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#文学フリマで気になる本 in東京37

いよいよ目前に迫ってきました、文学フリマ東京37。今年から新たに(?) #文学フリマで気になる本 というタグを公式さんが推しています。

面白そうなハッシュタグだなーと思いながらもなかなか手を出せずにいました。というのも、いかんせん性格がひねくれているため。

僕が勝手に紹介したせいで、相手が反応しないとって負担に思っちゃったら申し訳ないなあとか。なんかコイツすり寄ってきた、って思われないかなあとか。え、なんか知らない人に気になられてる怖い、って怯えさせないかなあとか。逆に、ああ自分の本は気になってないんだね、って不快にさせちゃったりしないかなあとか。僕ごときが他人様の本を紹介するなんて? とか。なんかもう考えれば考えるだけネガティブな要素が増えていきます。

でも、他人様の「気になる本」を見るのがやっぱり面白くて。出店数も作品数もものすごいので、自分では見つけられなかった本がたくさん出てきました。

文学フリマに出品される本って、この機を逃すと手に入りづらいものも多いので、こうやって事前に知ることが出来るというのは大変ありがたいです。

というわけで、やっぱ自分もやってみます。こっそりとひっそりと。


※紹介させていただいた方へ※
知ってる方のも知らない方のもごちゃ混ぜです。というかほとんどがはじめましてです。急に名前が挙がってびっくりさせてしまったらごめんなさい。(なんて書いてるけど、御本人がこんなとこ見ないだろ、ってちょっと強気をこじらせていたりもします)反応は特にしていただかなくて大丈夫です。おまえ全然魅力を伝えきれてねえじゃんってときは補足していただいても大丈夫です。どんな反応をするもしないも自由です。どうか、どうかお気になさらず!


というわけで。前置きが長くなりましたが気を取り直して。

僕が #文学フリマで気になる本 (のほんの一部)を紹介していきます!



文文舎新聞 vol.1/文文舎(A-28)

WEBカタログで書影を拝見したんですが、テーマが「本屋デートって楽しい?」でした。どうやら座談会形式で、本屋デートはつまらないのか?とか、本屋デートにいくならどこにいく?などを語っているようです。

絶対楽しいでしょ、本屋デート!と思ったけど、好きなジャンルがあまりにかけ離れすぎていたらつまらないのかな。その時はもう、○時集合でって言って解散しよう、って思ったけどそれはデートじゃないか。行くならやっぱジュンク堂は外せないなー。なんて、イメージがどんどん広がっていきます。みなさんがどんな本屋デートを語られているのかとても気になります。

文文舎新聞はvol.3まであるそうで、それも気になっています。あと、文文舎ってかいて「ふむふむしゃ」って読むお名前がもう可愛くて素敵です。


名前のない料理/きのみ屋(P-36)

昨年の文フリ福岡で同じ作者の『例えばこの世界の最大級の愛が唐揚げだったら』という作品に出会いました。登場人物の気持ちを、型にはめず繊細に描きだされているところ(と、美味しそうなからあげ)がとても好きな作品でした。

今回のこの新刊は不倫がでてくるそうです。不倫って、まあ一般には良くないとされていることなんですけど、きっとただの善悪じゃなくて、そこにある感情を丁寧に描き出されているんじゃないかなあって想像しています。

あと、紹介文にある「「名前のない」おかず」ってのも気になります。料理上手な人たちが作るというあの、冷蔵庫にあったやつでテキトーにつくったよ的なアレのことなのか、はたまた違う何かなのか、楽しみです。


歌集『鳥の跡、洞の音』/バッテラのじゃこ/牛隆佑(S-11)

情報を解禁されたときのツイートがめちゃくちゃかっこよかった(としか言えない語彙力……)ので、とにかくそちらを読んでいただきたいです。

僕は今年の春に短歌を詠み始めたんですけど、めっちゃ結社や同人誌について調べたし、新人賞にも応募したりしたんですよ。でも、いつしかそれが目的になってたなぁって。短歌が上手くなるための手段を探してたのに、それが目的化してました。そういうことじゃあないんだよなと、とても刺さりました。

心して読ませていただきたい歌集です。


バターロールがまた焦げている/あきやま(U-39)

最初はXで流れてきたのかな。装丁が綺麗だなあ、と目に留まりました。で、紹介文に載っている歌もとても素敵で。

よく焼けたトースト色の犬を抱き四角い痛みが溶かされていく

秋山ともす『バターロールがまた焦げている』

よく焼けたトースト色の犬、は柴犬かな。愛犬でしょうか。その犬を抱きしめることで、主体の心の痛みが和らいでいく場面を想像しました。昔、悲しいことがあると実家で飼っていた犬に抱きついていたなあと、個人的な記憶も重なります。

抱いている、ので物理的には主体のほうが大きいと思うんですが、犬の懐?器?の大きさというのも感じさせられます。描かれている場面では、精神的には主体のほうこそが犬に抱かれているようです。トースト色、からトーストそのもの(=犬)が思い浮かび、その上に乗せられた四角いバター(=主体、あるいは主体の悲しみ)がとろっと溶けていくようなイメージも浮かびました。……なんて、見当外れのことを言ってたらすみません。

紹介文にはあと二首載っててどっちも素敵で、ぜひもっと読みたいなあと買い物リストに入れています。


花二輪/桐島あお(U-40)

紹介文に載っていた「ピアスホール」という連作が沁みに沁みて、これは買いに行かねばと思っています。特に沁み沁みだったのが、こちら。

わたしだけ続きを生きてあの子からなつかしいって言われてしまう

桐島あお「ピアスホール」より(『花二輪』)

連作の流れから、これは今言われたんではなくて、これから先の(そう遠くない?)未来に言われてしまうだろうことに切なさを感じているのかなと思いました。

「わたし」だけがあの子との未来を考えているし、あの子の中では「わたし」は過去になってしまうという、なんか二重に切ないというか。こんなにシンプルな表現なのに、こんなに時の流れや切なさを表せるなんて、と心つかまれました。きっとあの子には悪気がない、どころか親しみすらこもってるじゃないですか「なつかしい」なんて。それがまたより暴力的でどうしようもないなって思います。……これもまた見当外れだったらすみません。


みんなの美術館/未確認電波帯(え-36)

美術館について、27人が綴った27館のエッセイアンソロジーとのこと。

自分が行ったことのあるところがどんな風に書かれているのか。そして、こっちの方が圧倒的に多い、行ったことのない美術館がどんなところなのか。どちらもすごく気になります。

ガイドブックと違って、私的な視点で切り取られているというのが面白そうです。私的だから、ガイドブックではきっとあまり大きくは取り上げられなさそうな地方の美術館とかもたくさん載っているみたいで、ラインナップを眺めるだけでワクワクします。


おわり

というわけで。他にもたくさん気になる本はあるのですが、永遠に書けそうなのでひとまずこの辺で締めたいと思います。時間がとれれば、part2を書きたいけど、どうだろ。

すごい賑わいになりそうなので出来るだけWEBカタログで狙いを定めていきたいなと思う反面、やっぱり会場での偶然の出会いも楽しみたいなという気持ちもあり、揺れています。

そしてすみません、最後に宣伝させてください。実は僕もブースを出します。T-32、カルトンといいます。詩と短歌の本を持っていきます。フリーペーパーもありますので、お近くに来られた際はお手に取っていただけると嬉しいです。

というわけで以上、毛刈り一族の陰謀 #文学フリマで気になる本 in東京37(part1にしたい)でした。ありがとうございました!

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