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4歳を迎える娘に伝えたいこと:りくとんちの家族エッセイ

今日は、娘の4歳の誕生日。今日は福祉コラムはお休みして、娘の誕生日というこの日を迎えた私の気持ちを書いていきたいと思います。

七五三と4歳の誕生日

今日は娘の4歳の誕生日。でも実は、彼女は七五三を一昨日終えたばかり。え、「三」歳じゃないの?と思うかもしれないが、実年齢3歳だから良いのよ、ということにした。(実は、去年の今頃はまだ髪の毛がだいぶ薄くて、写真に残すのが少し可哀想だったのだ)

宮司さんからは「大きくなったね!」と言われるが、実は4歳なんですーとはなかなか言えない。とは言え宮司さんは親戚だから、年齢は正直隠せていない。娘の手前、『髪がなかったから』というのも気が引けて、なんだか「触れちゃいけない」何かがあったような空気感になってしまったのは悪かったかな、と思っている。

感じた子供の成長

七五三のお祈りを受けながら、ひしひしと感じたのは子供の成長だ。子供からすれば、頼んでもいないのに七五三を祝われ、その間は神妙に頭を垂れて祝詞を聞かないといけない、なんとも大変な苦行である。

でもまあ4歳になる年だ、3歳よりはきちんとできるだろう…親としてはそれくらいの気持ちだったが、彼女は椅子から勝手に立ち上がることもなく、低頭も守り、宮司さんに言われた通りの手順で玉串を奉納した。正直天才かなと思った。(多分に親バカを含んでいる)

子供は、親が思う以上のスピードで成長していく。親の方が取り残されそうになる程。嬉しいやら、寂しいやら、なんとも言えない気持ちになった。

いつか娘に話したいこと

私にはいつか、娘が分別のつく年齢になったら話して聞かせたいことがある。それは、私の「親としての不安」の話だ。

残念ながら、私は私の親の分しか「親」のロールモデルを持ち合わせていない。そしてそのロールモデルは私の現在の家庭環境とは大きく異なっていて、そして私は私の母をロールモデルにすることを拒んでいる。

だから私がなぞる「母親」像は、テレビや漫画、聞きかじる『素敵なお母さん』の寄せ集めでしかない。そしてきっとその奇妙なチグハグ具合は、いつか育てられた娘に伝わってしまうだろう。

その不安を持ちながら、私は娘を育てている。いつ母のように娘をコントロールしようとするのかと、親になる不安を抱えながら足場を確かめるように育てている。娘の成長よりも遅いスピードで、私の『母親像』は育っているのだ。

親になる不安

ただ、この『親になる不安』は誰しもが持つものであることを私は知った。親になるのは不安なことだ。それは当然のことだと声を大にして言いたい。

親になる不安を、愛がないとか覚悟が足りないとかいう言葉で切って捨てるのは簡単だ。でもそれでは何も解決しないし、そもそもこの不安は解決するような問題じゃない。例え切って捨てたところで、切られた屍が山積みになっていくだけで、埋葬しどころのない不安達はいつか心を、社会を腐らせるだろう。

親になる事は不安との戦いだ。1人の命を預かるのに、覚悟なんていくらしてもし足りない。

きちんと愛せるだろうか。愛していても壊してしまうことがあると言うのに、『愛せるか』から不安な私がきちんと育てられるだろうか。すぐに手をあげられて育った私が、手を上げない育児ができるだろうか。

生まれる前から不安だった。生まれた後も、この子の幸せを壊すのが私かもしれないと、幸せが崩れる可能性を思えばやはりいつでも不安なのだ。

4歳を迎えて

そんな私の不安をよそに、娘は無事に4歳になった。バツが悪いことがあると、「ママ大好き!」と話をはぐらかす処世術を身につけ、悪さをすればどうにか隠そうと知恵を働かせる創意工夫も見られるようになった。(いたずらの発見を遅らせる為に、寝室の鍵をかけて入れないようにするとかね)

こちらの話を聞くこともできるようになり、危険予知はまだ無理でも、どう危険なのかを教えれば『やらない』選択肢を選べるようになった。本当にいろんなことを吸収していると思う。私が母になるより、ずっとずっと早いスピードで。

きっと、私が『親になる不安』について話すのはそんなに遠い話ではない。彼女に対して大人のように接したいわけではないけれど、私という生き物が『完璧な大人』だと思わないよう、きちんと伝えるべき事は伝えたいと思うのだ。

赤ちゃんの頃の写真を見て

娘はいつだって、今が一番若く、今が一番『お姉さん』だ。赤ちゃんの頃の写真を見て、「これは赤ちゃんよ、あたしじゃないよ」と話していた。

そして、あなたが生まれてすぐの頃よと話せば、「まだ髪の毛ないね、あたしとは髪の毛違うけどあたしなの?」と、話す程度にはいろんなものを理解し始めている。娘はまだとても若い。でも彼女の人生の中で、今日という日は昨日よりお姉さんで、これからも毎日「お姉さん」になり続ける。

今日から来年の今日にかけてのこの一年で、あなたは何を理解し何を翌年に持ち越すのだろうか。願わくば、大人になる頃に、持ち越される疑問がないよう、疑問が出たら誰かに聞くことができる子に育ってほしい。

今日は、そんな母としての私の考えを述べて、おしまい。





駆け出しライター「りくとん」です。諸事情で居住エリアでのPSW活動ができなくなってしまいましたが、オンラインPSWとして頑張りたいと思います。皆様のサポート、どうぞよろしくお願いします!