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3月20日修斗後楽園大会 見所を。解説席の末席に座りますのでABEMAで会いましょう

修斗後楽園大会の解説をさせていただくことになりました。

青木の解説が好きな方も、耳障りな方も、嫌いな方も、音声の有無はあれど、ABEMAでの放送を楽しんで頂けたら幸いです。以下視聴URLです。

今大会はメインの岡田大塚で保っている大会です。
セミ、セミ前のカードはそれなりではありますが、形になっているのはメインがあるからこそ。現状の修斗でメインを張れる選手は岡田選手しか思い浮かばないのですが、岡田選手は前回の王者戴冠の試合といいメインを任される信頼のある「チャンピオン」なのですよね。応えて立派だなと思います。

挑戦者大塚選手も団体移籍して、35歳を前に最後の挑戦。存在感も作りたい。だからこそ、ベルトに賭ける想いは特別だろうし、ここからを考えているからこそ勝ちたい試合でしょう。互いにタフファイトになることは望むところ。激戦必死です。

セミ前までは見所を書こうにも仕方がないところがあるので、上3試合の見所を書いていきます。このボクシング的なメインありきの試合の作りも観る側としては楽だなとは思いますが、解説する下調べの材料が出てこないのでその部分は苦労します。

前半戦にも高橋サブミッション選手がいたり、マックスボディがいたりと賑やかさや彩りはあります。在日外国人で筋骨隆々でわかりやすい外国人選手って大切です。強く見えてしっかり仕事してくれる。マックスボディ万歳。すみません。マックスザボディだそうです。

◎世界バンタム級チャンピオンシップ5分5R
岡田遼(王者・初防衛戦/パラエストラ千葉)
vs
大塚隆史(挑戦者・同級1位/T-GRIP TOKYO)

挑戦者大塚選手はDEEPからの移籍組。
最近は珍しくはないが、アマチュア修斗を経ずに実力が評価されてプロになる「特例」です。DEEPでは二階級で王座に輝き、RIZINやDREAMへの参戦経験があるベテラン。

とにかく運動量の多い選手で、選手関係者からの評価が高いことからも、強い選手であることが分かります。運動量に関しては試合の流れを左右するポイントなので後述します。

岡田選手は名実共に修斗の王者であり顔。
最近の戦績は過去5戦で4勝1分。そのうち2回はフィニッシュ。何が強いのではなく、バランスがよく、組み立てが上手な試合をする選手です。我慢ができるというか、制御が利く選手だなという印象です。行き過ぎてしまったり、行けない選手はよく見ますが、コントロールできる選手は稀有な存在です。もちろん打撃もレスリングもグランドも武器は備えています。そうでなくては今の彼の位置では闘えません。

この試合のポイントは制御が効く岡田選手と運動量の多い大塚選手の「ペース配分」ではないかと見ています。

大塚選手は「ここを抑えておけばいいのに」と思う局面でも動いて、相手を消耗させる傾向にあって、フィニッシュ率は低いけれども動きのある試合をするスタイル。よく言えば運動量があるし、悪く言えば粗いのですが、確実に強さが伝わる試合をします。大塚選手も34歳でどこまで運動量に担保できるかは不安は残りますし、今回の試合は5R戦です。

岡田選手は倉本戦の相手を攻めさせて、力を使わせて、消耗させてのノックアウト勝ちからもわかるように組み立てが上手な選手です。誰もが考えることができてもそれを実行できないのですが、実行できるまで思考する能力が彼にはあります。

二人の試合の流れが早いのか遅いのか。ペースの取り合いに注目して見ていきたいと思っております。試合の鍵はペース配分です。岡田有利の試合ではあるとは思いますが、勝負論のある試合だと思います。

大塚選手のセコンドに北岡松嶋組がつくようです。ペース配分が上手なセコンドを揃えてきたので一気に興味が増しました。北岡さんの手綱捌きは秀逸ですからね。試合が楽しみになってきた。

◎61.2kg契約5分3R
平良達郎(世界フライ級1位/THEパラエストラ沖縄)
vs
前田吉朗(世界フライ級5位/パンクラス大阪稲垣組)

この試合は平良選手が王者福田選手に挑戦する試合でいいはずです。
福田選手も2020年7月の試合から試合をしていないので、試合をしたいだろうし、福田選手に負けた前田選手が平良選手と試合する意味がよくわかりません。要は平良選手に勝って頂いて王座戦に繋げる流れだとは思うのですが(それしか考えられない)、福田選手が本来最優先されるはずの王者なのに試合間隔が空いてしまって、災難だとは思います。(人災だけども)

前田選手はコンディションが整えば太刀打ちできる力を持っているはずですが、近年はコンディション的にもベストとは程遠い状態のように見受けられるし、40歳を前にして、コンディションを作り直すのは難しいところがあるだろうとは思います。実力があるのはわかっているのですが、整わない気がします。

平良選手は前戦の清水戦で一気に評価をあげました。
僕は清水戦はまだ早いと思っていたのですが、難なく乗り越えて、強さとこれからへの期待を感じさせました。技術がどうこう以前に素材がいいというか、身体が強いと言うか、個体としての強さを感じます。あとは組みが強いので組みから試合を組み立てられる強さがあります。将来を感じる数少ない選手。

この試合は平良選手が圧する試合になるとは思うのですが、前田選手の意地も合わせて見たら面白く見えるのではないかなと思いましたとさ。なんか書いてて苦しくなってくる試合です。

◎65.8kg契約5分3R
魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)
vs
後藤丈治(TRIBE TOKYO M.M.A.)

両者共に「待ち」のストライカー同士の対戦

昨年4月の祖根戦の勝利でステップアップした後藤丈治選手。
前戦も祖根戦も勝ち方が映えます。得意にしていた打撃に自信をつけて、最近の試合では打撃で試合を組み立てるところまで来ていまして、頼もしい限りです。組み技に不安は残るので、マッチメイクとしてはストライカー同士で試合を組んだ方が噛み合った試合になるとは思いますし、今回の試合はいいマッチメイクだと感じました。

魚井選手はフルスイングの名前で積極的な選手だと思われますが、実は待ちの打撃です。強振を使う選手はリスクを理解しているので、実は慎重な選手が多いのですが、魚井選手も慎重な打撃をします。慎重であることは大事なことです。あとはパンチに特化した選手で今のMMAに多い選手であります。

後藤選手は蹴れるサウスポー。蹴りを使える選手は今のMMAでは珍しい部類に入るので貴重な存在。攻撃の選択肢を持つのは後藤選手でパンチと蹴りとステップを組み合わせて試合を動かす選択肢を多く持つのは後藤選手なのですが、魚井選手が一点突破で強振を軸に試合を強引に動かすのか、後藤選手がコントロールするのか注目の試合です。

魚井選手が勝つとしたらパンチでノックアウトか判定勝ち、後藤選手が勝つとしたら左ストレートを当てるか、蹴りの差で判定勝ちかなと思っています。神経戦になっての判定も十分あり得るし、両者がどんな試合を選択するのか楽しみです。個人的には互いの手を潰していくような神経戦を期待します。

2005年11月6日が青木真也最後の後楽園でのMMA。4日前の夜のオファーでした。

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