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アングレーム国際漫画祭に行こう!

 2019年のアングレーム国際漫画祭が始まりますね。
 アングレームの街中に会場が設置され、たくさんのイベントや信じられない数の作品に埋め尽くされ、そして地元のいろんなお店も漫画祭仕様で参加しての、大賑わいの4日間。
 現地では23日現在「Jour d’Avant」、プレオープンのイベントが深夜まで行われている模様。本祭は1月24日(木)〜27日(日)の日程で開催されます。
 今年のグランプリには、日本が誇る偉大な漫画家のお一人、高橋留美子先生がノミネートさています!!! 受賞されれば、2015年の大友克洋先生に続き、日本人では2人目のグランプリとなります! 
 グランプリ受賞者の作品は、翌年のポスター等のメインビジュアルになるので、来年の1月はフランスの街がラムちゃんたちで埋め尽くされるかもしれません…!!
 現地時間1月23日夜のオープニングセレモニーで受賞者が発表されるようで、オフィシャルの情報更新を待っていたのですが、どうやらこれから数時間後(日本時間深夜3時くらいから)にパーティーが始まるようで、もしかしたらそこで発表なのかもしれないですね。

楽しみです!!!

 さてこのノートは、私が2015年から2016年にかけてワーキングホリデービザでフランスに滞在していたときの、アングレーム国際漫画祭訪問の記録です。
 ヨーロッパ最大級のマンガの祭典。
 いつかは行ってみたいと夢見てはいるものの、パリからはちょっと距離のある地方都市で開催されるため、なかなか個人では行きづらそう…という印象をお持ちのマンガ・BD・アメコミファンの方もいらっしゃるかと思います。
 しかしながら、慣れない海外とはいえ、目指す場所は交通もネットも日本と大差なく発達しているフランスという大きな国です。情報収集の手間さえ惜しまなければ、日本国内での地方旅行と何ら変わらないのではないか、むしろ国内の地方旅行よりも情報集めやすいかも、というのが、行ってみた者としての率直な感想です。
「関係者でもなんでもなく、バンドデシネ好きが高じて現地まで行ってきたイチ旅行者の記録」が、
「来年こそ行くぞ!」「いつかは行ってみたい!」という方々にとって、少しでも後押しになればこれ幸いとばかりに、いつかまとめようと思いつつ3年放置してしまった体験を、ひとまず実用的な部分に絞って綴っていこうかと思い書き始めました。
 拙文ではございますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

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※情報はすべて2015~2016年当時のもの
であり、現在は状況が変わっている可能性があります。また、主観による曲解や記憶違い等の可能性も大いにあり、記載内容に対して100%の正確性をお約束するものではありません。
特に現地での交通事情や諸々の金額、治安面等に関する状況は常に流動的なものであると捉え、渡航の際は常に最新の情報を集め、万全の準備のうえで楽しまれますようご留意ください。

※当時の私の状況として、
観光ならなんとかなる程度のフランス語を習得していた。
● 漫画祭訪問前に数ヶ月の在仏生活をしていたためある程度色々慣れていた
● パリから直行ではなく周遊旅行の途中で立ち寄った。
といった感じで、「日本からそれのみを目指して行く旅行」ではなかったということが前提としてあります。そのため、色々と広く一般的には当てはまらない事象もあるかと思いますが、何卒ご容赦ください。

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それではよろしくお願いします。

1:チケットを買う

 なにはともあれチケットを買わなくてはなりません。
 アングレーム漫画祭、 Festival international de la bande dessinée d'Angoulême(以下:FIBD)は、毎年1月最終週の週末4日間に渡って開催される大きなフェスティバルで、様々な種類のチケットが用意されています。
 チケットはオンラインで購入可能で、オフィシャルサイトはもちろんですが、その他いろいろなチケット購入サイトで買うことができます。日本でも、イベント自体のオフィシャルサイト上でも買えるしイープラスでも買えるしローチケとかもあるよね、といったイメージです。
 私は「Cultura」というところで購入しました。本や画材やDVD等々いろんなものが買えて、イベントチケットも扱っているという、カルチャーにまつわる総合ショッピングサイトで、「文化的な方面に特化した楽天」みたいなイメージです。
 どこで買っても値段は同じです。やたら懐かしい感じのデザインで不安になるサイトとかも稀にあるので、自身にとって使いやすそうなサイトを選ぶと良いと思います。

 ほとんどのサイトはフランス語表記のみですが、ネットショッピングで出てくる単語というのはだいたい限定されるので、色々な翻訳機能や辞書を駆使したりすれば、セルフ購入するのはそんなに高い壁では無いかなという印象です。ただしキャンセル不可などの場合もあるので、慎重に進める必要はあります。
 このあと電車や宿の予約などについても言及する予定ですが、何度か予約サイトや購入サイトと格闘していれば、たとえ発音がわからなくても何を指す単語かがだんだんわかってくるので、トライしてみると楽しいかなと個人的には思います。

 さて、オフィシャルサイトの「Billetterie」、つまりチケット売り場のページをのぞいてみると、特定のイベント用だったり、学割や企業向け等々、一見するとどれを選べばいいんだかこの時点で混乱します。が、ほとんどの一般の来場者は「TARIFS UNIQUES」というものが該当します。
 こちらの「TARIFS UNIQUES」、各1日券と4日通し券の2種類が用意されています。
 当時の各券の正確な金額は忘れてしまったのですが、2019年1月23日現在の情報を見ると、

