イベントはやっぱり”臨場”がいい!

新型コロナウイルス感染症の嵐が吹き荒れる中
なかなかお外に出られないお客様向けのオンラインコンテンツが
むちゃくちゃ乱立しています。

そんな中、演劇の世界では
「やっぱり”生”がいい」なんていろんな人が言っています。

僕は”生””LIVE”というと意味が広すぎるので
”臨場”って言いますね

でも実際、お客様に”臨場”してもらうには、
やれ緊急事態宣言だの、
やれ感染症対策ガイドラインだの
気を遣わなくてはならないことがたくさんありすぎです。

結果、通常の料金ではペイできなくて、
補助金・助成金に頼らざるを得ない。
採択に漏れれば、一気に借金を背負いかねない。

京都の小劇場には、実質活動休止になった劇団がたくさんあります。
新入部員を獲得できず解散した学生演劇サークルもあります。

それでもやるんなら、チケット単価は嫌でもあげなきゃいけない。

感覚的にですが、小劇場のチケットの平均価格はあがりました。
安いところは一掃されたというほうが近いかも。


実はこれ、ある意味では望ましい動きだと思います。


文化には金がかかるんです。
それを下支えする社会の仕組みが必要で、
余暇に文化を楽しむ経済的余裕が社会全体に必要なんです。
余暇に文化を楽しむ教養的素養が社会全体に必要なんです。

それは、現在、直接に芸術家を支援するよりももっと大事なことで、30年前に遡っても政策としてやらなければならなかった課題です。

そして今、
”臨場する芸術には金がかかる”ということが浮き彫りとなりました。

大きな話になりますが、日本という国が
臨場して目にすることができる芸術が大きく花開く国になるか
Eコンテンツばかりが複雑化し、広告収入市場主義の国になるか
分岐点に立たされているかと思います。

そのことについて
「やっぱり”生”がいい」という実演家こそ考えて欲しいと思います。

かくいうこの記事もEコンテンツになるわけですが。


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