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RIZIN30試合とこってり与太話。矢地さんおめでとうの巻!※後ほど追記があれば追記します

首を長くして待っていたRIZIN30の開催。待っていました格闘技!
緊急事態宣言延長(効果があるかはわからないけど)。緊急自体宣言中の開催お疲れさまです。ごくろうさまでした。

9月12日までの期限だった緊急事態宣言が無事に延長。
緊急事態宣言の延長はもう何度も経験していますし、日常の生活においてはもはや「だからどうした」くらいの感覚なのですが、飲食店や我々イベントを生業にしている人間にとっては影響のある話であります。

RIZINに限った話ではなく、各団体がコロナ渦における観客制限と世間様の目に振り回されてきた1年半であります。コロナ渦がなければ延期も中止もなく大会運営も物語の進みもスムーズだっただろうし、影響を受けなかった格闘技団体はありません。当初は医療崩壊を心配していたDEEPの佐伯繁さんも今は大会をやっているし(やるしかない面もあるはず)、どこもやらざるを得ない状況になって、なし崩しにでも前に進んでいるのが現状です。

観客制限5000人と終了時間の20時もそうですが、そもそも緊急事態宣言中は客足が鈍りますから、上限にも難しい団体が多いのではないかと思います。プロレスで地方大会に行く機会があるのですが、その度に緊急事態宣言は客足に影響するし、運が悪いと自治体が中止を要請したり、施設を貸さなかったりで地方に行けば行くほど影響は大きいのです。RIZINの場合は首都圏のお客さんが多いのかもしれませんが、それでも影響がまったくないとは言えないはずです。ちなみに県を跨いだ移動を控えてくださいって言われてもそれじゃ成り立たないですからね。

堀口恭司さんとベラトールとのおはなし。

僕には移籍と見えたのですが、「協力体制の強化」、「業界の益々の発展と改革のため」ともっともらしい言葉を並べたリリースがRIZINから流れてきます。「友情があるから実現に至った」とここにきて、情にアピールする辺りがRIZIN体質だなあと思って見ておりました。何を言っているのか理解するまでに時間がいるし、煙に巻かれてしまいそうになるんですよね。

要訳すると。

堀口さんはベラトールで試合をしていく 要は移籍
コロナが落ちついて年に一回は条件が整えば日本で試合する

だと思うのですが、ここに榊原さんを噛ませてあげるのが堀口さんの優れた人柄だとは思いますし、ここに食い込んでくる逞しさが榊原さんの榊原さんである理由の一つであります。僕だったら団体と直でやるし、間には人を極力入れたくないです。余計な人が入るからその分の思惑が入りこんで複雑になったり、揉めたりするじゃないですか。

海外のニュースではフリーエージェントとの報も流れていて、そこに榊原さんが粘り強く交渉したってことで、いい落とし所なのかなと思いました。ケンカもしない極めて日本的なやり方です。正直今後はわからないし、RIZINとしてはメンツを気にしてリリースを出したのではないかなと思って見ています。メンツを大事にするところはプライド時代からですよね。そこらへんイマイチよくわからない価値観ではあります。

堀口さんとしては今の立ち位置を作ってくれたRIZINへの感謝の気持ち、王者として防衛戦をできずにケガで返上する形になってしまったベラトールへの気持ちもあると思っています。義理堅い方だと思うし、義理とか人情を大事にする方なのでしょう。外から見ている僕としては自分の利益を一番に考えて選手活動をしてもらえたらなと思います。

バンタム級トーナメントってなんでやるんだっけ?

