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「TIGER & BUNNY 2 Precious EVE」で「kaleido proud fiesta」を聞いてドギマギした理由

前置き

「TIGER & BUNNY 2 Precious EVE」 3/12(土)夜の部@幕張イベントホール

ユニゾンきっかけで「TIGER & BUNNY」に興味を持ち、2015年頃にシーズン1と映画を後追いしたシュテルンビルト市民です。

シーズン1から10年経ち、待ち望まれた「TIGER & BUNNY2」も引き続きユニゾンが主題歌を担当、今度はリアタイできることを嬉しく思っていて、4月から始まるアニメに先駆けてユニゾンが新曲「kaleido proud fiesta」を初披露すると言うので、張り切ってイベント(夜の部)に参加しました。
そうしたら想像以上に新曲に”食らってしまった”ので、その理由を整理して書き記しておこうと思います。

ユニゾンのライブ以外は、昼と夜でプログラムが異なっていたようです。夜の部はプレイスメント企業の発表、新キャラのお披露目、声優さんのトークセッションと朗読劇。

個人的にアニメイベントにほぼ馴染みがなく、完全アウェイ気分。現場は99%女性で、公式ペンライトを持った人がたくさん。ユニゾン絡みで「ボールルームへようこそ」のイベントには行ったことがあったけど、あの時はペンライトはなかったなぁ。

声優さんが1人ずつ登場すると、そのキャラクターのカラーに皆がペンライトの色をカチカチとスイッチ回して変えていて(すごいねマメだね)、会場が一色に揺れていて幻想的でした。新キャラ「Mr. ブラック」の時は、黒のライトがないので、何色にしようか皆とまどっていたのも面白かった(笑)

声優さんの朗読劇

声だけで表現する技術ってすごいなと実感しました。アニメーションにアフレコしているわけでもないのに、キャラクターがそこで息をしている!という感覚。
特に虎徹役の平田さんが、虎徹そのものでしかないなと思って感激です。他の声優さんに比べて、身体全体で演技していると感じました。あとブルーローズ役の寿さんがリアルに可愛くてドキドキしてしまったわ。

ファイヤーエンブレムと折紙サイクロンも好きなキャラなのですが、お2方はビデオ出演だったので少し残念。ビデオ出演ながらも津田さん(ファイヤー)が「今日も田淵さんは暴れるんでしょうね」って触れてくれていた(笑)

一番好きなキャラはファイヤーエンブレムです。物事を俯瞰で見ていて、皆を見守るお母さんみたいに温かくて頼りになって、ユーモアも可愛らしい乙女の顔もあって、そのバランスが好き。だからファイヤーエンブレムの葛藤にスポットが当てられた「劇場版 The Rising」は胸に響きました。
今思うと、この時代に日本でLGBTについて真面目に取り上げているアニメって先駆的に感じます(描き方はいかにもオネェなキャラではありますが)。

あと虎徹にツンデレなブルーローズも推せる、少女漫画か(笑)アニエスさんもエロかっこよくチャーミングで好きです、とりわけシーズン1最終話の彼女の機転には痺れました。イベントではナレーションだけの参加でしたが、低音セクシーボイスを聞くことができてお耳が幸せ。

プレイスメント企業の発表


やたら企業数が多くてお祭りみたいで面白かったです。300ほど応募があって(すごい)、54社に決まったそう。ブルーローズの「クーリッシュ」、ファイヤーエンブレムの足に「ATSUGI」っていうのがピッタリですね。折紙サイクロンには8社付いたの笑いました、"見切れ"が楽しみ(笑)

UNISON SQUARE GARDENのライブ


セットリストとライブ全体の印象


新曲とスペシャルメドレーを披露とのことで、どんなライブになるのか想像がつかず。あらかじめやる曲がわかっているライブってレアだし、どういう順番でやるのかも興味がありました。

過去にもイベントで楽曲を演奏したようですが、5曲もやるの初めてだろうし。ちなみに2013年のイベントではharmonizedを2回やったみたいですね。

いかんせん客席がペンライトの海という、普段のユニゾンのライブからは考えられない光景だったので、本人達には若干の緊張の色が見て取れたような気がしました。ライブは普段通りかっこよくて楽しかったし、始まったらステージに夢中でペンライトのことなど眼中になかったけど。

