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エイブラハムをかじっただけの男と弟子 その85 自分を愛せない人へ

ソ ラ :先生、先生は自分が好きですか?

エス太 :ん?何だ?急に。街頭アンケートか?そういうのは俺、基本お断りしてるんで。今、急いでますので。

ソ ラ :いやいや、そうじゃなくて。先生って、自己肯定感高そうじゃないですか。自分に自信があるというか。

エス太 :自己肯定感ってのはな、別に上げようとか、高くいようなんてしなくていいんだ。そもそも、俺ら全員の価値がマックスで無限なんだよ。
誰かの言葉が自分の価値を下げたりできない。少しの失敗が自分の価値を下げることなんてできないんだ。
わかるか?自分が、自分の価値を疑った時に、初めて自分の価値が下がった気になるだけなんだ。
でも、本当の自分の価値なんて、どうしようと下がったりはしない。
みんな、価値マックスのままなんだよ。

ソ ラ :でも、僕は自分に自信もないですし、自分を好きになれないんです。僕みたいな人は、幸せにはなれないんでしょうか?

エス太 :自分を愛せることは本当に素晴らしいことだ。
ただ、今ネガティブな感情を感じている人が、自分を愛そうとすることって難しいよな?
でも、いい引き寄せをするには、幸せや、愛を感じていることが、一番であることは確かだ。

ソ ラ :先生から習ったように、感情のスケールは一足飛びには上がっていけない。一歩ずつ、少しずつ上げていくんだろうなというのは、何となくわかります。
でも、それで僕が、自分に自信を持ち、自分を好きになることができるのでしょうか?

エス太 :俺は、愛を感じていることが一番だと言ったんだぜ。愛の振動数になることが一番いいんだと。

ソ ラ :だから、僕のように、なかなか自分を愛せない人は詰(つ)んでるじゃないですか。

エス太 :いいかソラ、俺は、愛を感じていることが一番だとは言ったが、自分を愛せとは言っていない。

ソ ラ :えっ?どういうことですか?

エス太 :お前が好きなものって何だ?お前が無条件に愛を向けられるものだ。

ソ ラ :猫は好きですけど。

エス太 :猫のどんなところが好きなんだ?

ソ ラ :猫は見てるだけで癒されます。あのじゃれている姿や、気が向いた時だけ構(かま)ってもらおうとするツンデレ感がたまらないです。

エス太 :なるほどな。今、ここに猫がいたら、何がしたい?

ソ ラ :そうですね、めっちゃワシャワシャしたいです。

エス太 :それだ。

ソ ラ :え?

エス太 :今、お前は愛の周波数で振動している。

ソ ラ :そんなんでいいんですか?

エス太 :ソラ、人が愛の波動になるのは実はそんなに難しいことじゃないんだ。
自分を愛せなくたっていい。自分が無条件に愛を向けられるものにフォーカスすればいい。

ソ ラ :そう・・・なんですね。なんか安心しました。なんだろう、この安心感は。

エス太 :自分が無条件に愛せるものなら、何だっていいんだ。それは、ぬいぐるみかもしれない。推しのアイドルかもしれない。漫画や、アニメのキャラクターかもしれない。別に何だっていいんんだ。それらを、自信を持って愛せばいい。

ソ ラ :先生は、何かあるんですか?

エス太 :俺の場合は家族かもな。

ソ ラ :なるほど~。

エス太 :そうして、自分が愛の波動で振動し、アラインしていると、いつか、自分のことも好きになれる日がくるさ。

ソ ラ :僕もいつか、自分や、この世界を愛すことができますかね?

エス太 :大丈夫。だって、俺たちの価値はずっと無限のままなんだから。それに気づくことはたやすいことだよ。
そしてな、別にこの世界を愛せなくたっていい。
いつか、綺麗な夕日を見た時に、道端の花を見た時に、虹を見た時に、青い空を見た時に、こう思えるかもしれない。
「この世界は、捨てたもんじゃないな」
そこからでも、いいんじゃないか?

ソ ラ :この世界は捨てたもんじゃない・・・いつか、そう感じられたらいいだろうな~。

エス太 :ゆっくりでいいんだよ。のんびりいこうぜ。

ソ ラ :わかりました。

エス太 :そしてな、ソラ、最後に一つだけ、お前に言っておくことがあるんだ。これは大切なことだ。

ソ ラ :何でしょう?

エス太 :俺は、犬派だ。

ソ ラ :いらねぇぇぇぇ。何だ最後の報告。せっかく、いい感じでまとまりそうだったのに。いいじゃん、あのまま終わってよかったじゃん。

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