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エンジニアに工数の見積りを聞くときに気を付けるべきこと

もしあなたがエンジニアに開発を依頼する立場ならば、エンジニアの見積もり工数/納期が実際にかかった工数/納期と違って困ったことは無いでしょうか?

また、もしあなたがエンジニアであれば、事前に確認された工数/納期に間に合わず、申し訳ない思いをしたことが一度は(何度も?)あるのではないでしょうか?

システム開発における工数見積もりは、予見しにくい事象が発生しやすいことから、その難しさや精度の悪さというのはよく言われることなのですが、
ちょっとしたコミュニケーションの工夫で、納期遅れを起こしくくする方法があります。

それは、エンジニアに見積もり工数を確認する際、
「どのくらい工数がかかるのか?」と聞くのではなく
「○○日までに終わるのか?」と聞くことです。

とても単純なことですが、この2つの聞き方で、エンジニアの「見積もり方」に大きな違いがでることがあります。

私の経験上、以下のようなやりとりを見かけることがあります。

営業:「ここの項目追加の開発、結構大変そうですけど、どのくらい工数かかりますかね?」

エンジニア:「難しくない修正だから、まぁ1人日あれば余裕ですよ!」

営業:「ありがとうございます!クライアントに確認してまたご連絡しますね!」

(1週間後)

営業:「先日話した項目追加ですけど、クライアントに見せたいので、明後日までにお願いします!」

エンジニア:「えっ?、、、(緊急対応の案件抱えてるし)明後日はちょっと無理ですね。」

営業:「えっ??」(1日で余裕って言ってたやん、、)

このシチュエーションで、営業側の聞き方を変えると、以下のようになります。

営業:「ここの項目追加、来週の金曜午前の打ち合わせでクライアントに見せたいんですけど、間に合いますかね?」

エンジニア:「うーん、、(他の案件対応ちょっと調整すれば、差し込めるな。)なんとか大丈夫だと思います。」

(1週間後)

営業:「先日話した項目追加ですけど、クライアントに見せたいので、明後日までに間に合いますかね?」

エンジニア:「(他の案件も段取りできそうだし、開発環境も準備しておいたから)なんとか大丈夫ですよ。」

営業:「ありがとうございます!」

この両者の違いで大きいのは、前者では、聞かれたエンジニアは「純粋に実装にかかる時間」を見積っていて、後者では「期限までに本当にその開発を完了させられるか?」を考えて判断していることです。

機能を実装しリリースするためには、単にプログラムを書く以外に、開発やリリースのための環境を整えたり、進めている他の案件対応を調整したりなど、さまざまな工数が発生します。

単に開発工数を聞かれた場合は、純粋にその実装必要工数のみを考えてしまいがちですし、人によりますが、実力を測られているような気持になって、ちょっと見栄を張った工数になりがちです。

一方、「期限に間に合うか?」を聞かれた場合、実装以外にもリリースに必要な様々な事柄を考慮しながら可否を考えるので、突発的な事象なども予測の範囲に含めた回答ができるのです。

また、「期限に間に合う」という回答は、その期限へコミットした意味合いも生まれるので、エンジニアの頑張りを引き出しやすいです。

エンジニアという人種は、普段融通の利かないコンピューターを相手に仕事しているだけあって、自分への質問に対しても、良くも悪くも愚直な回答してしまう傾向があります。

そんな性質を理解のうえ、エンジニアがより正確に回答しやすい聞き方を工夫できると、お互いより気持ちよく仕事を進めやすくなるかと思います。

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