でも私はユニゾンのライブでペンライトを振るのは無理。だってユニゾンはロックバンドだからね。隣のシュテルンビルト市民達が「イベントで声を出せなくなったから寂しいけどペンライトがあって良かった」と話していたんだけど、ロックバンドのライブは身ひとつで楽しむのが流儀なので。

MCも通常運転で、「タイバニお帰りなさい」「お久しぶりです」「2のオープニング曲やります(タイトルコールはきっちりしてた)」ぐらいでした。

【セットリスト】
1.  harmonized finale (劇場版2 主題歌) 
※短縮ver 
2.  リニアブルーを聴きながら (劇場版1 主題歌) 
※短縮ver 
3.  I wanna believe、夜を行く 
※短縮ver 
4. オリオンをなぞる (シーズン1 OP)
5. kaleido proud fiesta (新曲/シーズン2 OP)

タイバニの曲をいっぺんに聞ける機会などないので、ゴージャス!新鮮!想像以上にテンションMax!
会場にはスクリーンが3つ設置されていて、演奏シーンの他にアニメーションが流れることもあって、生演奏とアニメを同時に見られるのも贅沢でした。
カラオケする時、映像がタイバニMVだと気持ちが昂ぶって楽しいのですが、それが生ライブで行われるなんて。

気になる曲順ですが、新曲を最後に披露するのは自然な流れとして、それ以外は新しい曲から過去へ遡ったのかなと思いました。

『劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-』に提供した「harmonized finale」で僕の役目は終えたつもりでした。ロックバンドとして一つの作品への関わり方はきちんと終わりがあった方が良いと思っているからで、その約束を自分と交わしました。
尾崎エグゼクティブプロデューサーから本作品へのオファーが来たとき、話を聞きに行くまでは過去の自分との約束を守るつもりでした。しかし、本作の制作に至る経緯や熱意を聞いているうちに昔の大切な記憶が蘇ってきました。
「強いだけがヒーローじゃ無いと思うんです。」そう話す尾崎さんに物作りの姿勢、信念の貫き方を教えてもらったという記憶です。過去の自分に謝ります。約束を破ることにしました。
『TIGER & BUNNY 2』オープニングテーマを作らせていただきます、UNISON SQUARE GARDENです。全力でやります。

UNISON SQUARE GARDEN 田淵智也

http://www.tigerandbunny.net/TB2/music/

このコメントを読むと、harmonizedの置きどころはど頭しかないのかなと思いました。途中に置くとそこでFinしちゃうので。だから最新から遡って歴史を辿り、タイバニの代名詞でもあるオリオンをフルでやって、最後に新曲。ストーリー性を感じてしっくり来ました、真意は不明ですが。

タイバニのライブじゃなかったらこの並びは違和感かもしれません。harmonizedは少々カラーが違うけれど、同じ系統の曲がこんなに連続するなんて通常のセットリストだとあり得ない。でもこうして連続して聞くことで、4兄弟なんだなってヒシヒシと感じて愉快でした。

「I wanna believe、夜を行く」について


I wannaはタイバニ公式曲ではありませんが、ファンの間ではタイバニについて書かれた曲だということは周知の事実。
イントロで「待ってました!」という反応が多かった一方で、クエスチョンマークが浮かんでいるアニメファンもいて、この曲のユニークな立ち位置を表しているなと感じました。尾崎エグゼクティブプロデューサーの当時のツイートからも、関連性があることが明白。

I wannaを作った時期については、「Bee side Sea side」のブックレットに載っている田淵インタビューに正解があります(要約:I wannaを映画用に提案したら、ユニゾンスタッフから「もう1曲欲しい」と言われてリニアを書いた)。だからリニアと I wannaって二卵性双生児みたいに感じるのかな。

あと、I wannaとリニアはイントロのドラムパターンが似ていて、I wannaとオリオンはアウトロの雰囲気と似ているなぁと改めて思いました。音源には、リニア以外にピアノのグリッサンド(鍵盤滑らせる)が効果的に使われているのも共通点ですね。他にも仕込まれているネタがあるのかもしれない、私が気づいてないだけで。