今一度考えてほしいのです。バンタム級トーナメントは堀口さんとの対戦を賭けての争いだったような気がします。トーナメント優勝者が王者への挑戦権を得る自然な流れだったはずなのですが、堀口さんが王者のままベラトール行きで年に一度整えば日本国内で試合をすると発表されたら何のためにやっているのかボヤける以上に見えなくなっています。

テーマの無くなったトーナメントではあるのですが、だからこそ選手個々の思いが見えてきて良しと捉えることもできます。選手が何をしたいのか、何を描きたいのかが見えてくるといった面では堀口戦への導線がなくなった方が興味深いです。

しかし毎回の行き当たりばったり感が日本格闘技ですよね。格闘技の性質上、ストーリーを描いてもその通りにはならない部分は大きいのですが、それにしても描かなさすぎというか、サイコロ振ってが過ぎると思うんですよね。

PRIDEのときは世界で一番の団体であったのだからストーリーも描きやすかったはずです。それがDREAMのときはストーリーがあっても不可抗力や横槍で崩れていくようになって思い通りにならなかったのですよね。DREAMと戦極もそうだし、海外の価値観が入り込んできたりと自分達の価値観を築くことができませんでした。毎回、例に出しますがK-1はその中で自分達の価値感を確立しているのが凄いと思うのですよね。

RIZIN 30 カードは厳しい。側を整える力。

カードは厳しいカードが並びます。上4試合は61kgの試合だし、70kgが最重量の軽量級の試合が並びます。その上で女子の試合も入るので迫力や説得力は重量級を入れた大会からは1段劣ります。軽量級と女子でまとめる限りは仕方がない事実です。

大会場で60kg前後の選手で伝わるか。これは相当に難しいはずです。
後楽園ホールであれば十分伝わるだろうし、お客さんも満足するとは思うのですが、大会場で軽量級の技術戦がどこまで伝わるのかとは思います。

ただ放送で伝えることを考えれば佐藤大輔さんの映像と作り方で如何様にもできるだろうし、商品は小粒でも包装で整えてしまう部分があります。その意味ではコロナ渦になって増したのが佐藤大輔さんの存在感です。感情溢れるインスタグラムのストーリーで四方八方を騒つかせて煽りアーティストっぷりを発揮しています。

日本の格闘技とは何かと言われたときには「佐藤大輔」となるのが、ここ20年の日本格闘技だと僕は思っています。取り扱いが難しい方だとは思いますが、実力はズバ抜けていて、その実力があるおかげで「押忍」となってしまう存在であります。押忍。まあインスタグラムで暴れるのも一定の範囲でお願いしたいんですけどね。だって対岸であるはずの我々側で火事が起きても困るじゃないですか。

PPVと無料放送。人目に触れない試合に価値はあるのか。

コロナ禍で加速したPPV。観客数に制限がついて客を入れられないので苦肉の策として導入した感はありますが、本来はもっと早い段階でPPVへのシフトは言われていたのでようやくとも言えます。

PPVはここにきて一気に課金の流れがきていると感じています。ABEMAのPPVに追っかけ放送もプレミアムメンバー(月額課金)の特典となって、RIZINも無観客PPV大会を開催します。ここにきて一気に課金の流れがきていて今は過渡期であるとは思うけど、ここからどう流れていくのか注視しています。

何事も塩梅が大切です。無料と課金の塩梅もまた大切になってきます。
PPVにすれば数は減りますが無料であれば数は増える。無料であればプロモーションになるのですが、試合を有料のPPVでやられてしまうとプロモーションにならないので選手としては商売上がったりなのですよね。

修斗はAbemaの放送があって、観ようと思ったときの敷居が高くはないのですが、ほかの無料での放送がない団体だと人目に触れる機会が一気に減って戦績にはなれど選手としてのトータル価値が上がるかと言われたらむつかしい部分があります。先日、佐伯繁さんとお話しした時に実際の数字をお聞きしたのですがなかなか難しいとこもあるなあと感じました。

僕は「無料の試合映像が最大のプロモーション」だと思っていて、実は無料で試合が観れる場所で試合をすることが価値になると思っています。課金をするのは個々のYouTubeだったり、物販だったりで設ければいいのでまずは試合でプロモーションするのが大切だと思うのですよね。

その意味で日本国内では絶大な影響を誇る地上波放送で観てもらえるのがRIZINの強みであるし、そこを見て参戦すると思うのですが、実際に流れるのは一部の選手なんですけどね。それならしっかり流してくれるところで試合した方がいいよねってのが僕の手法であります。

無料と課金のバランスを選手が考えて、取捨選択していくような形になるんじゃないですかね。我が身かわいいですからね。みんな。

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