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受けた傷はお金で癒えるのか

これまで家族のことも折りに触れ書いてきた。

両親から受けた精神的、身体的、経済的虐待は、私の心に大きな傷を残した。
恐怖の記憶と共に心に刻まされた傷は、擦り傷や切り傷のように見せることはできない。今になって親が私に言ってきた言葉を録音しておけばよかったと思うことがあるが、当時はそんな知恵を働かせる余裕なんてなかった。
自分の身の安全が確保されただけで良かったと思うしかないと思い込んでいた。

でも、夫や義両親と出会い、その考えは自分が受けた傷を見なかったことにしていることと同じだと知った。
精神的に受けた傷は見えないし、受けた暴力の傷跡は成長とともに消えていった。
唯一はっきり証明できるのは、両親に奪われた私の資産。でも、どんなに私が両親に訴えても、両親がお金を渡すとは思えないので、法的措置を取ることにしている。

27年間にわたる両親からの虐待についても法的措置を取りたいと思うことはある。でも、子が親を訴えることに対する日本社会の冷ややかな視線を感じる。
親が絶対的存在という慣習は良い効果を生み出しているとはとても思えない。
全ての親が子どもに対して愛に溢れて優しい存在ではないということをもっと社会が理解し、心の傷や金銭的な傷を負った子どもに対してもっと寛容であってほしいと強く願っている。

受けた傷はお金で癒えることはない。
でも、傷つけた相手が自分の罪を認めた誠意の証としてお金を払うという方法は最も分かりやすいけじめの付け方だと思う。

これから新しい人生を生きていくために、私は心についた傷跡を人生の教訓として大切にしていくつもりだ。


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