新刊に『牧野富太郎:花と恋して九〇年』青土社刊があります。お問い合わせはこちらまで。(╹◡╹)。 ▶http://aueyama.wixsite.com/home/contact

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上山明博 (ueyama_akihiro) profile

    • 3・11以降、世界は原発廃止国と原発推進国に分断した。日本はどちらを選択すべきか?

      2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原子力発電事故は、世界中に大きな衝撃を与え、原発事故後、世界は原発廃止国と原発推進国とに大きく二分しました。 対応が分かれた世界の主要国の方針を見てみましょう。 すべての原発の閉鎖を決めたドイツの場合 東京電力福島第一原子力発電事故を深刻に受け止め、原発廃止の方針を明確に打ち出した国の一つがドイツです。 ドイツはそれまで原発の段階的廃止を法制化する一方、原発の運転期間を延長する措置をとるなど、状況に応じた柔軟な対応をとってきま

      • 日本に原発は必要? それとも必要でない?

        原発にはメリットとデメリットの両方があります。 電力の安定供給の重要性、原発事故の再発の危険性、地球温暖化対策の有効性など、さまざまな要素を比較検討し、日本の原発の将来について考えてみましょう。 原発事故後の日本の原発稼働状況の推移は? 2011年に発生した東京電力福島第一原発事故によって、原子力発電所の安全性が大きくゆらぎ、原発安全神話に対する疑念が高まりました。 日本原子力文化財団が作成した「電源別発受電電力量の推移」によれば、2010年に日本の総電力量の25%を占

        • 書評「偶像に血を通わせるノンフィクションの力─上山明博著『牧野富太郎 花と恋して九〇年』」村上政彦

           萩原朔太郎の友人がいった。「小説は、嘘を本当のようにいうことだろう」。彼は、友人の文学的知見の浅さを嘆いていった。「小説は、本当のことを嘘のようにいうものだ」。  本当のことを嘘のようにいう――これは小説=フィクションの定義として、要を得ている。では、ノンフィクションの定義とは? 「本当のことで、本当のことをいう」。  本作は、日本の植物学の父・牧野富太郎の生涯を描く。牧野は、小学校を二年で中退して、独学で植物学者への道を拓いた。  著者は、この立志伝中の人物をとらえるうえ

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          書評「アジアに生きる─村上政彦著『結交姉妹』」上山明博

           文字を用いることを許されなかった女性たちがいたことを、浅学をさらすようだが私はこの本を読んではじめて知った。  中国湖南省江永県の一部の地域に、女性が文字を用いることを良しとしない特異な風習があった。そのため、その地域に生まれ育った女性たちは、文字(男書)に代わって、彼女たちだけが理解できる秘密の文字「女書」を独自に生み出し、何世代にもわたって密かに受け継いできたという。  女書が知られるきっかけは、一九五八年に湖南省江永県に住む女性が北京を訪れたことにさかのぼる。彼女が話

          書評「アジアに生きる─村上政彦著『結交姉妹』」上山明博

          大森房吉と今村明恒──二人の地震学者が成そうとしたこと(テキスト)

          上山明博(ノンフィクション作家) 参考図書:上山明博著『地震学をつくった男・大森房吉─幻の地震予知と関東大震災の真実』。 地震大国・日本で誕生した地震学  世界で最初に地震学が誕生したのは、地震大国・日本においてである。  のちに近代地震学の祖といわれるお雇い英国人教師ジョン・ミルンは、明治9年(1876)の来日早々、生まれて初めて地震の恐怖を体験した。  急速に文明開化を遂げる日本にあって、一瞬のうちに文明を瓦礫と化す地震こそ、近代科学が解明しなければならない焦眉の課題

          大森房吉と今村明恒──二人の地震学者が成そうとしたこと(テキスト)

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          「大森房吉と今村明恒──二人の地震学者が成そうとしたこと」上山明博

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