11/23 新サクラ大戦 The Stage
かれこれ何年ぶりだろうか。芝居を観に出かけた。最後に見たのはいつだったかもう覚えていない。あの長い時間休憩無し呑まず食わずで観劇すること自体に飽きてしまったのだと思う。
そんな時に目に飛び込んできたのがPS4のゲーム、そしてアニメである「新サクラ大戦」の舞台化作品だった。気が付いたのはもう3月近くで上演中止が決まった頃だったと思う。その頃はまぁいいか、と思っていたのだが、ピアニスト保坂修平氏が「檄!帝国華撃団」(通称ゲキテイ)をピアノソロで弾いている映像を見つけた。これが実にカッコいい。
そしてつい最近まで知らなかったのだが横山智佐さんのサポートを担当しており、彼女の出演するイヴェントで弾くとのこと。
何度かこの動画を聴いているうちに、そういえば・・・と思い出したのが新サクラ大戦の舞台。以前はゲームアニメの出演している声優がそのまま舞台でも演じていたが、今回は新たに舞台作品として役者を揃えるとのこと。
それじゃぁ他と同じではないか?と思ってはいたものの、入ってくる情報が予想と違う。あれこれ迷った挙句、前売りを入手した次第。
このサクラ大戦シリーズの舞台が始まったのが1997年の夏。チケットが取れなかったり予定が合わなかったりで足を運んだのは半分程度。さすがに今までと異なりゲーム配役の声優ではない若手舞台俳優だから・・なんて思っていたら、予想とまったく違っていた。クラリス役の沖なつ芽さんは、もうゲームやアニメから飛び出して来たかの如くの見た目と立ち振る舞い。まさに「完コピ」。
片山萌美さんはミス日本コンテスト出身、平湯樹里さんは宝塚歌劇団の出身で、二人とも立っただけで雰囲気が変わり、それぞれ自身の武器を生かしつつステージ上での戦いに挑んできているように思う。高橋りなさんはアニソン動画を多数公開しているだけあって、歌のシーンが嬉しそう。
寒竹優衣さんが舞台から去るシーン、いや去るではなく「消える」という方が世界としては正解か。見えるけれど消えるという「イマジーネーション」がちゃんと用意してある。
衣装は作品に準じているし、俳優の皆さんも「役」を演じているわけだが、観ていて「あ、そうか」と感じさせてくれた。それぞれ役を研究して、理解して、「じゃぁどうする?」と熟考したんだろうなと。
そんなメインの役者たちを脇でささえる新登場「芽組」の10人。
黒子になり、「脇役」になり、「敵役」になり、ゲームでは重要な「風組」にもなり、そして以前は広井王子氏がやっていた舞台前のお約束事の案内も。もしかしてアンダーステディも兼ねていたのかなと思ったり。
プロジェクションマッピングを駆使した大道具の切り替えも鮮やか。
20年以上も経過しているだけあって随分と変化しているけれども、ああこれは「サクラ」の舞台だなと。
最後に。関根 優那さんの天宮さくら。云々で言えば粗削り。そして殺陣をやりながら音域の関係で難曲と言われるテーマを懸命に歌う姿。「諦めない少女」そのものだった。役だけでなく作品を、そしてサクラ大戦という舞台を自分のものにしようとしているんだろうな、と。
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