大師河原の酒合戦
酒合戦とはなんぞや。
と調べてみれば、wikiには「複数の人間が酒量を競い合うことである」と書かれており、その有名なものを挙げる、として以下が挙げられている。
1:911(延喜11)年、亭子院(京都)で行われたもの
2:1648(慶安元)年、川崎の大師河原で行われたもの
3:1815(文化12)年、今の足立区千住で行われたもの
4:1817(文化14)年、両国、万八楼で行われたもの
5:1831(天保2)年、讃岐国高松(香川)で行われたもの
6:1927(昭和2)年、熊谷(現在の埼玉県寄居町)で行われたもの
たった6つしかないのに、その中に川崎の名があがっている。私が思うよりもずっと、川崎は酒飲みに由縁のある街らしい。
今回、11月にクラブチッタで行う公演で、KATARIBE JAPANはこちらの「大師河原の酒合戦」を扱うことになった。酒の飲み比べ、などというと、昨今は「悪しき風習」と眉を顰める人も多かろうけれども、今日我らが語り部・島村艶子さんが語るのを聞くにつけ、物語として大いに脚色して楽しんだものが言い伝えられて、今に残っているのだと思った。
戦国時代は遠くなったとはいえ、斬った張ったの実際の争いがなくもない江戸時代に、リアルな斬り合いではなく、酒量で戦い合うというのは、ひとつのユーモアとして喝采をもって受け入れられたのではないだろうか。
いずれにせよ、物語を「物語だから」といって笑い飛ばすことができなくなってはつまらない。どんな物語だって、人間の想像力が紡いだものなのだから、好き嫌いは自由だけれども、社会的な圧力で排除するようなことは、いやだな、と思うのである。
さて、酒合戦にどんな音をつけようか。
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