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格闘技選手の自己責任論。自己責任で生きていくのが選手生活ではスムーズな事実。

僕は自己責任論が強いと自覚しています。
弱いお前が悪いし、勝てないお前が悪い。強くなりたければ勝ちたければ練習すればいいし、自分の手駒の中で登っていく策を練ればいいです。それをしないお前は悪いし、登っていく中でときにズルも不義理(自分では筋を通したつもりでも、不義理と言われることは多々ある)もしなければいけない時があるだろうが、後ろ指を刺される覚悟で登っていくのが芸事です。

世の中は不平等が大前提だと思っています。
産まれた瞬間に一生食っていける名家に産まれる人間もいれば、明日のどう生きていくのかを考えなければいけない貧困の中に産まれる人間もいます。身体的素質に恵まれている人間もいれば、まったくない人間もいます。それでも皆が同じ土表で闘うことになっています。(実際は土俵にすら上がれなかったりもするんだけど)

格差や貧困の不平等に関する話に自己責任論を持ち込むことの危うさは理解はしているつもりです。格差や貧困が社会構造から来るものであって、抜け出したくても抜け出せない、頑張りたくても頑張れない人がいるから平等に近付けていくように働きかけていくのは大事なことだと思っています。

吉川ばんびさんの著書を読むと貧困にまつわる自己責任論の危うさがよくわかります。頑張っていないからと解釈してしまう人は読むと整理されるのでオススメです。

ここいらへんを誤解して、僕を冷徹な自己責任論を振りかざす人だと思われるのはそれはそれでしんどいものがあります。自己責任論が強いはずのスポーツ界で、その中でもさらに自己責任論が強い格闘技界でも誤解を受けて反感を買うことは当然あります。昔に比べたら気をつけているはずなのですけどね。

僕が言う自己責任論は平等な社会や競技であってほしいけれど、実際はそうではないことが多々あります。不平等や不公平が存在します。それでも生きていかなければいけないし、勝たなければいけないのです。不平等や不公平を正していく動きは大切。でもそれは中長期の話でもあって実際に目の前で起こっている中を生き抜かねばならないし、勝ち抜かねばならないです。乱暴な言い方だけれども勝ったヤツが正しい。これは事実です。認めるのは辛く苦しいかもしれないけれど事実なのです。

生きていく術の一つとして読んでくれたらと思いますし、不平等や不公平や不正の肩を持つものではないことを理解してくれたら幸いであります。格闘技選手の心構えとして読んでくれたら幸いです。


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