それから「harmonized finale」リリース時のインタビューで、

田淵「最初はそれこそ"オリオン~""リニアブルー~"みたいな、得意技のユニゾンみたいな方向で行こうかなと思って曲を出してたんですけど、たまたまその曲がディレクター的にウケが良くなかったから、なんか違うタイプの曲の方がいいかなと思って。で、自分の中であんまりやってなかったけど、いつかやろうと思ってたようなパターンの曲を書いてみようかなと思ったら、それが気に入ってもらえて」

https://www.rockinon.co.jp/business/publication/magazine/95989

と話していたことが気になっています。harmonizedの前に、オリオン・リニア系の楽曲があったと言うことなので。お蔵入りなのもったいないな。

新曲「kaleido proud fiesta」を聞いて

※歌詞ネタバレしています

華やかで晴れやかで、とてつもなく大きな何かで包み込まれたように感じて気圧されました。ユニゾンらしい疾走感に溢れていて、そのスピードにストリングスが絡みついてくることで、得体の知れないパワーを感じるというか、どっちの方向に進むのか予測できずドキドキするような。

ユニゾンのワンマンで披露されたら「ユニゾンらしいね、かっこいいね、以上」という感想で終わったかもしれませんが、過去のタイバニ曲と並べたことで、ユニゾンの進化を痛烈に感じて面食らったのだと思います。
「えっ…?いきなり次元を飛び越えて来たぞ…!?」と言うとまどいと驚きがありました。ストリングスも理由の1つだと思うし、アカペラ始まりや展開の仕方などが今までの4兄弟と雰囲気が異なるせいもあると思います。

曲調はプログラムcontinued(お祝いモードだからかな)や、オーケストラを観にいこう(ストリングスつながり)に通じるものを感じました。10年経って再開したタイバニへの祝福が込められているからか、スケールが大きい。

何より歌詞に確固たる芯を感じて揺さぶられてしまいました。歌詞には今までのタイバニ曲や、ユニゾン曲とシンクロするワードがたくさん散りばめられていたように記憶しています。
歌詞付きのアニメーションMVが流れていたので、読みながら聞いていました。おおよそ言いたいことはいつも通り一貫していると感じたけど、「祝祭の鐘よ鳴れ」というフレーズがまず今までのタイバニ曲のモードとは思えず、ちょっとした事件にすら感じました。

その願いを叶えようか  歌え kaleido fiesta
綺麗きれい過ぎて 忘れられないような景色になる
今 あなたと僕だけで 夢を見続けようないか
刹那したプレリュードだけが答えだろう?
祝祭の鐘よ鳴れ かくして快進撃は始まる

https://www.youtube.com/watch?v=gpeYgMGKohU

公開中のアニメPVから聞き取れるサビの歌詞です(間違ってたらごめん)(※後日ラジオ初オンエア聞いたら、「夢を見続けないか」でした)(※音楽番組のオンエア見たら「きれい」は平仮名でした)。

中でも「今 あなたと僕だけで 夢を見続けないか」というフレーズが、イベント会場で文字としてスクリーンに表示された時、めちゃくちゃドキッ!としたんです。
だって「僕がいて あなたがいて それだけで十分かな」って控えめだったひよっこオリオンちゃんが、「今 あなたと僕だけで 夢を見続けないか」って、頼れるナイスミドルなカレイド氏に進化してる…!って動揺してドギマギしてしまったんです。

今までのタイバニ曲は、若くてフレッシュで真っすぐに突き進む姿が愛おしくて、でも「kaleido proud fiesta」はすっかり成熟していて自信に満ち溢れて眩しかったから、その落差に食らってしまったのだと思います。幼かったあの子が、しばらく見ないうちに素敵な大人になっていてびっくり!みたいな(笑)