●24、25、27日の木・金・日曜日は各19€。
●26日土曜日は25€。
●通し券は45€。
※いずれも10歳未満は無料。

というように、曜日によっても違う金額が設定されています。
 1日ではとても回りきれない会場数ですので、時間と予算が許せば少なくとも2泊3日は滞在したほうが楽しいだろうなと思います。
 私は旅行全体の日程の都合で金・土・日(2016年1月29~31日)の3日間しか行けないというのがわかっていたのですが、それでも通し券を買ったほうがお得だよねということで4日通し券を購入しました。

 ちなみに、上記金額は「A partir du lundi 21 janvier 2019」つまり「2019年1月21日(月)からの販売価格だよ」となっています。
 これが何を意味するのかというと、それ以前は前売り価格で買えたんだよ、ということです。チケットは当日現地でも購入可能なのですが、開催日の数日前まではオンラインでの前売り価格で購入できるのです。
 オフィシャルのTwitterでも先日、「前売り価格で買えるの今日がラストチャンスだよ~」とのお知らせがありました。
(これは現地時間1月17日夜くらいのツイートなので、もしかしたら18日~20日の間も何かしら価格変更をしていたのかもしれません。そのあたりは見逃しました…。)


 私はこの前売り価格の件は当時全く知らず、そろそろ色々調べないとな~と2015年秋口くらいに情報収集を始めたあたりで、「今なら安いよ、会期近づくと結構高くなるよ」というのをオフィシャルのメルマガかなにかで見て驚愕し、即購入したという記憶があります。
 お値段なんと、4日通し券で16€
 当時の前売り終了後の通し券価格は失念しましたが、まあおおよそ45€前後だったとして、半額どころの騒ぎじゃないですね。
 フランスは文化的なイベントの間口が本当に広く、大小問わず無料のものもたくさんあります。世界的規模のFIBDですら、気軽に行けちゃうこの値段設定。こういうところは本当に素晴らしいなと思います。滞在していて何度も恩恵を受けました。
 今なら、貢ぐ! 45€払わせて!!くらいは言えますが、節約ワーホリ生活者だった当時はとてもありがたかったです。

 さて、必要事項を頑張って入力して、チケット購入が完了すると、このようなe-ticketがメールで送られてきます。
 これはCultura仕様のもの。オフィシャルはもっと猫とか居てかわいいのかも。

 下の方に色々書いてありますが、要は
1:A4の白い紙に印刷して当日持ってきてね。
2:他の人に譲ったりしちゃだめだよ。

ということです。
 当日はこれを持って会場のBilletterieに行き、バーコードをピッとやってもらって、リストバンドをもらいます。
 4日分なので落とさないように注意&毎日お風呂のときもつけっぱなしですね。それもまた一興。(プラ製のやつなので耐久性も耐水性も大丈夫でした。)
 Billetterieは街の中に3箇所ほどありましたが、Hotel de Ville、つまり市役所の前の広場がメインエントランス的になっていて一番賑わっており、受付もわかりやすく屋外にありました。そこに行けばほぼ間違いなくBilletterieに出会えると思います。

こちらは当時のパンフの簡易マップ部分です。

 中央下のほうにある緑のエリアに「Hotel de Ville」と「B」の文字が見えますね。「B」がBilletterieです。ここがメインエントランス的エリアで、バス停、飲食店などが集まっていました。何より市庁舎が荘厳で素晴らしく、「来たぜアングレーム!!」といった調子にテンションが上がるので、まずはここから始めるのが便利&楽しいと思います。
 会場の様子などはまたのちほど綴ろうかなと思いますので、ひとまず全体像の把握まで。

 ちなみに私は、
1:A4の白い紙に印刷して当日持ってきてね。
をすっかり忘れており、会場についてから焦った覚えがあります。
「ごめん、印刷忘れたんだけどこれでもいい?」とダメ元でスマホで表示して見せたところ、全く問題なく受け付けてくれたので事なきを得ましたが、
フランスは交通関係でもイベントでも、「e-ticketは必ず印刷して来てね、画面表示はダメ!」というのがまだわりと多かったので、しっかり印刷して行くにこしたことはありません。
「出先でもコンビニでスマホからササっと出力!」などというのは彼の地では望めませんので、必要書類は出発前に印刷しておくのが一番良いと思います。

 さらりと全体を記録するつもりが、そういえば色々あったなということでチケットの話だけで長くなってしまったので、数回に分けようかと思います。お読みいただきありがとうございました。
 次は「2:宿をとる」編の予定です。どこの国でも地方都市の年イチの大イベントは宿の争奪戦です。大都市に観光に行くのとはわけが違いました。

 引き続きよろしくお願いいたします。

--------------------  お ま け  --------------------

【イベントチケットを取るときに読めなくても知っておくと便利かもしれない言葉】
[ jour ]1日。日。(「4 jours」は「4日間」。「4J」などの表記も。)
[ an ]年。歳。(「10 ans」は「10歳」。「○歳以下無料」など。)
[ tarif ]体系化された料金。(子供料金、団体料金等。)
[ prix ]価格。値段。
[ commande ]注文。
[ réserver ]予約する。
[ annuler ]取り消す。
[ valider ]確定する。
[ sur place ]その場で。(料金表の近く等に「site internet et sur place」とあったら、ネットと現地販売の価格だよということ。)
[ de ●● à ○○ ]●●から○○まで。(時間、期間、「出発地〜目的地」などの表記で多用。)