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ブレイクとケージ論。RIZINとZSTセコンドについて感じたこと。

先月のRIZINとZSTを二日間現場で見ることができて(なかなか現場で見ない)、格闘技の良さも感じたのですが、アクションとブレイクのタイミング何だか釈然としない気持ちもあって、首を傾げていました。

レフリーと選手の技量問題も当然存在するとは思うのですが、リングだからこそのブレイクのような気もするし、MMAはケージでやるのが選手もレフリーも楽なのだろうと当たり前のことを改めて感じました。

世界的に見ると業界一位のUFCが「ケージ」で運営していることからも「ケージ」で運営する団体が多いのですが、「RIZIN」「KSW」「ONEの一部大会」はリングを使用していて、未だ根強くリングを支持する団体やファン層も存在しています。それ自体は否定も肯定もしないけれど、どちらか一方に統一してくれた方が選手サイドとしては楽だし、観る側としても基準が一定になるので観やすいとは思うのですが、軸を曖昧にすることで団体独自の世界観を作ることができるので、それはそれでやり方だし、UFC以外の団体が残る一つの術だとは思うので、理解はできます。

ケージリングのメリットデメリット。

ケージとリングのメリットデメリットはすぐ互いのメリットデメリットになっているので、どちらかずつ説明するのも手間と読み手が面倒なだけだと思うので、一気に説明していきます。

ケージのデメリットは視覚の問題の1点のような気がします。即ちリングのメリットでもあります。

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それ以外にもケージとリングだとリングの方が設営が楽で費用が安く済むなどはあるとは思うのですが、10年前のケージがまだ日本で少なかった状況と2020年の今は違うし、費用の面は小さな問題だと思うし、RIZINクラスのイベントであればそこは気にする問題ではなく、これは小規模イベントでの話です。

ケージは観客から見難いと言われることがあるし、実際にケージがあるので客席とファイターが断絶された感覚になって、一体感を作るのが難しいのは体感としてあるので、イベントを作ることを考えるとケージは一歩引く部分もあるにはある気がします。

ケージのメリットは選手以外の力が介在することが極力少ないことです。ケージの場合はファイターもロープを掴んだり、外に出ることがなくレフリーのブレイクで選手以外の力が左右することが少ないので、試合が勝手にまわっていきます。

ここで大事なのはケージがあることで「ケージを使って立つ」や「ケージで寝かせる」攻防があるのでグランドワークも選手同士で回っていきます。攻防を回せない側リングでは常套手段になる「ブレイクを待つ」を使えないので、そのまま「判定負け」か「レフリーストップを待つ」になってしまうので、技量も必要に迫られるだろうし、動かないと負けになるのでフィニッシュに向かう可能性が高くなると感じています。

リングだとケージを巡った攻防がなく、グランドで寝たらケージを蹴ることも出来ないし、ケージに座ったら攻防が止まるし、「ブレイクを待つ」ことが有利に試合をする上で得策になるとは思います。実際に僕がセコンドだったとしても、ブレイクを見方につけた試合運びをさせるゲームプランでいくだろうし、それ自体は戦略としておかしなことではなく、責められるものではないと思います。朝倉斎藤戦のブレイクもあれはあれでRIZINでリングであれば妥当の範囲だとは思っています。

RIZINのセコンドをしていても相手選手が下からホールドしても、どちらがホールドしてるかジャッジはわからないだろうし、実際に判定は割れたわけですから、ジャッジがどちらが主導権を握っているかを見極めるのは難しいところだとは思います。これはONEの判定でもよく感じるし、ジャッジの主観に委ねる部分が多いので、曖昧にはなります。上が優位と決めてくれた方が楽だとは思うのですけどね。

ただ選手セコンドとして一番憤って釈然としないのは「ロープ掴み」です。
僕は反則も技術のうちだとは思っているし、減点されない程度に反則をするのは技量だとは思っているのですが、試合の命運を賭けてテイクダウンを仕掛けているのに、ロープ掴みで逃げられたら、明らかに優位に作用するので、これは毎度納得できません。レフリーも掴んだら即減点とはならないし、口頭注意で終わって余程のことがない限り、減点とはならないです。

僕も昨年の5月のクリスチャンリー戦で相手がロープを掴んだとき「これだ」と思ったし、ケージでやれたらもっとスッキリしたのにとは思っています。負けは負けだし、リングだったらどうこうって話ではないです。ただケージの方がやられた感が出るし、納得できるなって話であります。

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