これまでのタイバニ曲は、「悩みや葛藤を抱えながら闘うヒーロー達」と、「もがきながら道半ばのUNISON SQUARE GARDEN」が重なるイメージだったのですが、harmonizedをリリースした2014年から月日が経ち、もはや当時と今ではユニゾンの立ち位置はまるで違うわけで、すっかりたくましくなった彼らが最新のヒーロースーツに身を包み無双しているのを目の当たりにして、タイムマシンでワープした気分に。時の流れを突き付けられました。

ユニゾンが歌っていることって昔からずっと一貫しているのがすごいなと思っていてそこが好きな理由の一つでもあるのですが、核は変わらずとも表現方法は都度アップデートされている。

だから、ユニゾンのワンマンで最近の曲たちと一緒に「kaleido proud fiesta」を初めて聞いていたとしたら、ここまでくっきりとした変化を感じ取れなかったかもしれません。これまでのタイバニ曲をいっぺんに聞いて、続けてkaleidoを聞いたからこそ得られた感覚だった気がします。

当時アニメを後追いしてから改めてタイバニ曲を聞いた時に、「すごい、物語とリンクしている、アニメを見た後だと聞こえ方が違う!」と感動したのですが、今冷静に歌詞を読んでみると、そこまでアニメに寄せているわけでもないんですよね。
想像力を掻き立てられる表現方法がハマったのは、そもそもユニゾンとタイバニの相性が良かったこともあると思います。両者とも成長過程にある闘うヒーローなので、等身大のユニゾンの歌でもあると感じていて、

「ココデオワルハズガナイノニ (オリオン)」
「諦めちゃったら届かない 同じ空であなたが待っているから (リニア)」
「まだ終われない / 快進撃ならちょっと待っててよ (I wanna)」
「君を追いかけるよ 多分死ぬまで (harmonized)」

って足掻いていたバンドが、数え切れぬ星たちを通過して、多彩な武器や矜持を手に入れて、「今 あなたと僕だけで 夢を見続けないか」って言う強烈な光属性のフレーズを威風堂々と放っている景色に、この上なく胸が高鳴ってしまったのでした。なんというロックバンドなのでしょう。アニメ以上にアニメみたいな展開だよ。最高ロマンスだよ。「あなたと僕で」じゃなく、「あなたと僕だけで」と言うところがまたずるいなぁもう!「Perfectly, Euphoria!」と叫びたい。

思い返すとまさにこの時も「綺麗すぎて 忘れられないような景色」で、ドキッ!とした感覚は、この先もずっと心のフォルダに大切に保存されるのではないかと思います。それだけ強烈な音楽体験でした。

ユニゾンがシーズン2も主題歌を担当してくれて良かったなぁ。ありがとう!そして、ありがとう!w(スカイハイ)

チケット代が1万円と高いし、ユニゾンの出番はほんの少しだから行くのちょっとだけ迷ったし、イベントが始まって会場がペンライトで埋め尽くされた時はライブがどうなるのかとても不安になったけどwww、生で聞く声優さんのパワーに感動したし、新曲を聞いて思いがけない感情に見舞われたイベントで、参加して心底良かったと思います。

「kaleido proud fiesta」をライブで聞く機会はこれから山ほどあるだろうけれど、過去のタイバニ曲と一緒に聞くことでしか得られないであろう史上最重要な高揚や感動があったし、やっぱりリリース前にライブで新曲を聞ける喜びは格別ですね。
これからCDを手にして、歌詞やメロディーに隠されたお宝を探すのが楽しみだな。ユニゾンも「タイバニ2」も、それぞれのさらなる快進撃を目撃していきたいです。

このコメントを読むと、なんかわからんけどワクワクしてきちゃうね。「kaleido proud fiesta」はユニゾン自身のプレリュードでもあるのかなと感じます。楽しむ!

