レジェンド＆バタフライ

【レジェンド&バタフライ】

▶︎映画

楽しみにして見たけどキムタクファンに向けた作品だった感が終始否めず。
綾瀬はるかがものすごくかっこよくもあり美しくもあったのに完全にキムタク推しなのが目に見えて残念。
中谷美紀がスパイスになっていたし、帰蝶（綾瀬はるか）と各務野（中谷美紀）の空気感も綺麗でとても出来上がっていたのでもっと綾瀬はるかを前面に出していれば作品としてもう少し面白かった気はする。

かなりお金をかけて作ったとのことだが、それが裏目に出たのか逆に嘘っぽいというかチープな世界観だった。


【どうする家康】を見ていて、家康と瀬名のあたたかいふたりの愛と関係がものすごく好きなのもあり脚本が古沢良太というのに興味があり期待もあった。


だが、織田信長（木村拓哉）と帰蝶（綾瀬はるか）の関係性がいまいち響かず大きな世界を描こうとしている割にはふたりの恋物語が少女漫画くらいぶっ飛んだ感じがして途中から感情移入もできない。
最後の本能寺の変で信長が夢見た空想上の幸せなふたりは正直それまでの感情移入できない自分に納得したほどある意味裏切られなかったが。
木村拓哉という人物の凄さはわかっているつもりではあるが、若い信長の「たわけ」な部分は浮いて見えたし老いていく信長の「強い」部分はキムタクオーラが全開すぎてちょっとしんどい。

いったんふたりの恋物語は置いておいて有名な戦国武将としての物語としてはどうかというと、映画だから仕方ないが話がどんどん飛んでいく気がしていち視聴者的にはついていけない感じがした。
私は歴史が好きである程度知識があるけどすごいスピードだなと思ったが、歴史にあまり詳しくない人はどこで行われた誰と誰が敵対している何の戦いかわからないだろうなと思う。（どうなんだろう？）
それも含めてキムタクファン向けの作品なんだろうなと判断してしまった。


面白いなあと思ったのは本能寺の変が起こるきっかけが【どうする家康】とはある種真逆の理由になっているところ。
魚が臭いことに関して口火を切った人物、この日の信長の心情、明智光秀（宮沢氷魚）の心情、短いシーンではあるがここの【どうする家康】との違いを感じ取ることができて面白かった。
しかも、徳川家康を見たことない方が演じているなあと思っていたらクレジットをみてびっくり！
（たぶん公開中にニュースになっているから私もニュースを見ているはずだけど記憶からするりと抜けていたので驚けて得した気分。）

それ以降とくに盛り上がらず本能寺の変も弱く、最後は世界観がぐちゃぐちゃで何の余韻もなく視聴終了。

木村拓哉×綾瀬はるかで違うアプローチで恋愛ものをやったらよかったのになあ。