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ラストマンー全盲の捜査官ー

【ラストマンー全盲の捜査官ー】

▶︎連続ドラマ



The・日曜劇場が戻ってきた
というような気持ちになった。

1話1話の事件は難しすぎることなく、よくある内容なので見やすかった。
皆実(福山雅治)と心太朗(大泉洋)の関係をはじめとする色んな人物の関係が少しずつ紐解かれていくのが面白い。

各話にゲストで登場する俳優も豪華で見応えがあった。


ツッコミどころも多々ある物語だったがそれが逆に面白く見続けることができる要因になっていた印象。
皆実と心太朗の掛け合いのテンポがよくてさすがだと感心したし、泉(永瀬廉)と吾妻(今田美桜)の掛け合いと泉の吾妻への溢れ出す好きがかわいらしくて和んだし、心太朗と佐久良主任(吉田羊)のただならぬ関係もスパイスになっていたし、最高のコンビがたくさんいた。


最終回のノンストップ33分間は心太朗の感情の動きに心動かされ、心太朗の涙に誘われ、大泉洋の凄さに惚れてしまった。
護道清二(寺尾聰)、護道京吾(上川隆也)、鎌田(津田健次郎)、皆実母(相武紗季)、皆実父(要潤)が豪華な俳優陣だったので皆実と心太朗の家族がふたりの関係を紐解くための大きな鍵を握っているのは一目瞭然だったが、皆実と心太朗が実の兄弟とは驚きだった。母親が同じだとは思っていたけど。
いやー、改めてやっぱり驚き(笑)


皆実と心太朗は大人たちの勝手気ままに付き合わされてイバラの道を歩いてきた生き別れた兄弟だったから阿吽の呼吸で動ける最高のバディだったのかな、とかこれまでのふたりを思い返すと今までの出来事の全てがが一気に切なくなる。
清二(寺尾聰)の重ねた罪は絶対に許されないけど清二は清二の出来うる限りの正義を持って心太朗に愛情を注いでいたと思うし、泉に正義を教えていたのも本心だったと思う。
京吾と泉はこれからイバラの道を歩いていかなければならないけど、きっとふたりは本当の正義の人になれるだろう。
京吾は何かしら悪事に加担していると思っていたので京吾に謝ります…


知らなかったほうが良かったことはあるし、後悔はしたかもしれないけど真実は真実だから、真実を知った皆実と心太朗は正しく明るい人生を歩いていけるはず。そう願う。

綺麗な伏線回収をしてくれて、想像を超える結末を迎えて、満足度が高い。今期は伏線が大きな期待を膨らませ回収はその期待を下回る作品が多かったのでなおさら気持ちよく見終えることができる作品だった。

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印象に残った話。

4話で吾妻(今田美桜)の過去が明らかになったときにウルっときた。
痴漢の話はよく聞くけど、痴漢に対する思いって男女差は大きいし、当事者(被害者だけでなくえん罪被害者も)になったことがあるかどうかでもかなり違う。
吾妻が序盤からなんとなくずっと暗くて影があったのは、過去が関係していたからなのかと思うと辛い。皆実を慕っているのもその過去があるからかとものすごくスッキリしたような気持ち。
辛い経験は消えないだろうけど、この話を経てから吾妻を縛り付けていた何かがなくなったような気がしていて吾妻が少し柔らかくなったような感じがしてよかったな〜と。

8話の清水拓海(京本大我)はかなり印象に残っている。まず京本大我の演技に圧倒された。世間を憎むオーラを纏い目も虚ろ虚ろなのに殺気がすごくて画面の前のはずなのに震えそうになるほど怖くてまさか彼がキラキラ輝く現役アイドルだとは思わないほどの人生への絶望感が全面に出ていた。
そして内容。「3年A組」を思い出すような、このSNS社会にメスをいれるもので改めてSNSとの付き合い方を考えさせられた。自分は現実社会での友人以外の誰かやニュースなどを見て不特定多数に向けて何か悪い意味を含むコメント等はしないし、誹謗中傷などはもってのほかなので関係ないと思っていたけれど逆に自分自身が清水のような立場で巻き込まれて人生を壊される可能性があるわけで。それでも清水がバスジャックをしたように罪を犯すことは許されてはいけないが、匿名で発信した人々が許されないのはおかしいこと。少しずつ法整備がされて、少しずつネット上で匿名で行った誹謗中傷にも開示請求をして訴えることができるようにはなってきたけどそれはほんの一部であるし多額の金銭が必要である。まだ若い清水がいくら憎くても自分を晒した全件に簡単にそんな対応ができたかといえば厳しかっただろう。このドラマではそもそもの事件の解釈が清水の勘違いだったという話ではあったけど実際に清水に似た思いをしている人もこの世の中にいるのだと思うと、この話は身近にあって、それだけでなく自分事でもあるのだと思えてラストマンということも忘れて見入ってしまった。

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最後のバディの別れ方、含みがあったね。
続編あるのだろうか。

期待して待ちたい🤍

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