祝祭の鐘よ鳴れ。
8枚目のアルバム「Patrick Vegee」も一段落したことだし、次に向かうことにした。
ロックバンドが何をやったら面白いのか、珍しくじっくり考える期間だったよ。
変わる必要がないのがロックバンドだ。けど今を生きる上で挑戦もたまにはいいんじゃないの。要は楽しんだもん勝ちなんだから。
「kaleido proud fiesta」。次に向かうにふさわしすぎる1曲がこうやって生まれたのも何かの運命だ。
面白くなってきたよ。まだまだロックバンドは楽しい。
UNISON SQUARE GARDEN

https://unison-s-g.com/2021/kaleido-proud-fiesta/

「kaleido proud fiesta」のラジオオンエアを聞いた感想

後日「kaleido proud fiesta」のラジオオンエアを聞いて録音したのですが、リピートが止まりません。

ライブで初めて聞いた時はとにかく圧倒されたのですが、「すごい」「かっこいい」「好き」以外の言語化しがたい感情が胸をざわつかせていて、それは一体何なのだろうと考えていたのですが、曲を聞き込むことで主たる理由はストリングスのせいなのだと気づいてスッキリしました。

田淵の書くストリングスライン

ユニゾン特有の疾走感溢れる曲調にストリングスが並走して行くんだけど、「普通ストリングスってメロディーにこんな絡み方する?」っていう引っかかり。私が聞いたことないストリングスラインが展開されていて、気持ちが良い一方で、どっちに進んで行くのか読めなくて心が揺さぶれるというか、方向のわからないジェットコースターに振り回されるような面白さがあります。聞いていて「面白い、でも行き先が見えなくて怖い、でも面白い!」と言う気持ちになるのです。天真爛漫な彼女に振り回される気持ちってこんな感じ?(笑)

JAPANの記事を読んだら、今回はストリングスのラインも田淵が書いたとのことで、だから独特なのかと納得しました。理論やルールを知らない人が書くストリングスだから、未知の音楽との遭遇で胸がざわざわドキドキハラハラするのかなーと。最終アレンジは仲良しの伊藤翼さんにお願いしたとのことですが、「人間が弾くラインじゃなくてもいけるならやってほしい」とオーダーするところが田淵っぽい(笑)

きっかけは佐々木亮介

ストリングスのラインを書こうと思ったきっかけは、佐々木亮介の発言だそうです。

佐々木のポッドキャスト「パねえ」内でそのような発言していたことを私も覚えていました。ユニゾンのアルバムレビューで、「春が来てぼくら」のストリングスに触れた後、

「TBCはくるりの岸田さんみたいに、オーケストラ曲を自分で作ったらどうなのかな」「田淵さんは自身で叩けないはずのドラムをパソコンで作っているから、そのノリで訳のわからないストリングスのスコアを書いたらすごく面白いのでは」(要約)

「佐々木亮介のパねえ 俺とPatrick Vegee」

と話しています。(くるりはストリングス入りの曲も多いし、岸田氏はソロで交響曲を書き下ろしてアルバムも出しています。)

宏介もよく田淵の曲作りは歌を歌わない人の思考回路だ(そこがオリジナリティとしてプラスになる)と言うようなことを言っているし、佐々木が「面白いのでは」という気持ちはすごくわかります。

佐々木は同ポッドキャスト内で、田淵のコーラスワークの独特さ(変なメロディーを歌っているのに気持ちいい)にも触れて「発明だ」と言っているのですが(しかもビートルズを引き合いに)、私も前々から田淵のコーラスってすごく特徴的だと思っていて、あっちゃこっちゃ予想しない方向へ飛び回るけど、何故かすごく耳心地が良くて、メインボーカルそっちのけで聞き入ることがあります。
私があまり音楽を知らないだけで他にもそんなコーラスするバンドもあるかもなとは思っていたけど、佐々木が言うならやっぱり独特なわけで、これもきっと理論やルールを勉強したわけじゃなく、田淵のオリジナルのルールなのだと感じます。

今回のストリングスも、ルール無視で進行するので正体不明のものが鳴っていることにちょっとした緊張感があってドギマギするんだけど、それ以上に面白くて引き付けられて心が揺さぶれるんだろうなと腑に落ちました。とてつもなく不思議ラインなんだけど、快感でもあり、今のところ慣れそうでなかなか慣れなず、新鮮さが持続して、まだまだ聞き足りない。予測不能なストリングスラインと、それに伴うギターの無敵感、怒涛に押し寄せるドラム、はちゃめちゃに動き回るベース、過去のタイバニ曲にはない力強い歌詞のせいで、「kaleido proud fiesta」は何回聞いても胸がざわつくようなトキメキと感動を覚えます。

