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序章 "a little dough"

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「A Little Dough」はこれから社会人になる人、あるいはこれからのライフデザインを考えている人達の参考になるような「パーソナル・ファイナンスの考え方」について記載してい…
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#地位財

a little dough… 始める理由

▽”Yes, life can be wonderful, if you're not afraid of it.  All it needs is courage,imagination, and a little dough” そう、人生はすばらしい。恐れてはいけない。必要なものは、勇気と想像力、そして少しばかりのお金。 ▽これはチャップリンの映画、ライムライトの中の言葉です。 最後にa little dough(少しばかりのお金)とありますが、これはいったいどれくらい

a little dough… お金はどのくらい必要か?(完)

▽チャップリンは人生に必要なものは「勇気と想像力と少しばかりのお金」といっていますが、お金にだけは制限を付けました。なぜでしょうか?それはきっと、勇気や想像力は充実した人生を創り出すために欠かせない能力であるのに対し、お金は生きていくため必要なものの代用品にすぎず、これを追いかけてしまうと脇道に逸れてしまうことを実感として知っていたからでしょう。 ▽ロビンソンクルーソーのように、無人島に一人で暮らすならお金は必要ありません。当たり前ですが、あっても現代社会のように有効には使

お金の減らしかた

▽「お金の増やし方」について書いた本はたくさんありますが、「お金の減らし方」について書いた本はあまり見たことがありません。その逆張り的な発想のタイトルに、思わず興味を持ってしまいました。この本は森博嗣さんという方の本ですが、現在配送中で、私もまだ読んでいません。なので、書評ではなく、このお題で1000字ほど書いたみたいと思います。 ▽お金を減らすとは、お金を使うという風に考えると、使いようによっては増えてしまうこともありますので、これは正しくない。あくまで減らす、に拘る。し

あなたはお金持ちか?(2)

▽「期待資産額」の算出を試みた方の中には、この水準はとても現実的ではない、と感じた方もいらっしゃると思います。トマス・J・スタンリーとウィリアム・D・ダンコの「となりの億万長者」という本に書かれている、お金持ちのイメージは、びっくりするほど質素で、周りの人からは全く気付かれることのないような存在なのです。そういう方々を基準として期待資産額(注1)の算出方法を考えたとすれば、それはそれで納得のいく水準かもしれません。 ▽私も含めて多くの方が「お金持ちになりたい」と漠然と思って

宝くじ…そして芝濵 (2)

▽引き続き映画「億男」のレビューです。前回は一男の家族の視点で書きましたが、今回は親友の九十九との視点です。 ▽九十九は同じ大学の落研のメンバーで、「芝濱」を得意の演目としていました。芝濱は、古典落語の人情噺ですが、大金を手にした魚屋が道を外しそうになるところを、嫁の機転で切り抜け、二人で充実したいい人生を送るという話です。九十九自身も、学生時代にアルバイトで貯めたお金を少しづつ株式に投資して、結果的にはツキも味方して、一億円もの大金を手にしまうという設定です。この時、九十

宝くじ…そして芝濵 (1)

▽「億男」という映画を見ました。この映画は、ストーリーの元ネタとして、「芝濱」という古典落語がベースにあります。人生とお金と幸福について、考えさせてくれるお話です。 (あらすじ)主人公の一男(佐藤健)は、図書館の司書をしていますが、兄の保証人になって3千万円の借金を抱えてしまいます。夜もアルバイトをして懸命に借金を返そうとしますが、次第に疲労も重なり、娘のバレエの発表会の費用すら重くのしかかってきます。彼は妻の万左子(黒木華)に、娘のバレエを辞めさせる相談をしますが、妻は「

地位財を地位財にしないために…

▽引き続き地位財の話です。所得・社会的地位・車・家・高級ブランド品などを地位財の例としてあげていますが、これらはどれも地位財になる可能性があるということにすぎません。所得にも絶対的な価値があり、これなしに私たちの生活は成り立ちません。これを地位財にしてしまうのは、アドラーのいう「不健全な優越性」にあります。 ▽前回、地位財になりうるものの共通性に、比較のし易さを上げました。比較のし易さは、それらが金額・呼称・面積など何らかの同じ符号で格付けされている場合におこります。「不健

地位財の正体とは…

▽先日、ロバート・H・フランクの「地位財」と「非地位財」という言葉を紹介しました。「地位財」とは、他人との比較優位によって価値を感じるもの、例えば 所得・社会的地位・車・家・高級ブランド品などをいいます。比較優位によって感じる価値とは、持っていることで優越感を感じ易いということだと思います。一方、非地位財とは、他人が持っているかどうかとは関係なく、それ自体の価値にのみ喜びを得ることができるもの、休暇・愛情・健康・自由・自主性・社会への 帰属意識・良質な環境などをいいます。

幸せとお金の間にあるもの... (2)

▽前回の続きです...おさらいから。下のグラフを見て、私たちの所得が増えても、幸福度はあまり増加していない。増えた所得を幸福感が増加するよう使っていないか、お金で買える幸福の限界値を超えてしまったか、あるいはそもそも相関関係だけで因果関係はないのか… ▽マズローの5段階欲求を考えてみます。 まず第1段階の「生理的欲求」と第2段階の「安全の欲求」ですが、これらは衣食住を満たすことで、かなりの部分をカバーできます。つまり衣食住に貢献することが明らかな「所得」は、これらの欲求を満

地位財を求め続ける…私たち

▽「 地位財」とは、他人との比較優位によって価値の生まれるもの、例えば 所得・社会的地位・車・家・高級ブランド品などをいいます。これは「幸せとお金の経済学」の著者ロバート・H・フランクの考えですが、彼は同著の中で、こんな思考実験をしています。 ▽(実験1)自分は約110坪の家、他の人は約150坪の家に住んでいるAの世界、自分は約80坪の家、他の人は約60坪の家に住んでいるBの世界のどらかを選びます。 (実験2)自分は1年に4週間、他の人は6週間の休暇がとれるCの世界、そして