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財源は血税ではない

こんにちは

お金の話が続きます。
お金が大好きだからです。

みんなもお金大好きですよね?

そんな、みんなの好きなお金を、容赦無く天引きしたり、督促してきたりする憎き税金について、書いていこうと思います。

財源は血税ではない

そもそも税金とはなんぞや、という話をします。

「税金とは、政府財政の財源」
というのが一般的な認識となっていますが、「貨幣」の側から見たらそれは真逆です。

そもそも、「貨幣」という紙に数字が印刷されたものに数字の値だけ価値を保証しているものはいったいなんなのでしょうか。

政府です。
みなさん口を揃えていうでしょう。

そんなに政府のことを信用してるならいいですけど。

例えば、あなたは新独立国家の元首です。国民は現在日本円を使っています。
あなたは新たに、新貨幣「ニョロ」を流通させたいと思います。
公共事業を発注して、業者にニョロで支払いました。

これでニョロは市場に流通したかと思うと、そうではありません。

なんと業者は、ニョロをすぐに銀行で円に両替していたのです。
そして、銀行はそのニョロを中央銀行への準備預金にしていました。

これは、元首であるあなたに信用がないのではありません。

あなたの国のあらゆるものはまだ円で取引されているので円に両替しないと使えないのです。

では次にあなたは、あなたの国の円を駆逐するために、公共事業はニョロで支払い続けながら、税金で円を回収することにしました。そうすれば、いずれあなたの国の市場はニョロで満たされるはずです。

しかし、それもうまくいきません。

相変わらず人々は手に入れたニョロを円に両替し続けます。
銀行の円は枯渇し、銀行家たちは国庫の円を解放しろと怒鳴り込んできます。
なぜなら、円でないと税金を受け取ってもらえないからです。

なので最後にあなたは、ニョロでの納税を認め、ニョロで支払う人は減税の対象としました。
すると人々はこぞってニョロを欲しがり、ようやくニョロは流通し始めたのです。

さて、次におこった問題をみなさんは予想できるでしょうか?

次におこったのはニョロの独占です。
資本家たちは節税のために、商品の代金をニョロで受け取り、労働者への賃金を円で支払いました。
給料が円では労働者たちはニョロ減税の恩恵を受けることはできません。逆に、資本家は節約したニョロで新しい取引をはじめます。

そうこうしているうちに、資本家と労働者の格差はどんどん開き、生活に困窮した労働者が、日本国に逃げ出しはじめました。
日本円ならたくさん持っているわけですから。

では、ニョロ減税をやめればいいのでしょうか?
いいえ、まだ日本と取引できる円の方が需要があります。

必要なのは、ニョロが完全に行き渡るまで発行し続けることです。

長い長い時間はかかりますが、あなたはとにかくニョロを支払い続け、ニョロと円を回収し続けます。

結局その間、毎年あなたが発行するニョロは、回収するニョロの何十倍という額になりますが、国中に行き渡るまでは、ニョロは赤字になり続けるしかないのです。

さて、見出しに戻ります。
財源は血税ではない
先程の例えでは、あなたの国の財源は発行し続けるニョロであり、回収できる血税ニョロはわずかです。ですが、あなたの国はハイパーニョロインフレを起こすことなく、日本円を駆逐することができました。

なぜか

理解して欲しい点は2つです。

・貨幣の価値を保証するのは、税金として受け取ってもらえること

・貨幣は税金として回収される前に、まずは発行されなければならない

つまり、
貨幣というのは「税として受け取ってもらえる券」だから、納税の義務を履行するため誰もがそれを必要とし、それが貨幣の需要=価値となるのです。
(「税として受け取ってもらえる券」=「脱税で捕まらない券」とも言えそうです)
そして、もしその貨幣がほんのわずかしかないとしたら、貨幣の需要が爆上がりしてハイパーデフレを起こすか、大量の脱税逮捕者を出すしかないのです。

これをマクロ経済で有名な等式に直すと

国内政府収支=国内民間収支

政府が支出した貨幣と同じだけ税金を回収したら、民間全体の黒字はゼロです。民間全体で少し黒字(1.4〜2%ほどのインフレ)になろうと思ったら政府は必ず、少し赤字を出さないといけないのです。

いいですか、政府がどれだけ暴力的な大量貨幣発行を断行したとしても、十分な税収のコントロールが伴えば、ハイパーインフレは起こらないのです。逆に、常に政府が財政黒字を目指すというなら、それは少しずつ民間から貨幣が失われているということで、それでは永遠にデフレから脱却することはできません。
政府財政黒字はぜんぜん健全ではないのです。

お分かりでしょうか、なぜ我々はこんなにも税金が憎いのか。
それは、政府からの十分な貨幣の供給がなく、市場からどんどん貨幣が失われているからです。
(厳密には、失われているのは中間層の貨幣で、富裕層は銀行の支援を受けてどんどん貨幣を蓄えています。ただし、実際に実体経済がデフレを起こしているのは本当なので、流通できる貨幣は減っています)

いま、政府が行わなければならないのは、財源を気にすることなく、公共の福祉に貨幣を投入し、滞留している貨幣に刺激を与えることです。
お金の流れのあるところに税金は発生します。なので現状、必ず投入した分の税収が増えます。

最後に、税金とはなんぞや、ということをいいます。

税金とは、投入した貨幣に対する、インフレ率の調整機能です。
インフレしていなければ増税する必要は皆無なのです。

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