ユニゾンの新曲を聞いて、こんな不思議な気持ちになったことは初めて。聞き込んだ上でライブに行ったら、何を感じるのかな?って楽しみで仕方がないです。佐々木が「面白いのでは」と言ってくれたお陰で、こんなスペシャルな新曲を聞くことができて、ファンとしては本当に感謝ですね。
そして、佐々木が「kaleido proud fiesta」のストリングスを聞いてどういう感想を持つのか、すごく聞いてみたいな。

「"オリオンをなぞる"を超えることはない」

JAPANで田淵が「何やっても"オリオンをなぞる"を超えることはないから。そういう大前提の中でなんか挑戦しないと、ただ薄まっちゃうものになっちゃうかもっていう危機感があった」と言っていて、作る方はプレッシャーがあるんだなと興味深かったです。常々「スランプになったことがない」と言っているので、曲なんてひょいひょいできちゃうんだろうなと勝手に思っていたし、オリオンを超えるとか超えないとかファンとして考えたこともなかったので。

比べる気などはありませんが、ライブで初めて聞いた時は、やっぱりアップデートされた今のユニゾンが作る新曲に対して「過去のタイバニ曲に比べて次元を超えて来たぞ…」と、自然に思いました。

「今あなたと僕だけで 夢を見続けないか」「トップスピードを更新中 ついて来れるか」っていう力強い歌詞がまたぐっと来るんですよね。その1. この力強いフレーズを発する宏介がかっこいい、その2. 宏介がこういうフレーズを発したらかっこいいと考えている田淵がかっこいい、っていうかっこいいの大洪水ですよ。

歌詞についてはイベントレポでも書きましたが、オンエアを聞いたらタイバニ曲(オリオンをなぞる、リニアブルーを聴きながら、harmonized finale、i wanna believe、夜を行く)全てからガッツリ引用があって嬉しくなってしまいます。
そして過去のどの曲よりもパワーがあって頼もしくて、なんだかキュンとするー!(笑)背景に色んな物語があって説得力があるからだろうな。ここぞという時にこういうスペシャルな曲を出されると本当にぐっと来ちゃう。

この上なく最新のタイバニにもユニゾンにもふさわしい曲だと思うので、ほんとすごいな名曲だなと感動します。田淵の新しい挑戦を褒めたたえたいですね、いやまじかっけーな田淵!

伊藤翼さんによるアレンジエピソード

追記:
6/15更新の「アニソン派!ラジオproject」で、ゲストの伊藤翼さんがストリングスアレンジについて話しています。伊藤さんのお話を聞いてみたいと思っていたので嬉しい!

田淵「メロディーに対して一番おもろいストリングスラインを書けるのは俺なんじゃないか(仮説)」「バイオリンのメロディーだけ書いた、ベースラインを作るような感じ」「なるべくラインを変えないで、よりすごくできたりします?(伊藤さんにお願い)」「ロックの歪んでいる音とストリングスは必ずしも相性が良いわけではないので、おもろい感じになる」「ロックバンドがバキバキにギター歪ませたあとに乗っけたらどうでしょう?」「雑な作り方もロックバンドなら許されるのでは?(仮説)」「ピアノも入れず、ストリングスだけ入れた方がいびつ」「いびつさをOKにする」

伊藤「すでにアイデアが入っているので作業はしやすかった」「バイオリンの音域的に美味しくならないところなどはカットしたり、美味しいラインをこちらから提示した」「夜中にZOOMで(田淵と)リアルタイムでアレンジ」「いちゃいちゃする感じで楽しかった(笑)」「例を見ないくらい難しいという状態になったが、自分のストリングスチームだから時間をかけてできた」「楽しかった、良い音に仕上がった」

「例を見ないくらい難しい」に笑いました。面白いですね。田淵はイビツが好きだな。そのイビツさが唯一無二で、引っかかって心奪われてしまうのかもしれないなと思います。

佐々木に伊藤さん、仲良しのお友達と楽しく良いものを作れるって素敵。

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