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寺山修司を小説にしました!

やりました! もし、寺山修司が今も生きていてアイドルグループをプロデュースしたら? 小説「TRY48」の連載完結を果たしました。執筆に至る経緯は以下に記しております。

https://note.com/a_i_jp7/n/n14f8b3f6c777

そもそもnoteを始めたのも、この小説を皆さんに知ってほしかったからなんですね。で、連載開始(2021年12月号)から10か月、10回=10章の物語を書き終えました。あ、気がついたら、これまで「東京トンガリキッズ」はじめ短篇連作の連載はあったけど、長篇小説の連載は実は、人生でこれが初めてだったんですね! いや〜、新鮮な経験でした。
掲載誌の「新潮」はなんと創刊118年、我が国でもっとも歴史ある文芸誌です。おそらく「TRY48」は「新潮」史上でもっともぶっ飛んだ小説じゃないですか? 我ながらそう思います。
前作「アナーキー・イン・ザ・JP」が同誌(2010年5月号)に一挙掲載された時にも「えっ、これ文学なの?」と大いに物議をかもしたものでした。

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が、今回の「TRY48」はさらに輪をかけて、もう行けるところまで行った感じです。初回から寺山修司とアンディ・ウォーホルの人脈比較図が出てきたり、『デスノート』のLと『忍者武芸帖』の影丸のキャラが並べられたり、寺山と唐十郎の劇団の乱闘事件の新聞記事が飛び交ったり、架空の新聞や市街劇の手描き地図が誌面を占拠したり…で、その極めつけが最終章の劇中歌「イチゴジャム皇帝国歌」を、でんぱ組.incのプロデューサー=もふくちゃん、こと福嶋麻衣子さんに作曲していただいたことです! これは音楽ナタリーでニュース記事にもなりました。

これまで小説で、まだ誰もやったことないことをやりたい! 自分にしか絶対にできないことをやりきって、読者を驚かせたい! その一心でした。文芸誌の誌面で明らかに私の小説だけが浮きまくってました笑笑 …でも、それは最初から覚悟の上です。
なぜなら、この小説の主題である寺山修司という人が、まず人を驚かせる達人であり、あらゆる実験的なことを試みたパイオニアだったから(寺山の劇団・天井棧敷は「演劇実験室」と称しました)。その寺山修司を小説にするのですから、寺山に負けないぐらいの実験精神で臨まなければ、と。この小説は、私にとってそんな寺山スピリットに対する挑戦です。
来年2023年は寺山の没後40年です。亡くなって、もう40年もたつのにいまだ名声は絶えず、寺山に関する本が年に何冊も出て、彼の戯曲が様々な劇団によって再演されています。すごい!
私の小説「TRY48」も単行本化されます。ぜひ、手に取って読んでいただきたいです!
寺山修司を軸に、サブカルチャー・アイドル論・現代思想・文化批評・競馬エッセイ・都市論・青春物語…等の要素をぶち込んで、持てる力を振り絞って書いた、私にとっての集大成のような作品になりました。古くは1980年代の『東京トンガリキッズ』やTVドラマにもなった『オシャレ泥棒』の読者の方にも読んでほしい。あるいは、まったく未知の新しい読者の方々のご感想もお聞きしたいです。
noteで連続して『東京トンガリキッズ』や『オシャレ泥棒』について書いたのも、過去の自分の仕事と最新作『TRY48』を接続したい、という思いからでした。そうして未来の作品へと…
『TRY48』は私のマインドを大きく変えてくれました。なんかブレーキがはずれた感じ。これからどんどん面白い作品を書いて、面白いことをやっていこう! という思いです。
ともあれ『TRY48』の単行本発売に向けて、がんばります! 既にさる地方の書店さんから発売時のイベントのオファーが来ております。うれしい。できれば、全国どこへでも行きたいです(あ、2023年は寺山修司の没後40年であり、ドラマ『あまちゃん』の放送10周年なんですね!)。トークライブ、取材、インタビュー等、どんどんオファーしてください。小説『TRY48』を起点として面白いことをやりましょう!
「どんな鳥も、想像力より高くは飛べない」
…これは寺山修司の言葉です。想像力が世界を変える。その一つの形として小説作品があると思います。小説『TRY48』は、そんな世界変革への志向が爆発した作品となりました。ここから自分はどこへでも行ける、という思いです。自由になるために、この小説を書いたんだな、と。明らかに私にとって特別な作品になりました。
ぜひ、ご一読を!
そして、小説『TRY48』から始まる想像力の冒険に、ご協力ください‼︎

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