見出し画像

お肉屋さんに行ったら格闘技の学びを得た話。味覚使えるってすごいアドバンテージ。

青木真也の格闘技を伝えるための最善を日々考えています。

今現在の「答え」があったとしても、その答えがこれからも変わらない「答え」ではありません。観客も進化していくし、新しい技術や方法も日々進化していて、その中で有能な人材も入ってくるのだから、改善を諦めたときに実質的な終了がくるのだと考えています。

非公開ですが、水面下で名の知れたお肉屋さんに伺う機会を頂きました。
最近はタンクトップで活動していて、襟どころか袖のない生活をしていたところにドレスコードがあったり、スマホ使用禁止や口外禁止だったりと緊張するお肉屋さんでした。

映像が使われていたり、音楽が使われていたり、場所を移動したり、料理の説明があったりと随所に感情を揺さぶる工夫がされていて、学びが多い体験でした。口外禁止とのことなのでお肉屋さんの話ではなく、格闘技を創る中でどう役立てていけるのかを書いていきます。

五感をフル活用してアプローチする強さ。

格闘技は五感の中の視覚と聴覚にアプローチをして作っていきます。
会場まで観に来て頂ければ、会場や席の場所によっては嗅覚までアプローチ出来たとしても基本は視覚と聴覚を主にしています。

料理は視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感をフル活用できるので、コンテンツとして優れていると感じました。格闘技を通じて味覚までアプローチ出来たら可能性が広がると思いました。試合を見た後に食べてほしい食べ物があったりしたら楽しんでもらえる枠が広がります。その選手の想いがこもっていることが大事でそこには物語が必要です。アイデアはあるので考えて形にしていきたいところです。

主導権を握る。エンタメは主導権が演者になければダメ。

お肉屋さんに入ったときから最後まで主導権を握られ続けています。
一度たりとも主導権がこちらにくることはなく、最初から最後まで主導権を握られていました。料理が出てくるのだから主導権は相手にあります。それでもここまで徹底して主導権を握られたことはなく、主導権をとるための努力と力と度胸がある方なのだと感じました。

格闘技においても主導権を握るために事前映像を出したり、記事を出したりと僕は同じような手法を使うので勉強になるなと学びを忘れないように頭で何度も繰り返していました。スマホがないからメモすらできないのです。でも覚えているので案外スマホがなくても大丈夫なのかも知れないです。

試合決定から試合終了まで味わってもらうための策をもう一段上に上げていかねばと思いました。そのための策もいくつかは頭にあって、青木真也の試合を楽しんでもらう環境を一段上げられたらと思っています。

料理は前菜から作れる。ワシは一つの試合でそれを作る。

コースの料理を食べるために感じます。
前菜から始まってメインがあって締めのデザートまでが一つの線で繋がっていて、起承転結があって物語として作り込んでいます。すべてがメインでも、すべてがデザートでも成立しません。

先日、歌舞伎を観に行かせていただいたときにも当たり前ですが起承転結がありました。格闘技も本来は第一試合からメインイベントまでの起承転結があるはずですが、今の格闘技はメインイベントではなく最終試合であって試合順でしかありません。その証拠に前座でも入場が長いし、マイクを持つ。それがいけないことだとも恥ずかしいことだとも思わないのです。いきなり質の悪いステーキ出てきたら困るじゃないですか。

できるのであれば僕は第一試合から前菜が始まるような格闘技をやっていきたいです。そう習ってきたのですが、今の格闘技はアマチュア化が進んで芸事として捉える意識がないので、それを言っても仕方がないです。

だからこそ、試合前から青木真也の試合終了までの中で起承転結を作っていきたいのです。今のONEの中で芸事のような格闘技をするのは難しいからこそ、青木真也は青木真也の世界の中で完結しようと思っています。

ここから先は

1,113字

¥ 200

サポートありがとうございます。選手活動、表現活動の活動費用に当てさせていただきます。更なる良いもの、面白いものを創作する原資に大事に大事に感謝を込めて使わせて頂きます。